・マイナーRPGに光を:二十・
私の印象に残っているマイナーRPGを挙げてみます。
今回はBURAI 八玉の勇士伝説・・・選ばれた仲間たちが集結し、
悪と戦うという南総里見八犬伝をモチーフとしたRPG。
 PC版が1989年発売という、同様の物語展開のドラクエ4(1990年発売)より
早いタイミングにもかかわらず、それを遥かに凌駕するアニメチックで
ダイナミックな群像劇を描いていた・・・
んじゃないかなぁと思われる超大作(自称)RPGです。


BURAI 八玉の勇士伝説・・・前述のように元々は1989年にPC用で発売したものだが、
私(正確にいうならば兄)がプレイしたのは例によってPCE版である。
キャラクターデザインを聖闘士☆矢やベルサイユのばらのアニメ版のキャラデザで有名な
故・荒木伸吾、姫野美智コンビが務めているため、
その美麗なキャラクターを生かすイベントアニメや一枚絵が多めな演出となっている。
さらにPCE版では豪華声優陣がそのキャラクターに声(いのち)を吹き込んでいるのだ。
PCE版の場合、同時期にFCで出ていたのがドラクエ4やFF3であることを考えると、
いい意味でも悪い意味でもRPGの歴史上において、
そのビジュアル&声優重視のスタイルはオーパーツと言っていい存在かもしれない。
ただその声優の演技については、時期的にスーパーCDーROM2ではないため、
一回の読み込みで使える容量の関係上?なるべく音声データを圧縮しようと
セリフの多くが超早口の高速言語気味なのが玉に瑕である。
(閑話休題)
このゲーム、結構変わったシステムで、攻撃力や防御力、スキル等は
各キャラごとにそれを上げる修行を設定して、歩いた歩数により熟練度を上げて、
パラメータをアップさせていくタイプであった。
これについては後述するような思い出深いことがあったりなかったり。
そして、シナリオは前述のようにドラクエ4のように各キャラのシナリオをクリアした後、
全員が合流するシナリオになる、という流れである。

PC版だと好きなシナリオから始められるらしいが、PCE版だと順番が決まっている。
まず最初にプレイすることになるのが、
かわうそくんとジェロニモを足したようなキャラのゴンザとモンちっちのような妹マイマイ。
兄は脳筋で、妹は魔法使いタイプなのだが、速攻で妹が攫われるため、
ドラクエ4でいうところのライアン状態に。
回復スキルがないので、回復手段は敵を倒した時にドロップするアイテム頼み。
もっとも素で強いため、ちゃんと攻撃力と防御を修行すれば全然苦戦しない。

次が、銀髪長髪美形の塩沢声のキャラ 幻左京。
なんとこのキャラは天界の神のため、一撃で雑魚敵を全滅させられ、
なおかつ全員のHPとMPを回復させるスキルがあるのだ!
要するに公式チートなのだが、シナリオ途中で五体を次々封印され、
弱体化してしまう(バランス調整のため)
敵だと強いのに、仲間になったら弱い、または強い仲間だがすぐに離脱するor寝返る
というRPGの定番が出来るより前に、仲間で、設定通りにクソ強い→シナリオで弱体化
というパターンを作ったのが時代の先を行きすぎである。
このパターンで思い出すのが、TOAのジェイド位しか思い浮かばないあたり、
本当にキャラ重視RPGのオーパーツ的な気がしなくもない。
 ちなみに強い仲間で離脱もしないというとFFTのシドが有名だが、
アルナムの牙には、この左京と類似のスキル持ちなのに弱体化&離脱しない
というとんでもないキャラがいたりする(最終盤にしか仲間にならないけど)。
(閑話休題)
そして、次は何やら敵幹部のところで占い師をしている爺さんのアレック。
敵幹部のところで占い師をしている上に余裕溢れる飄々とした佇まいから 先の左京のような強キャラなのかと思ったら・・・
街付近の雑魚に嬲り殺される程度のキャラ><;
ある意味、キャラRPGの設定とパラメータが比例してない系キャラのテンプレみたいな。
仕方がないので防御力修行に設定して、なんとか勝てる雑魚を引けたらセーブ。
ダメならロードというやり込みレベルのプレイを強いられながら、
地道に防御力を上げていったら、なんとかクリアできた。
ホント第一印象は左京のような強キャラだったのに、
実際は要介護老人だっただなんて、たまげたなぁ。
コイツのおかげで修行の重要性がよくわかった記憶が;

次はサリーちゃんのパパのような髪型をした名前がバビルという念術士。
物凄く横山光輝テイスト漂うキャラではあるが、
取説での八玉の戦士には彼ではなく子供のクークが載ってる時点でお察し。
子供と妻を預けた弟弟子が寝返って二人を盾にバビル殺害(なんやかんやで妻も先に死亡)。
それを見た子供がイヤボーン!して覚醒して弟弟子をぶっ殺すという展開なのだ。
これもアルナムの牙の主人公の、本来選ばれた兄弟子死亡→繰り上がりで主人公が代表
のようにテンプレ展開なものの、やはり時期からして斬新だった。

次が緑髪のねーちゃんリリアン。
かわいい(小並感)
戦闘がなくて、聞き込みしてると終わるというあまり印象がないシナリオ。
一応、ラストが次のシナリオのヒキになっているのだが、
PC版だと順番は任意なのでどうなってたんだろ?

次が星矢とアイオリアを足したような感じのいかにもな主人公のハヤテ。
仲間も強いので楽勝だったような?

そして、ラストが紳士風のイケメンリザードマンのロマール。
リザードマンなのでイケメンなのかは人類には判別できないが、
声がアクマイザーのイビルなので、多分イケメン枠なんじゃないかと。
なんかタイムマシンを発明しようとしていたというのが伏線っぽいことしか覚えてない><

そして、ついに八玉に選ばれた仲間たちが揃った!
しかし、敵の何万もの軍勢に囲まれている!
確かこの敵達には御子(八玉の勇士が護る対象)に張られたバリアでダメージを受けず、
敵の兵士の数=敵の体力という感じで、何回かに分けて戦闘したような?
結構面白い設定だったのでRPGツクールで使った記憶があるようなないような。

揃った後にやることは各地に散らばっている八玉の神器を集めることなのだが、
まずクークの神器を手に入れると無茶苦茶強くなる。
ロマールの神器を手に入れるためにクークがソロでダンジョンに入り、
父の敵である弟弟子の幽霊と戦わなくてはいけないので、大分難易度が変わる。
というかこの神器、武器か防具なのだが、武器のキャラが急に強くなるということは、
逆に武器じゃないキャラは武器戦闘では役立たずになってしまう。
防具なのは左京とマイマイとリリアンだけだが、おかげで左京があんまり強かった記憶がない。
・・・まぁ、シナリオで無双してたからいいけど。
あとハヤテが実は天界の神の血を引いていて、イベントで覚醒して敵の幹部を屠ったりとか
時代の先を行くラノベ的な設定も記憶に残っている。

 そんなこんなで、八玉装備もあと一個!
というところで大きな問題が発生。
なんと兄が新しいゲームを買ってきたのだ!
え?別に問題ないじゃん?と思うかもしれない。
だが大問題なのである。
なんとこのゲーム、
CDROM2の記憶容量の全てを使ってしまうのだ。
つまりこのゲームをやるためにそれまでプレイしたゲームのデータは尊い犠牲となっていたのである。
そして、兄が買ってきた新しいゲームをやるためには、このゲームのデータを犠牲にするしかないのである。
・・・そして、このゲームのクリア直前のデータは永遠の闇の中に消えていった。
な、なんて尻切れトンボなオチなの!?
八玉の勇士はどうなったの?敵との決着は!?
データ容量フル使用なんちゅう仕様が全部あかんのや。
せやけど安心せい。
ゲームディスクをCDプレイヤーにかけて聞いたEDからすれば、
このゲームだけではなんも解決してへんから。
え?どういうこと?
元々PC版の時点で上下巻やったんや。
んで、こっちのはその上巻やった、ちゅうわけや。
え?そんな時代から分割商法やってたの?
本当にある意味でオーパーツなんだね。
せやな。
一応、PCE版は下巻にあたるUが出とるからいいが、
他機種への移植は全部上巻部分で終わりなんや。
そ、それはヒドイ尻切れトンボ。
せっかくシナリオは面白そうなのに、オチを知る機会がないなんて。
まぁ、管理人の中の人みたく下巻に触れる機会がありながら、
別の要因のために上巻時点で尻切れトンボちゅうんも正当に評価できんくて考えもんやがな。
でも、ほんま左京のくだりはあの当時からしたら、びっくりする展開やったんやで
・・・各キャラの説明文の長さの違いで、なんとなくそれは伝わってきたよ
あと、アレックとかいう爺さんの残念さも。

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