パンケーキリクガメ
サイテスT昇格の行方?
「パンケーキリクガメ」は中央アフリカに生息する、非常に特殊なリクガメです。
昭和の後半までは、時々輸入があったリクガメですが、平成に入って急速に輸入頻度が減ってしまったリクガメです。ここ、1,2年、再び輸入が再開され、喜んだ愛好家の方も多いのではないでしょうか。
しかし、安心してはいけないのです。
実際には、輸入が停止していた時よりも、野生の個体数は激減していると噂されています。
これは、中央アフリカの内戦や民族、部族紛争が複雑に絡んでいます。彼らの生息域は、扮装地域と、ほぼ重なります。紛争で生活を脅かされた人々は難民化し、大規模な移動をしていますが、この現場で深刻な食糧難が起きているのです。旱魃などで、数年前から食糧難は始まっていましたが、そこに戦争が加わって加速してしまったのです。
パンケーキリクガメは、肉が少なく、食材としては貧相ですし、生息地が険しい岩場が多いことから、それまでは、あまり食べられる事は無かったらしいのですが、食料を失った人々には、簡単に捕まえられる、貴重な蛋白源となってしまったわけです。
絶滅の可能性があると言うことで、ワシントン条約加盟国の一部が、彼らをサイテスTに昇格させる提案をしましたが、残念な事に、生息域が危険な紛争地帯であるために、実質的な調査が行なえず、保留になってしまいました。
逆に、紛争地帯の近隣地域で、難民やゲリラからこれを買い入れて輸出する「流通構造」ができたために、「今」我々は、パンケーキリクガメを手にすることが出来るというわけです。
したがって、この地域の紛争が沈静化しない限り、「調査」は行なえず、サイテスTの昇格も無いわけですが・・・
紛争が沈静化した時には、野生の個体群は既に消滅しているかも知れないのです。
「今」、彼らを飼育している人は、心して飼ってください。
平成13年2月
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