泣き虫新米艦長ブライ子

第0話前編

宇宙世紀0079・9月18日午前8時過ぎ
サイド7・1バンチに入港するホワイトベースの一室にて

ブライ子「まもなくサイド7に入港します。レイ大尉、至急ブリッジに
お越しください。パオロ艦長がお呼びです」
テム「ん、了解した。・・ブライ子くん・・・だったかな?」
ブライ子「え?あ、はい!ブライ子・ノア少尉であります!」
テム「軍に入って何ヶ月になるかね?」
ブライ子「えーと、(指折って数える)ろ、6ヶ月になります」
テム「19歳・・だったか?(ふむ、若い娘の脚はいい!)
ブライ子「はい・・(あ・・脚を見られてる?だから、スカートじゃない制服がいいってお願いしたのにぃ・・・・)」
テム「パオロ艦長直々の推薦でこの艦に来たんだろ?さぞ優秀なんだろうね(特に胸あたりが・・)」
ブライ子「いえ・・私なんて、訓練校でも成績最下位で・・・(あ・・嫌、胸見られてる?)」
テム「ふーん(パオロめ!上手いことやるもんだ!)まあ、ガンダムさえ量産されれば・・・」
・・・・・・・・
ブライ子「やだなあ・・・やっぱりお母さんの言うとおり女に軍なんて合わないのかな・・お父さん・・・」
第0話後編

サイド7にジオンのザク侵入、アムロのガンダムによって撃破される・・・

リュウ「大丈夫ですか?艦長?」
パオロ「ああ、こっぴどくやられてしまったよ・・」
ブライ子「か、艦長!」
パオロ「おお、ブライ子か!そうか、無事だったか・・・良かった」
ブライ子「か、艦長ぅ・・・・」
パオロ「泣くな、ブライ子・・生存者はどれほどだ?」
ブライ子「さ、サイド7に入った軍人技師は全滅です・・みんな、死んじゃって・・・」
パオロ「ブライ子、私はこのザマだ・・・・・きみがこの艦の指揮を執るんだ!」
ブライ子「!!そ、そんな!出来ません!私なんて、訓練校でもドベで・・・」
パオロ「ブライ子、確かに君は総合では褒められた成績ではなかったが、
    戦術シュミレーションだけはダントツの1位だったのだ」
ブライ子「・・・え?」
パオロ「だから、私は君をこの艦の未来の艦長候補にと推薦したのだ・・・」
ブライ子「・・・・」
パオロ「私はね、ルウム戦役で君のお父上に命を救っていただいたのだよ
    ・・・私が直接多くのことを教えるつもりだったが・・うっ!」
ブライ子・リュウ「パオロ艦長!」
・・・10分後、ブリッジに毅然と立つブライ子の姿があった。
目は真っ赤だが、もう泣いていなかった
ブライ子(艦長!私やります!この艦を、艦長の艦を必ず守ります!)
    「アムロ君と言いましたか?ガンダムの部品の破壊を命じます!」
アムロ「・・了解(気に入らないな!女のくせに艦長面しやがって!どうせ、その体を使って・・・)」    
第1話前編

シャアの追撃から逃れ、ルナツーに寄港するホワイトベース

ブライ子「私たちは民間人の方を百人以上乗せているんですよ?
     この人たちはサイド7が攻撃されて仕方が無く・・・」
連邦仕官「ここも緊急事態の連続でな。君らの都合に合わせることは出来んよ」
ブライ子「そ、そんな!やっとの思いでここまできたのに、休むことさえ出来ないなんて!」
ワッケイン「君の質問には私が答えよう・・ルナ2方面軍指令ワッケインだ」
ブライ子「ブ、ライ子・ノア少尉であります(怖そうな人だなぁ)・・」
ワッケイン「君の資料を見せてもらったよ・・訓練校での成績、酷いものだな!」
ブライ子「・・・・・・」
ワッケイン「残念ながら民間人を収容しておく余地は無いな!」
ブライ子「そ、そんな!」
ワッケイン「尚、ブライ子・ノア以下7名のものは一般避難民とは隔離する!」
ブライ子「訳を、訳を聞かせてください!」
ワッケイン「君は一介の士官候補生の身にありながら連邦の最高機密兵器を許可無く使用した
     軍事裁判で重罪を免れないものと思っておくんだな!」
ブライ子「そんな!勝手すぎます!私たちの言い分も・・・」
  ピシャリ!(ワッケイン、ブライ子の頬を打つ)
ブライ子「きゃあ!?」
リュウ「ブ、ブライ子!」
ワッケイン「さっさとそいつらを連れて行け!」
ブライ子「待ってください!赤い彗星のシャアは必ずこのルナツーを攻撃してきます!」
ワッケイン「フン!これだから素人は・・パオロ艦長が亡くなられたのをいいことに
     戦略家面か?貴様のような奴らがいるから連邦は苦戦を強いられているのだ!」
ブライ子「そ、そんな・・・!」
ワッケイン「何をしている!さっさとそいつらを連れて行け!」
第1話後編

ワッケインの命令で幽閉されるブライ子以下7名

連邦兵「食事だ」
ブライ子「ワッケイン司令に会わせてください!お話を!あ・・」
アムロ「無駄でしょ、ブライ子さん」
ブライ子「でも、赤い彗星のシャアはきっと来るわ!」
リュウ「落ち着けブライ子。・・お前サイド7出てからこっちほとんど休んでないだろ?」
ブライ子「リュウ・・・でも・・」
カイ「そうだよ、ブライ子さん。食べれるときに食べとかないと」
ミライ「いざという時なにもできない・・てことね」
セイラ「二人の言う通りよ、ブライ子。」
ハヤト「銃には弾を、兵士には食事をってことか」
ブライ子「・・・みんな、ありがとう」
リュウ「おいおい、それくらいで泣くなよ、訓練学校時代から変わってないな!」
アムロ「・・・・・・でも」
ブライ子「?」
アムロ「落ちこぼれ艦長さんじゃなくて本物の軍人だったら話を聞いてくれてましたよね」
ブライ子「!!」
リュウ「アムロ!貴様!」
ミライ「アムロ!なんてこというの!」
セイラ「・・・でも、それも事実じゃなくて?」
ミライ「セイラまでそんな・・・」
ブライ子「ううん・・アムロ君のいう通りよ。アムロ君やリュウ達が必死で
    戦ってきてくれたお陰でここまで来れたのに、私の力不足で・・」
カイ「そんなことないって!ブライ子さんの機転が無かったら俺たちとっくにお陀仏だよ」
ハヤト「そうだよ。おいアムロ!ブライ子さんに謝れよ!」
アムロ「ふん!・・・・」
ブライ子「・・・ごめんなさい・・・・・・」
その1・5話

ルナツーを出港するWBを見送るワッケイン

連邦士官「司令」
ワッケイン「ん?」
士官「よろしかったのですか?ホワイトベースを行かせてしまって」
ワッケイン「・・・・しかたあるまい」

ワッケインはつい1時間ほど前の出来事を思い出していた
ブライ子・ノア少尉の予想通りルナツーはシャアの奇襲により窮地に立たされていた

ワッケイン「貴様ら!そこでなにをしているか!」
アムロ「シャアと戦えるのはガンダムしかいないんです!」
ワッケイン「すぐに退去したまえ!」
ブライ子「反逆罪は覚悟の上です!司令、あなたの敵はジオンですか?私たちですか?」
ワッケイン「貴様!」
 ブライ子の眉間にワッケインの拳銃が突きつけられる
ワッケイン「貴様・・ここで軍規を教え直している時間は無い。私に引き金を引かせたいか!」
ブライ子「私達軍人なら軍規のために死ぬのも仕事でしょう。でも、それに民間人を巻き込む道理はありません!」
ワッケイン「な!?」

圧倒された。年端もいかぬ小娘に百戦錬磨の自分が。迷いの無い凛とした瞳。
ここに来た時のオドオドした様との落差に思わず拳銃を下ろしてしまった。

ワッケイン「パオロ艦長はあの娘にホワイトベースを託したのだな」
士官「は・・そういえば司令のご息女もちょうどあの位の・・」
ワッケイン「・・連邦軍本部には私から説明しておく・・行かせたくはなかったが・・
      未来ある若者に重責を負わせて大儀の名の下に犠牲にする・・
      寒い時代だとは思わんか?」
第2話前編

北米に降り、ガルマ隊の攻撃を受けるWB

ブライ子「ジオンの空軍なの?」
オスカ「ガウ攻撃空母一個中隊が展開しています」
ブライ子「かなりの数ね・・・」
リード「ガンダムさえ出せば事は済むんだ!このジオンの壁を突破するには他に手はない!」
ブライ子「・・アムロ君には休息が必要です。中尉、あなたも傷に障ります。お休みください」
リード「私が指揮をするんだ!ガンダムが一機、コアファイターが一機、これで中央突破する!」
 ブライ子はブリッジでわめき散らす上官を横目にやりながら、額に手をやり中指で額をコツコツ叩き出した
リュウ「(ブライ子・・・訓練校時代からその癖は直らないんだな)」
 リュウは知っていた。それが普段怒りをめったに面に出さないブライ子の「苛立ち」のシグナルであることを
アムロ「僕はいけますよ、ブライ子さん。やるしかない、そうでしょ?」
ブライ子「アムロ君・・お願いするわ。ガンダムではなく砲撃能力の高いガンタンクで出て頂戴」
リード「それで突破できるんだろうな!ブライ子少尉!」
ブライ子「・・・・・(わかるものですか!)ちょっと!フラウ!戦闘中よ!子供たちをブリッジにあげないで!」
オスカ「て、敵の地上部隊です!」
リード「なんだと?マゼラアタックの部隊か!こ、後退!いや、転進だ!」
ブライ子「前部主砲、マゼラアタックを狙いなさい!突破します!」
リード「き、貴様!軍規違反で・・・」
ブライ子「・・・敵の包囲を突破してご覧に入れればよいのでしょう?」
リード「・・・よかろう」
・・・・・・・・・・・・・・・
ミライ「ようやく退いてくれたみたいね。みんながあなたをあてにしている・・でも無理はしないでね」
ブライ子「ありがと、ミライ。あなたにそういってもらえると助かるわ」
第2話後編

ガルマ隊を退けたWB内のブライ子の部屋の前にて

リュウ「ブライ子。俺だ、リュウだ。ちょっと話いいか?」
ブライ子「・・・・・んー?リュウ?ちょっと待ってね」
 少し間を置いて扉が開く。戦艦内に不似合いなピンクのパジャマに身を包んだブライ子が立っている
 空調を低めに設定しているせいか、手は半分パジャマの袖の中に隠れていた
リュウ「・・・!?お前、飲んでるのか?真っ赤じゃないか!」
ブライ子「なによぅ。女は酒飲んじゃいけないっていう軍規でもあるの?」
リュウ「それ以前に未成年だろうが!いや、そんなことより話いいか?」
ブライ子「いいわよー入って、入って」
 部屋に入ると、机の上には書類といくつかのビール缶が散乱していた
ブライ子「で、話って?」
リュウ「・・・お前最近疲れてるだろ?背負い込み過ぎだぞ。今日だって・・」
ブライ子「・・・かな?」
リュウ「え?」
ブライ子「やっぱり向いてないのかな?今日の戦闘でも3人死んじゃった・・私こんなの耐えられないよ」
リュウ「ブライ子・・・」
ブライ子「ほら、すぐ泣いちゃうしね・・・ねえ、WB捨ててみんなで逃げちゃおっか?死んだり殺したりもないじゃん」
リュウ「だが戦争を終わらせないと、もっと多くの人が死ぬんだぞ?」
ブライ子「うん・・・みんなわかってるんだ。ちょっと愚痴言いたかっただけ」
リュウ「俺でよければ、いつでも話聞いてやるぞミライだっているしな」
ブライ子「ありがと。・・・訓練校一緒だっただけの私に親切にしてくれるなんて、リュウはすごいね」
リュウ「・・・・・・そりゃ大事な、・・・仲間だからな。もうあんまり飲むなよ!」
 リュウが帰った後、ブライ子は半分ほど残ったビール缶としばらくにらめっこしていたが、
 缶をテーブルに無造作に置きベッドに潜りこんでいった
リュウ「・・・お前に惚れてるなんて、言えないよな。でも、この戦争が終わったら、きっと・・・!」
第3話その1

ガルマの制空権内で連邦軍と連絡の取れないWB

リード「いいか、百人以上いる避難民をWBから降ろせば、我々の体勢も立て直せるんだ!」
ブライ子「そんな!私たちは軍人です!民間人を守る義務があります!こんなジオンの勢力下で!」
フラウ「避難民を降ろすの?」
アムロ「いや、ブライ子さんはいつまでも逃げるつもりなんだよ・・いつまでもね」
ブライ子「わ、私がいつそんなことを言いましたか!」
アムロ「じゃあ、食料はどうするんです?食い潰すだけの人たちが百人もいるんですよ」
リュウ「アムロ!」
リード「彼の言う通りじゃないか、ええ?」
ブライ子「くッ・・・・」
カイ「ハヤト、フラウ、E通路の避難民たちが騒いでいる。すぐ来てくれ!」
ブライ子「・・・ハヤト、フラウ、お願いするわね・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カイ「大変だ!避難民たちが暴動を起こした!」
ブライ子「な、なんですって!?」
リード「ふん、言わんこっちゃない!」
ブライ子「私が説得に当たります!ブリッジはミライ、お願いするわね!」
ミライ「待って、ブライ子!ジオンのコムサイが!」
ブライ子「もう!次から次に!」
第3話その2
ようやく参謀本部と連絡をつけ、ガルマ本隊との交戦を控えたWB

ブライ子「ハヤトとリュウが戻ったらMSへの換装いそがせて!」
フラウ「ブライ子さん!アムロが戦いたくないって駄々をこねて!」
ブライ子「・・・もう!私が行きます!MSの整備、急がせておいて!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ブライ子「アムロ君!こんなところでなにをしているの?早くガンダムに乗りなさい!」
 その問いには答えず無言でベッドから立ち自分のほうに歩み寄ってくるアムロにブライ子は怪訝そうな表情を浮かべた
 次の瞬間、ブライ子はアムロの手で強引にベッドに押し倒されていた
ブライ子「きゃあああああああああっ!?」
アムロ「へえ・・・ブライ子さんもそんな声だすんだね」
ブライ子「な、何を言ってるの?すぐに止めなさい!一体どういうつもりなの?」
アムロ「僕がこの艦を護ってるんですよ?だから艦長さんから報酬をいただくんですよ!」
ブライ子「そ、そんな勝手な理屈!」
アムロ「は!よくそんなことが言えますね!人殺しの分際で神様気取りですか?」
第3話その3

ブライ子「ひ、人・・殺し・・・・・?」
 ブライ子の身体から抵抗が弱まるのを感じたアムロは尚も続ける
アムロ「だって、そうでしょう?あなたの指揮で敵も味方も大勢死んでるんですよ!」
ブライ子「嫌っ!やめて・・・・・!」
アムロ「テヌパもルークもまだ若かったのに・・・痛かっただろうなあ!」
ブライ子「嫌・・・嫌・・・・・・・」
 ブライ子の身体から力が抜けていくのを感じたアムロは遠慮なく上着を脱がしにかかった
 アンダーシャツの下からブラに包まれた形のよい胸が姿を現してもブライ子は呆然と天井を見つめるだけだった
アムロ「ブライ子さんって着やせするタイプなんですね。」
 アムロがそう言いながらブライ子のスカートの中に手を伸ばしかけた時、部屋のドアが開いた
リュウ「アムロ!もう出撃だ・・・な、何をしているんだ貴様!」
アムロ「あーあ。いいとこだったのにね。はいはい、出撃でしょ。行きますよ、そんなムキにならないでも」
リュウ「アムロ!貴様というヤツは!」
ブライ子「リュウ!もういいの・・・それよりアムロ君を連れてハッチに向かって頂戴・・・・」
リュウ「ブライ子・・・・わかったよ。おい!アムロ、行くぞ!」

その一件以来、クルーから哀れんだような視線を浴びせられる日が続いた。フラウなどは露骨に汚いものでも見るような目をする。
ミライやリュウ以外はすすんで話しかけてくることもない。こんな人殺しならそれも当然か。
パオロ艦長、私はもう駄目かもしれません
第4話

ガルマを退かせ、ミデア輸送機の補給を受けるWB

マチルダ「リード中尉以下のサラミスの乗組員、避難民の病人35名は引き取ります」
ブライ子「あの・・・マチルダ中尉?なぜ私たちも艦も現状のままなのですか?」
マチルダ「さあ?私はレビル将軍の依頼でここに来ているだけです。参謀本部は関係ありません」
ブライ子「また補給を受けられるのでしょうか?」
マチルダ「ジオンの勢力圏を抜けてくれればまたきますよ。連邦軍にも貴女たちの味方がいることわすれないでください」
ブライ子「はい・・・あ、あのマチルダ中尉」
マチルダ「まだ何か?」
ブライ子「いえ・・・このようなこと、軍人の身で考えるべきではないことは判っているのですが・・・」
マチルダ「かまいません。言ってみなさい。」
ブライ子「あの・・・私達軍人は人殺しでしょうか?」
 マチルダはしばし目を閉じていたが、やがて優しく口を開いた
マチルダ「ブライ子、それは多くの軍人がぶつかる問題でしょう。でも私は考えるのです。私たちの戦いは次の世代のための戦いであると」
ブライ子「次の世代・・・」
マチルダ「そうです。この戦争では多くの人が死にました。でもそれを教訓にして平和な時代を後に築くことができれば
    私たちの行いもけっして無意味なものではないでしょう」
ブライ子「・・・・・」
マチルダ「この戦争が終わった後も人々は過ちを繰り返そうとするでしょう。その時にこそ私たちのような必要になるでしょう」
ブライ子「マチルダ中尉・・・」
マチルダ「今はまだわからないことも多いでしょうが、いずれわかるときが来ます」
ブライ子「はい・・・おかげで少し気持ちが軽くなりました。ありがとうございます」
マチルダ「いいのですよ。またいろいろお話しましょう」
第5話その1
 ランバ・ラルのグフを撃退し、ガンダムを持って脱走していたアムロを独房に入れたWBクルー
アムロ「こんな一方的な処分はないんじゃないですか!この間のことの仕返しのつもりですか!」
ブライ子「この間のこと?・・・ああ、そんなこと一々覚えていられるほど子供じゃありませんからね
  それに、君はセイラの時に『勝手にガンダム持ち出したら罰も当然です』って言ってなかったっけ?」
アムロ「う・・・・」
 ぐうの音も出ない。マチルダと会って以来、ブライ子は余裕を感じさせる立ち振る舞いをするようになった
ブライ子「わかったら、おとなしく反省する!独房でもちゃんと3食出ますからね」
アムロ「そりゃどうも・・・」
 リュウ「なあ、ブライ子」
ブライ子「なあに?リュウ」
リュウ「あ、いや。ここ最近また明るさが戻ってきたと思ってな」
ブライ子「あはは。ありがと!・・・私にとってのこの戦いの意味も見つけたしね」
リュウ「意味だって?なんだいそりゃ?」
ブライ子「ふふ、まだな〜いしょ!」
リュウ「(よかった・・・本当に明るくなったな、ブライ子)」

ハヤト「あ、よろしいですか?」
ブライ子「ええ、いいわよ」
ハヤト「アムロのことなんですけど、ブライ子さんはあいつを外すつもりはないんでしょ?」
ブライ子「なぜ、そう思うの?」
ハヤト「独房に入れるって事は反省を促してるわけで、あてにしてるってことでしょ?」
セイラ「そうね・・・」
ブライ子「アムロ君はガンダムを持ってジオンに投降もできたはずでしょ?それをしなかったてことは
  大いに希望が持てると思うわ。たとえそれが、一時のホームシックによるものでもね」
カイ「アマちゃんの考えだな。でも、俺もそれでいいと思うぜ」
ハヤト「ブライ子さんがそういうなら、僕もそれに従いますよ」
セイラ「私もブライ子さんを支持するわよ」ブライ子「ん・・・みんな、ありがと」
カイ「な、なんでそこで泣くんだ?」ハヤト「カイさんがアマちゃんとか言うからじゃないんですか?」
カイ「お、俺かよ!」ミライ「まあまあ、涙腺ばっかりはそうそう鍛えられるものじゃないわね」
第5話その2

ラルの白兵戦部隊の攻撃を受けるWB

ブライ子「砲手は戦車を狙ってください!セイラはガンダムで発進、フラウ、アムロ君を独房から出してあげて!鍵はわかるわね?」
フラウ「あ、はい!」
マーカー「取り付かれました!」
ブライ子「白兵戦に移ります!各員銃を持って迎撃に当たってください!私も行きます!」

ブライ子「・・・あ!」
ジオン兵「へへ、もらった!」
ブライ子「(やられる!?)」
 銃声の後ブライ子が見たのは倒れていくじおん兵と銃を構えるアムロだった
アムロ「大丈夫ですか?ブライ子さん!」
ブライ子「あ、アムロ君?」
アムロ「僕も勝手なことしてカッコ悪いままじゃいられないですからね」
ブライ子「オッケー!ガンダムをセイラと代わって頂戴!第2ブリッジの敵を任せるわね」
アムロ「了解!」

ブライ子「(セイラと・・・ジオン兵?一体何を?)そ、そこのジオン兵!銃を捨てなさい!」
ラル「ぬうっ!?」
リュウ「ブライ子退け!うおおおおおっ!」
ラル「く、不覚!」
リュウ「ぐわあ!!」
ブライ子「リュウ、リュウ?だ、誰か!リュウが、リュウが死んじゃう!誰かーっ!」
第5話その3

ハモンの仇討ち隊がWBに迫る

ブライ子「リュウ・・・・」
リュウ「お、俺は大丈夫だ・・・早くブリッジに戻れ。皆が心配する・・・」
ブライ子「で、でも!」
リュウ「俺がこれくらいでどうこうなると思ってるのか!さっさと行け!」
ブライ子「あ・・・うん、そうだよね、リュウに限って大丈夫だよね」
リュウ「おう。俺は丈夫なのが取柄だからな!」
ブライ子「ふふ、リュウったら!・・・もう行くね」
リュウ「あ、ブライ子・・・・」
ブライ子「?どうかしたの、リュウ」
リュウ「いや、なんでもないんだ」

リュウ「ふ、また言いそびれちまったか・・・」

 WBの目の前で縺れるようにして消えていく二機の戦闘機

ブライ子「リュウ、リュウ!今ならわかる!あなたが優しくしてくれた理由も、命を賭けた理由も!
    い、今頃気付くなんて!リュウの気持ちに・・・・そして、自分の気持ちに!」

ミライ「ブライ子、一人で大丈夫?」
ブライ子「へーきよ、平気!子供じゃないんだから、一人で寝られるわよ!」
ミライ「そ、そう。それじゃ、おやすみブライ子」
ブライ子「お休み・・・ミライ」

ブライ子「ねえ、リュウ?今日さ、壊れたコアファイターの周りでみんな泣いてたのよ!
   ・・・おかしいよね、リュウは丈夫なのにね。ほら、今もピンピンして私の前に立ってるじゃない
    ・・・ねえ、どうしたの?何か言ってよ!あ、そうそう!それからね・・・・・・・」
「泣き虫新米艦長ブライ子の日記」その1(手抜きではありませぬ)

11月7日
今日はジオンのスカート付の新型との戦闘があった。
この戦闘でマチルダ中尉がWBを護って亡くなられた。
まだたくさん教わりたいことがあったのに。
でも私以上にアムロ君はショックが大きかったようだ。
私は周りの人間を不幸にするのだろうか?
11月24日
ジャブローへ向かう航路でジオンの大型海中兵器の攻撃を受けた
この戦闘でカイが連れていた少女が海に消えたらしい
カイはなんだか覚悟を決めた顔になった
私も決めたことがある。それは死んだ仲間たちのことを振り返らないことだ
・・・こう書くと酷く冷たい響きに感じる。
でも、パオロ艦長やマチルダさん、そしてリュウとの約束を果たすためには
もう後ろを振り向いていられない。私は間違っているだろうか?
12月1日
戦死者への処遇の件で上官に意見してしまった。まだ吹っ切れていないのだろうか?
本日新たなパイロットが出向してきた。名はスレッガー、軽薄そうな印象を受ける
「泣き虫新米艦長ブライ子の日記」その2

12月5日
私はスレッガーの部屋に通うようになっている。
どういったきっかけでそうなったかはよく覚えていないし、あまり意味のないことだ。
ただ、私がそういった「経験」が全く無かったと知ったときの彼の動揺は可笑しかった。
真顔で何度も謝られた。見た目とは違って随分真面目な性格のようだ。
・・・・やはり私は心を埋める物を仮初でもいいから欲していたのかもしれない
12月6日
ミライのフィアンセという人がサイド6にいた。
ただ、ミライの態度はひどくそっけない。
理由を尋ねると、スレッガーに想いを寄せているらしい
私は今日ほど自分の行いを恥じたことは無い
12月24日
こんな酷いイヴは二度とは無いだろう。
ソロモンの大型MAを倒すためスレッガーが死んだ
なぜ私のようなものより彼らのようなたくましい者が先に死ぬのだろう?
私以上にミライの落ち込みようはひどかった。
彼女に慰めの言葉をかけていた私にその資格はあったのだろうか?
1月1日
ようやくこの戦争も終わりを告げた。
次の辞令が出るまでは時間があるだろう。
それまでは、この戦争で死んでいった多くの仲間達の
魂の平穏を祈りたいと思う。
そして、この先過ちを繰り返そうとするものを
止めるための戦いを続けて生きたいと切に願う。
「泣き虫新米艦長ブライ子」番外編CCA(ホントはΖの冒頭もやりたかったけど)

アムロ「サイド2からの攻撃はまだなのか?ブライ子!」
ブライ子「ええ、遅いわね・・・」
アムロ「サイド1は俺たちロンドベルの要請は聞けないってのか?」
ブライ子「落ち着きなさい、アムロ。焦ったほうが負けよ」
アムロ「さすがだなブライ子、年の功ってやつかい?」
ブライ子「ま!言ってくれるじゃないの?」
アムロ「子供がこっち(宇宙)に上がってくるんだって?」
ブライ子「ええ、ハサウェイとチェーミン。大事な子供たちよ」
アムロ「戦災孤児だったんだって?」
ブライ子「ええ、でも私にとっては可愛い子供たちよ。あなたやシャアみたいな大人にはならないように躾けてるつもりよ?」
アムロ「相変わらずキツイなブライ子は・・・」
ブライ子「私ね、この作戦が終わったら、退役しようと思ってるの」
アムロ「え?そうなのかい?」
ブライ子「子供たちも大分育ったしね。ロンデニオンでレストランやるのよ」
アムロ「へえ・・・それはいいね」
ブライ子「でしょ?あなたもチェーン連れていらっしゃい子供たちにも会わせたいしね」
アムロ「子供か・・・うらやましいな」
ブライ子「ふふ、なんたって、私の希望だからね。これからの時代を作るのはあの子たちの世代よ」
オペレーター「熱源!来ました!」
ブライ子「さて、お仕事の時間ね!アムロ!行くわよ!」

作:・・・・ ◆iFt60ZwDvEさん


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