INFINITY Reference 10E ツイーター断線修理               2017.09.23   Katou@刈谷
INFINITY Reference 10E <INFINITY Reference 10E>

ネットを外した状態

ツイーターが断線していました。
  
<経緯>
  ・従兄弟からスピーカーを修理できないかと打診されました。
   「インフィニティー・リファレンス10Eの片側ツイーターから音が出ない、気に入って使って来たので可能なら直したい」

  ・
経営されているペンションのBGM用で すので現物を確認し早急に可否判断、可能なら修理することにしました。

・先ず分解してみます。
1.先ずツイーターをエンクロージャーから取 外します。
ツイーター取外し
     エンクロージャーはMDFに木質シートを貼った構造です、  
木ネジを緩めると細かな粉状木屑が出ました。
2.取 外したユニットです。
ツイーターユニット
テスターで導通を確認しました。
通がありません、断線しています。
3.端 子のはんだを除去し接合部をカッターで切り離します。
接合部
接合部は上段から2段目と3段目の段差部です。
段差の溝に流し込まれている接着材を丁寧に除去します。
4.マ イナスドライバーで慎重にこじり分解します。
分解成功
左側がスピーカーユニット本体、
左側は本体を支えるフランジです。
5.ダ イヤフラム(左)を取り外します。
ダイヤフラムとマグネット部
ダイヤフラムはマグネット部に差し込まれているだけ、接着されておらず
簡単に分離できました。マグネットギャップには磁性流体が充填されています。
6.断 線部分を確認します。
断線部分
ボイスコイルの巻き終り終わり(2層目の終端)で断線していました。
2層目は1層目の60%程度巻かれています。線径はφ0.1です。

・修理可能と判断しました。
7.断線部を針で突き起しワイヤーを引出します。
はんだ接合
切れたワイヤーをはんだで接続します。
ポリウレタンワイヤーなので被服除去不要です。
8.作業ツールです。
作業道具
左から虫眼鏡、カッター、リングライトルーペ、ハンドフリー・
クランプ、裁縫針です。 他にはんだこてと瞬間接着剤を用います。
9.引 出し部がギャップと接触しない様接着剤で固定します。
接着剤塗布
ボイスコイルからの引出し線は振動板と樹脂フレームの間から
引出します。右側の細線が見えますでしょうか。
10.マ グネット部にダイヤフラムを嵌め込みます。
ダイヤフラム取付け
引出し線を端子にはんだ付けします。
極性を間違えない様注意します。
11.ユニット本体とフランジを接着し完成、取付けます。
木ネジで固定
六角穴はISO 3mmのレンチが適合します。
フランジは樹脂製なので締め過ぎない様注意します。
12.試聴してみます。
試聴確認Audition
ツイーターから問題なく音が出ます。歪もありません。
数時間試聴しても異常なく、完成としました。
                              

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