虹の不思議・・・2 |
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朝の虹は西の空に見え、西のほうに雨雲がある証拠です。やがてこの雲が東に移動してくることで雨を降らせます。一方、夕の虹は東の空に見え、西のほうは晴れです。この晴天域が次第に東へ移るため、そのうちに晴れとなるのです。 西から東へ天気が変わる日本ならではの諺です。 |
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朝虹は、雨雲がやってくる前兆現象 | ||
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夕虹は、雨雲がすでに遠ざかって、西の空が晴れている証拠 | ||
虹の色が7色になったのはキリスト教の聖数に合わせたという説もありますが、確かなことはわかりません。 民族や地域によっては、5色、3色、2色なんてところもあります。 また、虹とよく似た現象が現れることもあります。 上空に小さい氷の粒が整然と並んでいるときに現れる環天頂アークや環水平アーク(水平虹)、雲が虹色に見える彩雲、太陽や月の周囲に遠景に現れる嵩(かさ)など、いずれもきれいな光学現象です。 これらは上空に薄い雲が現れていることが多く、天気がよくなるというよりは、総じて悪くなる前触れと考えたほうがよいようです。
とは言え、直後に何が起こるわけではありませんから、虹でも他の光学現象でも、しばし眺める余裕は十分にあります。 |
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世界各国で、虹を見ると「幸運が訪れる」「運気上昇」「物事が好転する」 と言われているほど、人は虹に対して特別で前向きな感覚を持っているようです。 |
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アメリカ | |
先住民ナバホ族の伝統では、虹は聖霊の道の意。神聖な砂絵にも多く描かれています。 | ||
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オーストラリア | |
先住民アボリジニの言い伝えで、虹は天地に住み、水をもたらす神の蛇「虹蛇」。虹蛇がこの世界を創造したとされています。 | ||
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日本神話 | |
イザナギとイザナミが下界にくる時に使ったのが虹の橋。 | ||
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インド | |
虹はインドラ神が雷の矢を放つ弓。 | ||
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中国 | |
虹は、龍になる大蛇が天と地を結ぶ時に現れる。「虫」は蛇を表し、「工」は結ぶ・作る・技といった意味を持つので、「虹」という文字が生まれたそうです。 | ||
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北欧神話 | |
虹は神々の領域と地球を結ぶ橋。 | ||
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アイルランド神話 | |
虹の足元に金の壺が隠されている。 | ||
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ブルガリア | |
虹の下を歩くと性別が変わる。男性の場合は女性のように、 女性の場合は男性のように考えるようになる。 |
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タスマニア マウント・ウェリントン山頂から | ||
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❖ 虹色の幸運_1 彩雲 + 光環 | ||
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彩雲です!しかもこの時は、太陽の周りに光環も広がっており、さらに神秘的! それを包むように彩雲に変化した虹色が、空に広がっていました。 彩雲を英語では"Iridescent cloud"と言います。Iridescentとは「虹色の、玉虫色の」といった意味で、ギリシャ神話の虹の女神アイリス(イーリス)から派生した言葉です。 ※ 女神アイリスは神々の使いとして虹の橋を渡って天地を行き来し、神と人類を結びつける使者 彩雲は縁起が良い 彩雲は古くから「慶雲」「瑞雲」とも呼ばれ、めでたい事が訪れる前触れとされています。慶雲生五彩(けいうんごさいをしょうず)は、お祝いの席で掛け軸にも使われる縁起の良い禅語です。 ちなみにこの5色は、青、赤、黄、白、黒。 仏教では青の代わりに緑、黒の代わりに樺色や紫を使うことがあるそうです。黒?と思いましたが、紫を代用すれば虹に近づきますね。来迎図に描かれていますが、西方極楽浄土から菩薩を伴い現れる阿弥陀如来の乗る雲が五色の慶雲、すなわち彩雲です。 |
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彩雲(慶雲、瑞雲) | ||
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ファイヤーレインボー | ||
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ひつじ雲(虹ではないのですが・・・) | ||
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夕日に染まるひつじ雲 フォークランド諸島 | ||
彩雲は巻積雲(うろこ雲)や高積雲(ひつじ雲)、積雲(わた雲)などの水滴でできた雲に起こりやすい現象です。上の写真のような形の雲が出ている時、太陽の近くにある雲に注目してみてください。雲が消えかかっている縁の辺りに現れることが多いようです。 雲の水滴の蒸発や、風で雲の形の変化していると、色も同様に刻一刻と変わっていくので目が離せなくなります!太陽のそばに出るので、サングラスをかけて見ると色がもっとはっきり見えるようになりますし、目を痛めないためにもサングラス使用がおすすめです。 晴天でうろこ雲・ひつじ雲などが出ている日、太陽のそばの雲を意識してみれば、きっと見ることができます! |
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❖ 虹色の幸運_2 環水平アーク | ||
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オーストラリア・ニューカッスル | ||
スッキリとした青い空に白い雲、そこにドキッとするほど鮮やかな虹色が輝いていて、もうそれだけで良い事が起きそうな気分にしてくれます。 環水平アークの仕組み 環水平アークの場合は雲の水滴ではなく、氷の結晶がプリズムの役目をし太陽光線を屈折させて起きる大気光学現象です。 氷の結晶が六角形で短い長さの場合に現れやすく、弧を描くのではなく水平の帯状に現れます。 この写真は雲の状況により短い環水平アークですが、水平にまっすぐ長〜く現れたりもします。 環水平アークの見つけ方 炎の虹とも呼ばれる環水平アークは、年に数回だけ観測される現象なので、彩雲よりもレア度はかなり高くなります。太陽高度が高い必要があるため、夏場のお昼前後に現れるそうです。 普通の虹は太陽の反対側に出ますが、環水平アークは太陽と同じ方角に見えるのが特徴で、空の比較的低い場所に現れるため、出現していれば目に入りやすいようです。 |
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❖ 虹色の幸運_3 丸い虹「 ハロ_(日暈…ヒガサ)」 | ||
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南極にほど近いフォークランド諸島の夏、頭上に現れたハロ | ||
ハロ Haloとは、天使の輪や聖人の後ろに描かれる光背、後光の事を意味するのですが、そう考えると、太陽を聖人とみなした後光のようにも見えてきます。もちろんこれも吉兆現象と言われています。 | ||
ハロのスピリチュアル的な意味 | ||
完全な円は常に新しい始まりを意味します。「多くの祝福をもたらすであろう新しいサイクルに進む事を、エンジェルが見守り手伝っていますよ」というメッセージだそうです。物事の好転が期待できますね!また、ネイティブアメリカンの世界では、ハロは神からのメッセージであると考えられ、大きな変化の時を示していると言われています。 | ||
ハロの仕組み | ||
ハロは巻雲や巻層雲と呼ばれる薄い雲が広がっている時に、長い六角形の氷の結晶を通る太陽光が屈折しておこる大気光学現象です。 環水平アークと同様「虹」ではないのですが、プリズム効果で虹色が現れます。内側が赤、外側が青です。 |
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ハロの見つけ方 | ||
季節を問わないので、一年中出会えるチャンスがあります。 太陽は眩しすぎて直接見ることが少ないので、気付いてないだけかもしれません。太陽だけでなく、月でもこの現象は起こるので、夜の空も要チェックです。月がお好きな方は、わりと頻繁に見ていらっしゃるのではないでしょうか。 |
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❖ 虹色の幸運_4 白い虹(白虹、霧虹) | ||
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オーストラリア・グレンワースバレーの白い虹 | ||
山に囲まれた谷の一番低い場所、寒い晴れた早朝で、深い霧に覆われており、そこに太陽光が条件に合った角度で差し込んだために浮かび上がったとのこと。非常に幻想的な白い虹す。条件が揃うことが難しいので、超レア現象だそうです。 | ||
白虹の仕組み | ||
虹と同じ原理であらわれる現象です。でもなぜ白いのかというと、光を受ける水滴が霧なので非常に小さく、プリズム現象がはっきりと分光されずに散乱され、その結果、色と色が混ざり合い白くなるのだそうです。 テレビや液晶ディスプレイなどでも白を表現する場合は三原色(RGB, 赤緑青)を全て重ねますが、それと同じ原理のようです。 |
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白虹の見つけ方 | ||
春から初夏にかけて、朝霧が出たらチャンスです。太陽を背にして立ち、前方に霧がかかっているなら更にチャンス。 太陽高度が35度から40度が一番発生しやすいそうなので、それを待つ。その時間に霧が残っていれば見られるそうです! |
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夢で白い虹を見たら・・・♡ | ||
なかなか出会えない白虹ですが、もし夢の中で見たとしたら、それは思考の純粋さと精神的な高まり意味しているそうです。白という色が表しているのは安らぎ。今後数週間は、平穏な状況が続くのだとか。いつか見たい夢ですね! | ||
❖ 虹色の幸運_5 ダブルレインボー | ||
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オーストラリア・エアーズロック | ||
二重にかかる虹の橋、ダブルレインボー。砂漠気候の場所でこんなにくっきりと美しいダブルレインボーに出会えることは、奇跡だと思います。この画像を撮影された方は、満身創痍の時にこのダブルレインボーに遭遇し、それがターニングポイントとなり、今では虹色に輝くように日々の活動を続けていらっしゃるそうです。 | ||
スピリチュアル的なダブルレインボーの意味 | ||
❖ 一つ目の虹:物質的な世界、物理的な現実の象徴 | ||
❖ 二つ目の虹:精神世界の象徴 | ||
天と地を表し、物質世界と精神世界の融合とバランスを表しているのがダブルレインボーです。 | ||
・新しい始まり | ||
・前向きな変容 | ||
・希望のしるし | ||
・内なる覚醒 | ||
・死者への慰め | ||
ダブルレインボーに遭遇すると、自己発見、成長そして進化の機会が生まれ、更に、平和、繁栄、豊かさ、神聖さそして成功のエネルギーをもたらす、と言われています。 | ||
ダブルレインボーの仕組み | ||
ダブルレインボーは、「主虹」と「副虹」の二つが同時に見られる現象です。太陽光が水滴の中で一回屈折反射してできたのが主虹、濃い色の方。水滴の中で二回屈折反射してできたのが副虹、薄い色の方。写真をよく見ると、副虹は光が二回屈折しているため、色が薄く、並びが逆になっています。主虹の外側の色は赤、副虹の外側の色は青です。 | ||
ダブルレインボーの見つけ方 | ||
普通の虹と同じように、雨上がりの空で太陽を背にした方向を意識してください。ダブルに見えるためには、雨が強かったこと、日差しが強いことも大切。ハワイやオーストラリアはこの条件に合う事が多いようです。また、副虹は色が薄くぼんやりと現れるため、背後が暗めだったり、空の青色が濃い方が見られる確率が高くなります。でもこれは選ぶことができないので、やはりダブルレインボーに遭遇できるのはラッキーな事なのです! | ||
❖ 虹色の幸運_6 夜の虹・月虹(ナイトレインボー・ムーンボー) | ||
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シドニーの世界遺産・ブルーマウンテンズ・スリーシスターズのナイトレインボー | ||
雨が月光に照らされ、そっと現れる夜の虹。通常、ナイトレインボーというのは月明かりが光源となり現れるのですが、この虹の光源は人工的なもので「スリーシスターズ」を照らすライトでした。水分で重く湿った雲が突然スリーシスターズの上に流れ込んできて、ライトに照らされた時にフワ〜っと虹色が現れたのです。 | ||
夜の虹、ナイトレインボーの言い伝え | ||
古来よりハワイでは、虹は霊性と癒しの世界への架け橋と言われています。その中でもナイトレインボーは、“この世の最高の祝福”と信じられ、見た人にとって大きな変化があるときに現れるものだと言われています。祖先の霊が宿り、癒しや智慧を与えるために現れる奇跡の虹。このナイトレインボーに気付けた人は、自然と特別なメッセージを受け取れているのだと思います。 | ||
ナイトレインボーの見つけ方 | ||
ナイトレインボーに遭遇できやすいのはベネズエラがいいそうですが、日本から行きやすい所なら、やはりハワイがいいようです。 虹の州・レインボーステイツという愛称があるほど虹が頻繁に現れる場所です。貿易風が運ぶ海からの湿った空気が山地にぶつかりスコールをふらせる。そのスコールは短時間が多く、晴れ間がすぐに戻るので、太陽の光が虹を織りなす。夜は月光が虹を作ってくれます。 一番確率が高いのは、月明かりの強い満月とその前後。月を背にした方角の夜空を観察してみてください。月光が強い方が虹もはっきり現れるので、ナイトレインボーを見たいなら、4月〜10月の雨季に、満月を狙ってみるといいそうです。 |
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「夜に虹が現れるなんて、信じられない !! 」 | ||
おまけ・・・彩雲をスマホで撮ってみたい! | ||
彩雲は、比較的太陽のそばに現れることの多い現象なので、太陽の光が強すぎて明暗差が大きくなり、白トビが避けられず、虹色も弱くなってしまいます。 コツは太陽が雲に隠れた時がチャンス。光が弱まるので、虹色が捉えやすくなります。太陽を建物や木などで遮れる位置を探し、レンズに直接光が当たらないようにして撮るときれいに撮れるようです。 |
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夏になると、よく夕立が起こります。まだ夕日が沈まないうちにひと雨降ると、その後に綺麗な虹が現れることがあります。俗に「朝虹は雨、夕虹は晴れ」と言われ、こんなふうに夕方に虹が見えたときは翌日は晴れますが、反対に朝から虹が現れると、それは雨の前兆という経験則があります。虹が頻繁に見られる光学現象です。 虹の仕組みを説明するのに、虹が現れやすい夏の夕方のケースで考えてみましょう。虹が現れるには、比較的大きい水滴と、太陽光線が必要です。夏の夕方のようなにわか雨は、主に西から東へ移動します。また、雨が降っているところでは大粒でどしゃ降りの雨が降ったりしますが、雨雲が通ったあとはきれいに晴れて、しかも空気中のチリやホコリがすっかり洗い流されているので、空気も非常に澄んでいます。このため、西に傾きかけた太陽から強い日差しが差し込んできます。 今、太陽に背を向けて、通り過ぎた雨雲のほうを向いて立っているとしましょう。背中は西向き、視線は東向きです。太陽の光が、背中越しに目の先の雨雲に差し込みます。雨雲の下では、まだ大粒の雨が降っています。雨粒に当たった太陽光線は反射もしますが、一部は雨粒の中に入り込みます。このとき、水を張ったコップに立てたお箸が曲がって見えるように、光は屈折します。 ところが、このときにすべての光が同じように屈折するのではなく、光の波長によって屈折率が異なります。光の波長というと難しそうですが、可視光線で言えば、赤はあまり屈折しないけれど、青は屈折しやすい、といったように、色によって屈折の角度が違うと思えば大丈夫です。色によって異なる角度で雨粒の中を進んだ光は、雨粒の向こう側で反射して、雨粒から出てくるときには再び屈折します。 この2回の屈折のせいで、太陽光線は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の、いわゆる虹の7色に分かれて、雨雲のほうから我々の目に飛び込んできます。上のほう、あるいは左右に角度のある雨粒からは屈折率の小さい赤い光が、その下のほうや角度の小さい視線の中心よりにある雨粒からは屈折率の高い紫の光が飛び込んでくるので、我々の目には弧を描いた虹が見えることになります。だから、虹は必ず太陽を背にした方角に見えるのです。 この理屈はじっくり考えてもらうとして、肝心なのは夕方の場合。雨雲が東に去って、西からはきれいな夕日が差しているということです。直前に雨が降ったかもしれませんが、西の空はよく晴れているということですから、翌日も晴れることが予想できます。ただし、翌日も夕立はあるかもしれません。 反対に、朝から虹が現れているということは、夕虹とは逆で、雨雲が西にあるということです。ですから、その雨雲がまもなくやってくることが考えられます。また、夏は夕方になると地面が暖まることで上昇気流が発生し、それが夕立をもたらすこともありますが、朝から雨雲が出ているということは、すでに空気が相当湿っているか、低気圧が近づいている証拠です。その後の天気は下り坂とみて間違いないでしょう。 虹は1本だけでなく、その外側に副虹という、色が反転した虹が現れることがあります。これは、雨粒の中での反射回数が1回ではなくて2回のものが見えている場合ですが、天気の予知には特に影響ありません。ちなみに、俗に虹の7色と言われますが、実際はグラデーションになっています。ですので、色の数は無数にあります。 |
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