タラオムーンSS







「おーいワカメー」
丸坊主の健康的な小学生、磯野カツオ11才がワカメの部屋のふすまを開けた。

カツオ「。実はワカメに謝らないといけないことがあるんだ・・」
ワカメ「なーに?お兄ちゃん。」
カツオ「今日のおやつなんだけど、うっかりワカメの分も食べちゃったんだ・・」
ワカメ「えーーひどい。母さーん。お兄ちゃん私のおやつ食べちゃったーー」

パタパタと母親に密告に行くワカメ。
その後を
「だからごめんってーー悪気はなかったんだよー」と追いかけるカツオ。
実にほのぼのとした光景だ。
だが、カツオはワカメが悪の女王だとは知らない。


そして夜

いつものように磯野家では家族全員そろっての夕食。
ワカメ「ねー父さん、聞いてよ。お兄ちゃんったら今日私のおやつ勝手に食べちゃったんだよ」
波平「カツオ。お前はしょうがないやつだな。ちゃんとワカメに謝ったのか?」
カツオ「あ、あやまったよ。。まったくワカメったらしつこいんだから・・」
ワカメ「あー全然反省してなーい」

そのときサザエがサラダを運びながら現れた。
サザエ「カツオの食い意地には困ったものねえ」
カツオ「姉さんだって昨日、公園のゴミ箱に入ってたハンバーガー拾って食べてたじゃないか」
サザエ「あ、カツオ、それは言わない約束でしょ!」(カツオの耳をひっぱる)
カツオ「あ、いてて・・・」
タラオ「2人とも人間として大事なところが欠けてるですぅ〜」
カツオ「タラちゃん。そりゃないよ〜〜」

磯野家みんな(カツオとサザエ以外)「あっはっはっはっは」

この一家には、正義の美童戦士タラオムーンことフグタタラオ
そして、世界征服をたくらむ、クィーンワカメこと、磯野ワカメがいっしょに暮らしていた。

ワカメ「あたし、ちょっと洗面所に行ってくるー」
突然席を立つとトイレに向かう。

カツオ「洗面所だってーどうせウンコだろ?」
サザエ「こら、カツオ。一応うちの家族は文部省認定なのよ。
ウンコなんて下品なこと言っちゃ駄目でしょ!せめてバナナ大使といいなさい。」
カツオ「はーい。」


ここはトイレの中。。

ワカメ「ちっ・・ったくよぉ。くそ兄貴うぜえな。勝手におやつ食ってんじゃねーっつうの」
プカーとセブンスターを吸いながら毒づく。
ワカメ「ただでさえ、少ねえ小遣いじゃタバコもあんまり買えねえのによぉ。」
タバコを吸い終わると、そのまま吸殻をトイレに流す。
ワカメ「いやいや、そんなことよりタラオムーンをどうやって始末するかだ・・」

タラオ抹殺の計画を練りつつ、トイレから出る。そこにはタマがいた。

ワカメ「確かタラオを美童戦士にしやがったのは、この馬鹿猫のおかげだったよな!?」
そう思うと無性に腹が立ってきたワカメ。
怒りのままタマを蹴り上げた。

「ふぎゃーーー!!」
タマの悲痛な泣き声が響く。

ワカメ「痛い〜〜?だけどねえ。私の怒りはこんなんじゃ収まらねーんだよ!!」
容赦なくタマを蹴る。
しばらく蹴っていると

タラオ「あーワカメお姉ちゃん。何してるですかー?」
ちっ・・・と心で舌打ちをしながらも
ワカメ「あ、あらタラちゃん。ちょっとサッカーの練習をしてただけなのよ。
タマってさ、感じで書くと球じゃない?
だからボールみたいに蹴ることができるかなぁって・・」
かなり苦しい言い訳であるが、タラオは別に怪しむ気配がない。

タラオ「別に言い訳をしなくていいですぅ〜。
僕もこの馬鹿猫にはムカついてましたし」
そういうと、タラオはタマの尻尾を掴み、持ち上げる。
そして、思い切り壁に叩きつけた。
フギャーーという鳴き声が響く。
キャッキャと笑いながらタラオは何度も叩きつけた。

天使のような笑顔で卑劣なことをするタラオ。ワカメは見ているうちに恐怖を感じた。

ワカメ「あの・・タラちゃん。もうタマの意識なくなってるんだけど。」
恐る恐るワカメはタラオに言葉をかける。
タラオ「あーー本当ですぅ。」
つまらないなぁという顔をしながら、ぐったりとしたタマを、台所のゴミ箱に捨てるタラオ。

タラオ「いらないものはゴミ箱に・・・ですよね。」
ニコっと笑顔で答えた。

ワカメはその顔に恐怖を感じつつも・・
これはチャンスだと思っていた。
なぜなら、タマがいない今、タラオは美童戦士に変身することができないからだ。

ワカメ「くっくっく・・タラちゃん。タマを捨てた今。もう美童戦士になれないわねえ」
タラオ「えー?美童戦士?別になれなくてもいいですぅ。
というより何でワカメお姉ちゃんが知ってるですか?」

ワカメ「ふふふ・・それはね。私が悪の女王クィーンワカメだからだよ!!」
そういうと攻撃をしかける。

だが・・・
タラオはその攻撃をかわす。
ワカメ「ち!なかなかすばしっこいね。」
ふたたび攻撃を続けるワカメ。
タラオはまた避けると、ポケットから一枚の写真を取り出した。

ワカメ「こ、これは・・」
その写真を見たとたん、ワカメに驚きの表情が浮かぶ。

その写真にはワカメとどこかの会社員らしき人物が写っていた。
しかも腕を組んで。。

タラオ「さーて、この写真をばらまいたらどうなっちゃうんでしょうねえ・・」
ワカメ「ど、どうやってこれを・・」
タラオ「これってワカメお姉ちゃんのパパさんですよねえ・・・
まったく最近の小学生は怖いですねえ。」
ニヤニヤとしながらタラオは答える。

ワカメ「お、お願い。このことは黙ってて・・近所に知られたら私の人生はめちゃくちゃだわ・・」


こうしてタラオの活躍によりクィーンワカメの野望は打ち砕かれた。












エピローグ・・

こんにちわタマです。
つうか、一応クィーンワカメの野望は阻止できたけどさぁ。
タラオってかなり極悪だと思いません?
猫サッカーだとか言って好きなように蹴られるし。
高速道路にはぶん投げられるし。
もうよく死ななかったなーと自分で自分を褒めてあげたい心境です。
というか何度か臨死体験したんですけどね・・

思うんですけど、これでハッピーエンドじゃおかしいと思うんですよー。
いや、全国の猫、犬のみなさんは納得してないよね?
というわけで真のハッピーエンドにするべく、今磯野家のすぐ目の前に来ています。

どうも磯野家のみんなは夕食中みたいですね。
偽善的な「あっはっは」という笑いが聞こえてきます。



実は家周りにはあらかじめガソリンをたっぷりとかけておきました。
あとはこのマッチで火をつけるだけ。。
さーてそれじゃ、みなさん。
これでハッピーエンドです。

え?これじゃあタラオ以外に罪のない磯野家のみんなも焼け死んじゃうって?
まぁ、そういうのは尊い犠牲になってもらいましょー
それファイヤーー♪

おやおや、さっきまでの「あっはっは」という笑い声が
「ぎゃぁぁあああ」という悲鳴に変わりましたね。

これでハッピーエンドと思っていたら。



「あーお家が燃えてるですぅー」
馬鹿な!?
あの声はタラオ!?
しまった。あいつは家にいなかったのか!?


















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