運命の、あの日。

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伊藤俊人氏

5月24日17時18分頃、永眠された。
私が初めて彼の名を知ったのは「古畑任三郎」の別番組「今泉慎太郎」で今泉こと西村雅彦氏と共演していた時である。
かれは、“科研の桑原”として異様な印象を私に与えていた。
しかし、その頃は“俊人”がなんて読むのか判らず“ハヤト”とか“シュント”とか勝手に予想していた。
まったくもって世の中はわからないことだらけだ。
桑原技官を演じていた当時から7年余りたち、やっと、彼はトークショーやらなにやらバラエティーに出てくれるようになった。
しかし、私は話を理解する事など出来ず、その出演しているテレビを確認する事はあってもあまりそれを見る事はなかった。

何故だろう。
何故こんなに悔しくてたまらないのだろう。
この私のほうが。
一番悔しいのは彼本人かもしれないというのに。

2004年にはほぼ全てのTV番組に字幕がつくという記事をどこかで読んだのを思い出した。
もしもその時になればトークショーだって私が興味がない恋愛ドラマだって彼が出てて、しかも話の内容がわかるならいくらか見ていたかもしれないというのに。

こんなに赤の他人の死に対して悔しいと思ったことはない。
それほど彼の存在は私を占領していたのか。不思議な事もあるものだ。


何故なんだ。何故彼が天に召されなければならないんだろうか。

私にはわからない。私にはわからない事が多すぎる。



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