吸い放題の禁煙法
別名:時限着火式禁煙法



別名が何やら矛盾めいたややこしい表題だが、方法論に忠実に命名するとこうなる。
苦しみながら禁煙するなんてナンセンスだ。
好きなだけタバコを吸いながら、楽に進める「吸い放題式禁煙法」。
そんなうまい方法があるのだろうか。

あるのだ!

私はこの方法で、あるとき"人知れず"禁煙に入り、今に至っている。

この方法は、
禁煙願望があって、かつ、
会議や電車内など1時間や2時間程度なら、まあまあがまんできる、
そういう人なら成功率は高いはずだ。
しかし一方、「こんなうまいものがやめられるか!」という人だったら、
絶対に成功しないので、即刻読み飛ばして欲しい。


■第1章 喫煙ルールを決める

先ず"喫煙"のルールを決める。
「なに?禁煙じゃなくて喫煙ルールだって!?」
そう、"喫煙"のルールなのだ。
自分で決めたことは絶対守る。これだけが以後の鉄則。

そのルールとして、
決めることは、「タバコに火を着けてもよいとする時間帯」、だ。

これを例えば「毎時0分から10分間だけ」と決める。
決めるのは「着火OK」の時間帯だけというのがミソ。
しかしこれを決めたら愚直に、厳格に守る。
なあに、会議時間中を禁煙できるあなたなら簡単なはずだ。

さて、この「着火OK」の10分間なら、何本タバコに火を着けようとかまわない。
1本づつがまだるいなら2本3本、いや10本束にして吸っても良い。
それで足りなければ、鼻でも耳でもタバコを突っ込むがいい。
○時9分59秒であろうと、着火したタバコは有効だ。
その後何分かけようと、ゆっくり根元まで吸い終えてよろしい。

ただし、毎時10分を過ぎてから次の0分までの50分間は
絶対にタバコに火を着けてはならない。

これだけを絶対厳守!

別名「時限着火式」の由来はここにある。

その10分間は、なにも0分からでなくてもよいが、
切りのいい時間帯が守りやすいだろう。
ただし、一旦決めた時間帯は勝手にずらしたり、広げたりしてはならない。
0〜10分でも30〜40分でも、決めたらとにかく厳格にこの時間帯を
守ることがこの方法の鉄則である。
ルールはたったこれだけだ。

大丈夫!吸いそびれても、次の時間帯まで待てば、
また堂々思いきり吸えるんだから。


第2章 着火時間帯を狭める

はじめた頃は、この10分間が待ち遠しい。
50分間自制後の喫煙なのでこのタバコは一段とうまい。
この10分間にタバコを切らすと50分間お預けになるので、
切らさないように必死で買いに走ったりする。

さて、ひと月もコレを続けていると、その10分はあまり気にならなくなる。
結構この着火時間帯に喫煙を忘れていたりする。
最初の頃は「しまった!」と思うのだが、それが「まあいいか、、、」に変わる。
最初の頃はタバコを切らさないように深夜でも買いに走ったりするが、
そのうち「もう遅いから明日でいいや」になる。

そう変わってきた頃が第1の節目である。
すでに1日の喫煙本数は定常的に減っているはずだ。

そこで次に、
これまで10分間としてきた着火時間帯を5分間に縮小する。
これはやってみるとわかるが、意外と自虐感がなく円滑に移行できる。
すでに繰り返し続けてきた節煙効果の表れだろう。
以後0〜5分間の時限着火を愚直に厳格に守り通すことは前と同様に鉄則だ。


■第3章 着火時間帯を間引く

着火時限を5分間にせばめてしばらく続けていると、
0〜5分の着火忘れが結構増えてくる。
で、そのとき「まあいいか、、、」も自然に増えてくる。
だって次の時限にはいくらでも紫煙をくゆらせられるんだから。

これが平気になってきたら第2の節目。
次は、1時間ごとの着火時間帯を2時間ごとに間引く。

これを毎偶数時にするか、毎奇数時にするかは、
自分の生活パターンと相談して都合のいいほうに決めるのがいいだろう。
あまり自制的自虐的な決め方をせず、
守りやすい方の選択をするのが、この手法のコツである。

ぼくでんの場合、第1の節目が1ヶ月、第2の節目は2ヶ月頃だった。


■第4章 完全に止める

そうこうしてしばらく過すうち、
ほんとうに喫煙などどうでも良くなってくる。

ぼくでんはその頃まだ、日に5、6本程度吸っていたように思うが、すでに、
「吸っていいと決めた時間があるから吸っている」、みたいな状態になっていた。
そんなある日、兄弟から、
「止めたいと思ってるなら止めればいいじゃない
と言われたのをきっかけに、
25年続けた喫煙を、その日限り完全に止めた。
それまでなかなかできなかった禁煙が、もう苦痛もなく
すっとできてしまったのだった。

きっとあなたにもできる「吸い放題の禁煙法」

でした。


あとがき

この方法は何年か前に、別名「意気地なしの禁煙法」と題して、
NiftyのどこかにUpしたことがあったが、
全然話題にもならなかった。(^^;
世間には、いろいろ禁煙法やら、禁煙教室やらあるようだが、
それらはほとんど例外なく、「節煙から禁煙は絶対に成功しない!」と言い、
「辛いことだがこうやって頑張ろう!」式の方法論がほとんどだ。

しかしぼくでん自身は前述の方法であまり苦痛もなく禁煙できたことは事実だ。
約3ヶ月弱の間、ぼくでんは「節煙」を続けて禁煙に至ったわけだ。
面白いことに家族はそのことに全然気付かなかった。
宣言してはじめたわけではないし、日常タバコを吸ってるお父さんの
姿に変わりはないし、、、当然といえば当然。

ただ、最後にちょっと背中を押してくれた兄弟の、
「やめればいいじゃない」
の一言は、完全終煙へのきっかけとして重要な意味があったかも知れない。

あれからちょうど10年たった。

(2001.3.8)


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