自治会長・糸井緋芽子 社宅の事件簿2
2002年8月5日(月) 9:00〜10:54 放送
月曜ミステリー劇場(TBS系列)

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伊藤俊人さんの最後の、作品。


もう俳優・伊藤俊人の新しい作品に出会うのは、これが最後なんだ。
カクゴはしていたはずなのに、やっぱり見終わった後泣いてしまった。
伊藤さんのことで泣いたのはこれが初めてかもしれない。
伊藤さんのことは勿論、自分のエゴを含めた、涙。
もう新しい伊藤さんの作品の可能性が完全に消滅してしまったから。


・・・伊藤さんはあのドラマのシーンの何処かで頭痛を抑えながら、
力を振り絞って演技していたのだろうか?


そして、伊藤さんが残してしまったという”ワンシーン”。
それは代役が確実の、「オフィス」関係のシーンだろう。

このドラマで伊藤さんは、もはや自分自身のトレードマークとなっていた、
”黒ぶち眼鏡”をかけて出演されていた。
私はその眼鏡が”守り神”となっていたような気がしてならない。
最後のその刹那まで「伊藤俊人」と云う類まれなる俳優を、護るための。

代役に「喋らせる事」は、タブー。
そこで、代役にかけさせた黒ぶち眼鏡を我々にちらりと見せる。
それだけで、彼の「役」がそこにいるのがわかる。

その、特徴のある眼鏡だけで。

手直しされた脚本も加わり、




伊藤さんの役は ケイゾク、 された。




そして、ドラマは佳境を迎える。

伊藤さんの涙。
「待っているから・・!」と云う台詞。

それらの台詞の一句一句が
このどうしようもない現実と交錯<シンクロ>し、
私の胸に突き刺さっていく。


終幕。


そして、伊藤さんの物語もまた、終わりを告げた。


この番組は最後に、伊藤さんに関するテロップを流してくれた。

「この番組が故・伊藤俊人さんの
最後の作品となりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」

でも、伊藤さんの作品はこれで最後じゃない。
まだ、ショムニ・ファイナルが残っている。
あのドラマの中に確実に野々村課長は存在しているのだから。



だから、最後じゃないんだよ。(某雑誌の受け売りですまない(^^;)



でもとりあえず、あなたにしばしの別れを告げよう。


我々ファンが最後に見た一番新しいあなたに。


私たちには本当に最後になるあなたの姿に。


あなたの肉体的な別離<わかれ>からの、残酷なる時間差攻撃<タイムラグ・アタック>
この身体<カラダ>にしかと刻みつけながら。


当然サヨナラは云わない。
またいつか同じ惑星<ほし>の下で、会えるだろうから。



伊藤さん、本当にお疲れさま。




あなたに出会えて、本当にうれしかったよ。





・・・じゃねっ!



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