アルタム エンゼル



 熱帯魚愛好家には、あまりにも有名な魚ですね。
 スカラレ種と違い、繁殖はおろか、トリートメントも至難の業と言われる難物中の難物です。輸入直後の個体は非常に体調を崩しやすく、プロでも全ての個体を生かすのは神業だと言われています。しかし、一度コンディションが整うと、信じられないほど丈夫な魚で、スカラレ種やディスカスが体調を崩すような水でも平然とエサを食べるほどです。
 スカラレ種に比べて、非常に大きくなり、美しいプロポーションを持っています。
 生息するのは、南米オリノコ川とその支流に限られていますが、流域によって3タイプが存在するようです。最も多く日本に輸入されるのが、「ハイランドタイプ」でオリノコ川上流域のコロンビアから送られてきます。「ミッドランドタイプ」は中流域のベネズエラから来ます。下流域の「ローランドタイプ」はベネズエラもしくはブラジルから送られてきます。

 日本に最初に紹介されたのは、「ローランドタイプ」でした。他のタイプより頭部が大きめでヒレが幅狭で長く、吻が上を向いているのが特徴で、最も美しいプロポーションの持ち主です。ただ、このタイプは、他の2タイプよりも輸送が難しく、輸入されてからの生存率が非常に低いことから、最近では ほとんど輸入されなくなってしまいました。

 「ハイランドタイプ」は、「ローランドタイプ」に比べて輸送に強く、国内でのトリートメントの可能性も大きいことから、現在では大量に輸入されるアルタムエンゼルのほとんどが このタイプです。強いといっても、トリートメントには、かなりの技術と労力を要しますが。
 プロポーションは、3タイプの中で最もスカラレ種に近く、「ハイランドタイプ」と比べるとポッテリした感じがします。

 「ミッドランドタイプ」は、「ローランドタイプ」と「ミッドランドタイプ」の中間型で、ほとんどがヨーロッパに輸出されてしまうようです。プロポーションが「ローランドタイプ」に近く美しいことに加え、輸送ストレスに対する感度が「ハイランドタイプ」並であることが人気の理由のようです。時折、ドイツでトリートメントされたものが高額で輸入されますが、これが「ミッドランドタイプ」のようです。

 当店では、10数年かけてアルタムエンゼルのトリートメント法を探し出し、現在では、ほぼ100%の確立でトリートメントできるようになりました。(おそらく、世界一じゃないかと自負しています。)他方面からこの技術の問い合わせがありますが、企業秘密で公開はしておりません。
 前述した通り、トリートメントの完了した個体は非常に堅牢ですから、一般の飼育者の方は、「健康な個体」さえ入手できれば、トリートメントの必要はないのです。

 アルタムエンゼルは、想像以上に大きくなる魚で、上記の「開鰭高:20cm以上」と言うのは一般論で、順調に生育すると開鰭高40cm近い個体もでてきます。したがって、飼育には、最低でも60cm以上の深さを持った水槽が必要になることを覚悟してください。


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