近年のプリンタ技術の発達において、家庭でも写真の印刷が手軽にできるようになりました。皆さんもご家庭で写真の印刷をしたことがあるかと思います。しかし、画面で見た時にはとても綺麗に見える写真が、印刷するとどこか暗い感じになったり、色が画面上の色と違って見えたことはありませんでしたか?これは画面に映し出している色の表現方法と印刷で色を表現する方法が異なるからなのです。
色光の三原色と加法混色や色料の三原色と減法混色でも説明しましたが、CRTディスプレイや液晶テレビなどは加法混色で色を表現し、インクジェットプリンタの印刷は減法混色と加法混色である並置混色(次項目参照)で表現されています。
加法混色は、混ぜれば混ぜるほど白に近づき、減法混色は混ぜれば混ぜるほど黒に近づきます。
例えばCRTディスプレイの場合、赤は光源Rだけで表現できますが、印刷の場合、イエローとマゼンタを混ぜて赤を作り出します。そして色を混ぜれば混ぜるほど暗くなる減法混色ですから、印刷をしたときには若干暗くなってしまうのです。
以上のことから、画面上の色と印刷された色とでは、色を表現する方法が違うため同じに見えないのです。
インクジェットプリンタの印刷は、プリンタヘッドのノズルから同一の大きさのインク粒子を噴射して印刷しています。噴射されるインクの粒子が細かいほど微妙な色の表現ができ、現在(2007年11月)では技術の発達により1ピコリットル(1兆文の1)という脅威的な超極小ノズルが存在しています。
インクの色は、プリンタ自体がインクの色を混ぜているわけではなく、CYMKの各インクを重ね打ちして色を作り出しています。これは「減法混色」をしています。また濃淡は、「点描画」のようにインクを噴出するドットの密度によって調整して表現しています。これは、「並置混色」(加法混色の一種)されています。そのため薄い(淡い)色を印刷するときに、インクの噴出するドットの密度を低く(粗く)すると噴出されたインク自体が目立ってしまい滑らかな表現ができません。図の一番右にある3のイメージ図が一番淡く見えますがドットの粗さが目立ちます。
そのため通常のシアンやマゼンタより色の薄いフォトシアン(ライトシアン)やフォトマゼンタ(ライトマゼンタ)といった色インクを追加することにより、今まで以上に滑らかで優れた印刷ができるようになりました。また発色をよくするため、レッド、グリーン、ブルーの単色インクも追加されています。今では(2007年11月現在)微妙な色を再現し、より美しい印刷ができるように10色インクのプリンタまで発売されています(追加色はメーカーにより異なりますが、レッド、ブルー、グリーン、ダークイエローなどがあります。)。
ただ最新の機種などに採用されている1ピコリットルの超極小のノズルの場合、5色でも充分な美しさを得られるようです。