おにさんこちら
 
屋根の上で鬼ごっこ・・・気になる瓦たち
 
 

家紋は「丸に武田菱」
 
鬼瓦について
鬼瓦は日本式建築物の棟の端に設置された板状の装飾瓦の総称です。
では、この鬼瓦は一体何のためにあるのでしょうか?
 
  鬼瓦は厄除け
鬼瓦の目的は「厄除け・魔除け」です。 鬼の形相で厄を払ってくれるという意味が込められています。 鬼瓦を瓦屋根の棟端に付けることで、建物や家を守ってくれるので、安心して暮らすことができると考えられているのです。

また厄除けではなく、「雨水の侵入を防ぐ」という役割もあります。 鬼瓦で棟の切り口を隠すことで、雨水が侵入の防ぎ建物を守ることができます。

  鬼瓦を飾る場所
鬼瓦は屋根の使用される場所によって、「足付鬼(あしつきおに)」と
「切据鬼(きりずえおに)」の2つに分類できます。
  足付鬼
屋根の重なった三角形の部分、いわゆる破風の拝み部分に設置する鬼瓦を
「足付鬼(あしつきおに)」といいます。
 
ジャノ目経の巻足付
二重淵影盛足付台付 本鬼面足付
  切据鬼
大屋根から軒先に下ってくる降棟(くだりむね)や、隅棟(すみむね)の先端に設置する鬼瓦は、「切据鬼(きりすえおに)」とよばれます。 下部が直線になっていることから「一文字鬼(いちもんじ)」と呼ばれることもあります。 このように鬼瓦を飾る場所は、破風の拝み部分と降棟や隅棟などの先端部分の2か所あります。
切据鬼
 
隅に付いているから隅鬼(すみおに)、屋根の下り坂に付いているから
降り鬼(くだりおに)だそうです。判りやすい ~ (^_-)-☆
 
  鬼の姿以外もあります
鬼瓦は、鬼の模様というイメージが強いかもしれませんが、実は、鬼の模様以外の鬼瓦もあるんです。猿の姿や鯉、他の生き物、さらに植物など・・・。
鬼とは対極のイメージのある七福神を表したものもあります。
さらに派手な装飾のない、模様なしの鬼瓦もありますよ。
  鬼瓦の起源はローマにあるそうです
鬼瓦は日本様式の屋根に乗せてあるので、日本文化というイメージが
強いのですが、実は、鬼瓦は西洋文化の影響を大きく受けています。
その起源はローマにあるといわれています。
  起源は「メドゥーサ」。古代ローマの厄除けです。
メドゥーサとは、ローマ神話やその起源となったギリシア神話に出てくる、
髪が蛇で目が合ったものを石に変えるという恐ろしい能力を持った空想上の
怪物です。 シリアにある世界遺産で、ローマ帝国支配時の都市遺跡である
「プルミラ」の入口の上には、厄除けとしてメドゥーサが設置されています。

この文化がシルクロードを経由して中国に伝来したといわれているのです。

  「メドゥーサ」
ギリシャ神話によると、メドゥーサ(メデューサ)は、とても美しい少女でしたが、アテーナと美を競い、破れて、髪の毛が蛇の怪物に変えられてしまいました。そして、メドゥーサは見た者を石に変えてしまう魔法を持つことになったのです。
1世紀~3世紀に、シルクロードの中継地として栄えたバルミア(シリア)で、地下墓地の入口に、「メドゥーサ」を模った石像が彫られていて、
邪気をはらい、侵入者を防ぐと信じられていたそうです。
このことが、後にシルクロードによって伝わり、奈良時代には仏教と
共に日本まで伝わってきて、姿を変えて「鬼瓦」となったそうです。
そのためかどうかは定かではありませんが、瓦(かわら)という言葉の語源は
サンスクリット語だという説もあります。
鬼瓦の発祥が中東のローマ文化から来ている説があります。
瓦が日本で使われているのは、シルクロードがあってのことでしょうか。
ハドリアヌス神殿のメドゥーサのレリーフ
  日本では奈良時代から続く文化
日本においては、唐文化を積極的に取り入れだした奈良時代から続く文化
であるといわれており、急速に全国に普及しました。 その当時使われていた
鬼瓦は、鬼の形相ではなく、蓮の花の形をしたものだったそうです。

朝鮮半島でも似たような瓦が見つかっていることから、
鬼瓦は朝鮮半島から伝来したものであるとも考えられています。

  鬼瓦職人の名称は~?
鬼瓦を作る職人のことを、「鬼師(おにし)」と呼びます。 鬼師は手作りで
鬼瓦や飾り瓦などを作る職人で、全国でも限られた人数しかいません。
 
  沖縄のシーサーは鬼瓦と同じ意味を持つ~?
沖縄のシーサーも鬼瓦のような効果があるといわれています。

シーサーとは沖縄県でみられる伝説の獣像で、建物の門や屋根・村落の高台に備え付けられています。 このシーサーも鬼瓦と同じように、家や人・村に災厄をもたらす悪霊を追い払う魔除け、厄除けの意味を持っていて、屋根の上に設置されることが多いです。シーサーも鬼瓦と同じように魔除けの効果があるとされているのですが、屋根にシーサーを飾るようになった歴史はまだ浅く、明治時代に入ってからだといわれています。とはいえシーサー自体の歴史は古いものがあります。 琉球の正史「球陽」によると、その始まりは1689年とされています。

最古のシーサーもこの正史に載っているものとされていることから、300年以上の歴史があるという事になりますね。

鬼瓦は、瓦屋根の棟の端に据えられる装飾瓦の総称のことです。
厄除けや魔除けの意味が込められているだけではなく、雨水の侵入を防ぐなど実用的に建物を守る役割もあります。 この鬼瓦は鬼の形をしているものが一般的ですが、鬼以外の形だけでなく近年では無地のデザインの鬼瓦も登場しています。

鬼瓦と聞くと日本発祥のイメージが強いですが、実はそのルーツは古代ローマにあるといいます。 時間的にも物理的にも、非常に長い経路を経て生まれた存在なのです。

    
       石峯寺 龍 
                          石峯寺 鷹
 
瑞龍寺