金魚の夫婦に要注意!
平均水温が上昇してくると、金魚も恋の季節を迎えます。だいたい18℃前後が境目でしょうか。
小さな水槽で金魚を飼育している人は要注意の季節です。
金魚は想像以上に大量の生殖細胞を放出します。つまり、「卵」と「精子」です。
これは、繁殖のためには欠かせない行為なのですが、少ない水量の水槽では命取りになることがあるのです。
精子も卵も生きた細胞なのですが、すべての生殖細胞が新しい命になるわけではないのです。特に精子はほとんどが死ぬ運命にあり、これが死滅すると強烈に水を汚染します。我々が使用している「フィルター」や「活性炭」などの人工的な水質浄化装置では、とても太刀打ちできない汚染のスピードで、これらの道具はまったく無力だと思ってください。
したがって、金魚が産卵をしたら、ただちに水換えをするか、別の水槽に金魚を移動させなければなりません。また、濾過バクテリアも、窒息状態になって死滅してしまいますから、繁殖の兆候が現れたら、別の水槽を用意しておく方が得策といえます。
問題なのは♂♀の判別です。
普段、金魚の性別の判定は排泄口でしかできませんから、アマチュアの方では難しいかもしれませんが、繁殖期は非常に簡単に判ります。
発情した雄には、「追い星(オイボシ)」と言う小さな白い突起物が現れます。この突起物は一見すると「白点病」のようにも見えますが、鰓蓋(エラブタ)と胸鰭の親骨(一番前の棘状の骨)にだけ現れ、触るとザラザラしているので判ります。
この「追い星」が現れた雄が、お腹のタプタプの雌を追いかけ回し始めたら要注意と思ってください。産卵は早朝から正午くらいの間に行なわれ、産卵すると、飼育水が精子で白く濁り、ひどい生臭い臭いになります。よく見ると卵も確認できるはずです。こうなったら、大至急、処置をしましょう。・・・さもないと、親の金魚が死んでしまいます。
金魚が殖えると嬉しいモノですが、親金魚を殺してしまっては、文字通り「元も子も」ありません。