どう考えても、強度が足りない・・・
水槽の話です。
平成初頭から多く見られるようになった水槽で、「曲面ガラス」を使ったものがあります。見た目に面白く、おしゃれな感じでインテリア性もあり、使用している人も多いのではないでしょうか?
この「曲面ガラス水槽」。かなりのクセモノで、構造によっては非常に危険な場合がありますから要注意です。
元々、水槽は「側面」に4枚、底面に1枚のガラスで出来ていて、それぞれのガラスは「シリコンゴム(接着剤)」で固定されています。特に重要なのは、「ピラー」と呼ばれる、側面ガラス同士の接合面で、ガラス同士の間にシリコンゴムが存在することで、水槽全体が少々ねじれた状態になっても、内部の水圧に耐えられる構造になっているわけです。
このピラーの部分が完全に固着する接合をすると、ねじれが生じた時に水圧が逃げる場所が無くなってしまいます。観賞魚用の水槽はコストを抑えるために、限界ギリギリの厚さのガラスを使っています。要するに「薄い」と言う事です。そこに過剰な応力が加われば、もろいガラスはいとも簡単に割れてしまいます。
さて、曲面ガラス水槽はどうでしょう?
側面に4枚のガラスを使った物と、鑑賞面と横面が曲げガラス1枚で出来た、2枚だけの物とがあるのにお気づきでしょうか?
この、側面のガラスが2枚だけで出来た水槽がクセモノなわけです。しかも、曲げた部分はガラスが薄くなっていて、容量の水圧が加わった状態で、ねじれが生じると・・・・!!!
水槽にねじれが生じるなんて在り得ないと思う人もいるかもしれませんが、日本の家屋や家具の多くが「木製」です。日本は季節によって湿度が大幅に変化する国です。木製品は湿度によって大きなひずみが生じやすい特性があるのです。タンスや下駄箱の上に水槽を置いている人。くれぐれも注意してください。
*この曲げガラス水槽のメーカー担当者に話をしたところ、「当社の専用水槽台をご使用頂いていない場合は、責任を負いかねます。」だってさ。
*他のメーカーの曲面ガラス水槽の場合、「バットで叩いても割れない、強化ガラスを使ってますから大丈夫!」というトコロもありました。