真・ポケットモンスター







この物語は吉祥寺に暮らす主人公・サドシとポケモンによる愛と友情の物語である。




「ポケモン。ゲットだぜぇ〜!!」

満員電車の中で、サドシはいきなり叫び出した。
周りにいる人たちは、ことなかれ主義の日本人らしく無関心な顔をしているが

「誰かしら。いきなり叫び出して。」
とみんな怪しんでいた。

サドシは今年で35歳になる。
彼は無職でポケモンマスターになるんだと夢をもっていた。
そしてポケットモンスターの攻略本やら、アニメのフィルムブックをたくさんかかえ
なにやらブツブツ呟いており、時々
「ビカチュー!10マンボルトだ」
などと奇声を発する。


それからいくつか電車を乗り換えた。
サドシは電車を降り、駅から出た。
お腹がすいたので、万引きしたコンビニの弁当を食べ
ブラブラと歩いていた。

そして、ペットショップになんとなく入る。
そう、彼は毎日ペットショップに通っている。

サドシ「今日はどんなポケモンをゲットしようかな・・」
そう呟くと、リュックからハンマーを取り出し
「ピカチュー!君に決めた」
と叫び、ハムスターのガラスケースを破壊し、1匹のハムスターを捕まえた。

店員が慌てて
「お客さん!何するんですか」
と詰め寄ってくるが
「博士。このピカチューおれになついてるみたいだよ」
と笑顔で返すサドシ

「ちょっと、何言ってるんですか?警察呼びますよ」
と勇敢にもサドシを取り押さえようとするのだが、
ゴツンとハンマーで殴られ、店員は意識を失った。

「さあ、ピカチュー。オレといっしょにこのマサラタウンを出て旅に出よう」
そう言い放ち、ペットショップを飛び出した。

しばらく歩いていると、原付が本屋の前にとまっていた。
旅をするには徒歩よりも、原付で行った方がいいと思ったサドシは
迷わず、原付を盗もうと考え、慣れた手つきで直結する。
そんなとき、

「あ〜!て、てめえ、人のバイクになにしてんだよ!?」
と後ろから声が聞こえる。
どうやらバイクの持ち主らしく、ひどく怒っている。

サドシ「オレの旅の邪魔をするんじゃない。あ、もしかしてお前、ロケット団か?」
バイクの持ち主「は?どうでもいいけどよ。てめえふざけんなよ!」
サドシ「よし!こうなったらポケモンバトルだ!!」
そう言うと、ハムスターを放し

「ピカチュー!10万ボルトだ」
と叫ぶが、ハムスターはヒマワリの種を夢中になってかじっている。

サドシ「どうしたんだ。ビカチュー?」
不思議そうな顔をするが、ハムスターはただヒマワリの種をかじるだけ。
サドシ「い、一体どうしたんだ?さあ、10万ボルトだ!!」
ハムスターは相変わらず、食べている。
サドシ「・・・・・これは一体!?」

バイクの持ち主「おい。てめえ、ちょっと来い!警察に突き出してやる」
と言うが、サドシはハムスターに話しかけているだけで、彼の話は聞いていない。
問答無用で、サドシは連れて行かれた。





ここは警察の取調室
刑事1「さて、それじゃあ、あなたの名前と職業、住所を教えてくれるかな?」
サドシ「名前はサドシ。職業はボケモンマスター。住所は・・・まぁ、公園とか駅とか色々・・」
刑事1「ふむ・・つまりはホームレスってことか。」
サドシ「違う!俺はボケモンマスターだ」
刑事1「ハァ?」

刑事1はやれやれとかぶりを振る。

サドシ「・・・お前はもしかして、ぶたざるポケモンの・・オコリザルか?」
刑事1が少し猿顔であったため、サドシはポケモンと勘違いしている。

サドシ「そうか!ならおまえもゲットしてやるぜ」
刑事1「おい。どうした?何ワケのわからないことを言ってる??」

サドシはそう言うと、ポケットからカラーボールを取り出す。
カラーボールとは、コンビニなどに設置してある、強盗よけのボールある。
当たると中から、唐辛子や催涙液が入っており、とても眼が痛くなる護身用の道具である。

サドシ「オコリザル・・・ゲットだぜ!!それ、モンスターボール」
そういうと、カラーボールを投げつけた。

刑事「ギャァアアア!眼がぁ〜眼がーーーーー!!!」
見事に刑事にクリティカルヒットする。
刑事は痛さでのたうちまわっている。

するとその悲鳴を聞いて、何人かの警官が乱入してくる。
サドシ「ほう・・おまえら。ポケモンマスターのオレと戦うつもりか?」






そして・・・・

オレは今、ピカチューやたくさんのポケモン。
それに仲間のカスミ、タケシといっしょにいる。
ここは夢の世界のようだ。まわりには妖精が飛びまわり
いろんな種類のポケモンも遊んでいる。

サドシ「なあ、タケシ。上手いボケモンフードの作り方教えてくれよ。
・・・え?フムフム。ちょっとお湯で温めればいいんだな」
オレは何日か前には、たくさんの警官にボコボコに殴られて、
どうしようかと思ったが、
なんでオレ、ここにいるんだろう?
警官に連行されてから全然記憶がない。。
なんか頭にチューブみたいのがついてるし、
それにまわりに白衣を来た医者が何人かオレを観察してるけど。。
まあいいや、ここは楽しいし。






サドシは精神病院の一室にいた。
そして何やらブツブツつぶやいたり、叫んだりしている。

「あれは彼の儀式なんですよ」
精神科医が、したり顔で言った。
「幼い頃、両親の愛をうけずにテレビだけが彼の友達でした。
そして、中でもポケットモンスターに興味を持ち、
自分が主人公のサトシと同一人物だと錯覚したのです。
だから、ああやって架空の友達、ポケモンと楽しく暮らす儀式を続けているんでしょうね。」
そして、もうひとりの精神科医がこう言った。
「なるほど、彼のようなアダルト・チルドレンはたくさんいるとは聞いてましたが、
これはかなり特殊な例ですね。」




サドシ「ポケモン ゲットだぜーーーー!!!」
サドシの叫びが病室にこだまする。









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