・マイナーゲーに光を:八・
私の印象に残っているマイナーゲームを挙げてみます。
今回は『魔神英雄伝ワタル』。
アニメ放映当時にハドソンがスポンサーであった兼ね合いでPCEで発売されたアクションゲーム。
あ、PCEといってもCD−ROMの方ではないのでアニメシーンも声もないです。ないです。
その他にもアニメ放映途中でのゲーム化なので色々とアレだったりするのですが・・・


『魔神英雄伝ワタル』・・・1988年に放映されていたRPG風アニメ。
作中のロボットである魔神はプラクションとして発売され、
ワンギミック(バネを使って剣を振ったり、隠し刀が飛び出したり)が用意されている等、プレイバリューが高かった。
そんなワタルのゲームが放映途中に発売されるのである!
純粋な子供は『どうせ途中までしか放映していないから、取ってつけたラスボスと原作キャラがちょっと出てるだけのゲームだろ?』
なんて思わないので買ってしまうのであった。
もちろん、純粋じゃない私(兄)も買ってしまったのはいうまでもない。
まぁ、やっぱり『』内の通りのゲームだったんですけどね!!

・・・ともかく、ゲーム内容の紹介をしておこう。
基本的に横スクロールのアクションで、原作同様の全7面である。
原作が創界山の第七階層を目指すお話なので。
そして、面前半はワタルを操作して、敵を倒して金を稼いで武器を強化したり、サブウェポンの弾を買ったりする。
面後半はワタルが龍神丸を呼び出して搭乗し、龍神丸を操作して雑魚魔神やボス魔神と戦うという構成となっている。
原作の七階層はそれぞれ各階層に特徴があり、一応このゲームもそれに従っているように見えるが、
四階層が氷の世界、五階層が工業地帯の原作と異なり、四階層が工業地帯、五階層が氷の世界になっている。
しかし、発売時点ではまだ第三階層か第四階層くらいにもかかわらず、
アニメで登場していない六階層が魔法の世界であるようにアニメを先取りしているので、
ゲーム制作時に渡された資料からアニメ化にあたって変更があったのではないか?と思ったりした。
あと氷の世界や工業地帯という設定は取説での説明にはあるものの、
ワタルステージの背景やギミック以外に反映されていない上に
魔法の世界というのは背景にすら反映されていないのはナイショである。

それ以外にも原作キャラであるシバラク先生やヒミコ、オババやオジジは店の店員としての登場のみであるため、
ビックリマソワールドのように既存ゲームのキャラ置き換えゲーなのではないかと思っていた時期が俺にもありました・・・。
(※ビックリマソワールドはワンダーボーイ モンスターランドのキャラ置き換え)
何より問題なのは虎王が出てこないのである!
まぁ、クラマも幻龍斎(ヒミコの父親)も出てこないので仕方ないのかもしれないけれど、
それでも虎王が出てこないのである!(大事なことなので二回言いました)

なのに龍神丸ステージの敵魔神はオリジナル魔神が二体もいるという不思議さ。
実は原作の没魔神なのかもしれないけれど、それを出すならもう少し他に出す魔神がいたんじゃないかと。
という仕様のため、想像できるとは思うが、当然各階層のボス魔神も原作準拠ではない。
そもそもラスボスがドアクダーではなく、ガッタイガーなのである。
FC版聖闘士星矢の最初のゲーム化が十二宮編が始まるちょっと前だったために、
十二宮の最後に待ち受けているのが教皇ですらなく、読者参加企画の影武者聖闘士だったのに似ている状態といえば、
わかりやすいか、まったく通じないかとどちらかであろう。
そして、ワタルファン的に違和感を覚えるのは、ラスボスの名前であろう。
ガッタイガー・・・原作では「ガッタイダーに合体だー!」なのでガッタイダーなのである。
・・・名前違うじゃん!
でも大丈夫。
姿も違うから問題ないな!
・・・なぜか取説の絵だと原作準拠なのはナイショである。
しかし、このガッタイガー、問題なのは名前や姿だけではない。
一番の問題は、その強さである。
弾を撃ちながら飛行する上半身と突進してくる下半身をかわしながら、上半身に攻撃を当てないといけないのだが、
その理不尽なまでの攻撃力と苛烈な攻撃の前に回避と攻撃を両立できずに心が折れてしまうのである。
そこで私と兄が考えた攻略方法はこれである。
『連射付きコントローラーの攻撃ボタンをセロハンテープで固定する』
要するに攻撃と回避が両立できないなら、攻撃しっぱなしで回避のみに専念すればいけるんじゃね?という理論。
この方法で兄と私は頑張って何度かクリアすることができるようになったのである。
しかし、ある時、引っ越す前に仲の良かった友達と久しぶりに遊んだ時のことだ。
友達がこのワタルをプレイしたのだが、ラスボスであるガッタイガーの部屋直前で
いきなりガッタイガーめがけて落ちながら突っ込んでいったのである。
兄と私が連射ボタンをセロテープで固定してようやく勝てる相手に準備なしでそんな突進をかますとは!?
と「何やってんだよ(笑)」となっている兄と私の前に、全く微動だにしないガッタイガーの姿が。
そんなガッタイガーを「ね?簡単でしょ?」とでも言わんばかりにノーダメージで倒す友達。
・・・我々の苦労はなんだったんや(´・ω・`)

のちに分かったことだが、
『ガッタイガーの部屋に進入する前の足場で画面左端から右に向かってジャンプし、右を押し続ける』
ことでガッタイガーが動かなくなるという、あまりのガッタイガーの強さに対する救済措置として
デバッカ―が意図的に残したバグらしい。
そんなバグを残さなくてはならない難易度を調整してどうぞ。

もっともこのおかげでエンディングで流れる原作OPのSTEPのインストが聴きやすくなったので
当時の我々は満足だったのだが。
ただの出オチだよね、今回。
冒頭の『どうせ途中までしか放映していないから、
取ってつけたラスボスと原作キャラがちょっと出てるだけのゲームだろ?』
で結論出てるし。
まぁ、その通りなんやが。
そんでも買わずにはおれん位に原作は面白カッコよかったんや
なに、その言い回し?
ふざけてるの?
いんや、原作の次回予告時の台詞が「ハッキシ言っておもしろカッコいいぜ!」やったんや・・・

▲上へ


他のページへ

Copyright (c) えむ・けぇ allright reserved.

当ページ内における作品名・団体名およびそれらの名称は実在のものとは関係がありません。