聴覚障がいの方の言葉・・・簡単な手話の入口・・・2
 
指文字ってなあに ?
 
 指文字(ゆびもじ)とは、手の形を文字言語に対応させた視覚言語の一要素です。手話は音声言語や書記言語より語彙(ごい)数が格段に少ない為、手話単語にない単語、人名・地名・その他(固有名詞・新しい言葉など)は、指文字を使って一字一字ずつ書記言語の綴りを表現します。
 友達同士で覚えると秘密の会話にも使えますね(^^)
 
手話と指文字のちがいって?
 
 もう少し簡単にいうと手話と指文字の関係は「漢字」と「ひらがな・カタカナ」の関係に似ています。例えば『山』という「漢字」はその文字自体に意味があります。それに対し「ひらがな・カタカナ」では『や・ま』と二つの文字を組み合わせ、初めて意味を持つようになります。
 手話と指文字の関係も同じように、手話は動作自体が名詞や動詞の意味をもちますが、指文字はいくつかの動作を組み合わせて(や・ま)初めて意味を持つようになります。手話で表現が困難なもの(人名・地名など)は指文字を使って表現します。
 ただし、地名などはご当地だけで通用する手話で表現している場合もあります。
 
指文字
 
親指だけ伸ばしてその他の指は軽く握る。
アルファベットの「a」の指文字と同じ。
人さし指と中指を立てて中指を前に出す。
アルファベットの「k」の指文字と同じ。
 
小指以外の指は握り、小指を立てる。
アルファベットの「i」の指文字と同じ。
人差し指と薬指を立てて、
影絵で「きつね」を表現する指の形にする。
 
人さし指と中指だけを立てる。
アルファベットの「u」の指文字と同じ。
手の甲を相手側に向けて指を伸ばし、
親指だけ上向き、それ以外の4本を横向き。
数字の「9」の指文字と同じ。
 
指は5本とも第2関節を軽く曲げる。
アルファベットの「e」の指文字と同じ。
指を揃えて伸ばし、立っている毛の形を表現。
アルファベットの「b」の指文字と同じ。
 
親指とその他の指を丸く握る。
アルファベットの「o」の指文字と同じ。
小指が相手側に向くようにして伸ばし、
親指以外の4本指を直角に曲げる。
カタカナの「コ」の一部を表現している。
 
ジャンケンのグーの形で、
アルファベットの「S」の指文字と同じ。
いわゆる「いいね!」ジェスチャーのように親指だけを立てて表現する。
 
手の甲を相手側に向けて親指、人差し指、中指の
3本を伸ばし、親指だけ上向き、人差し指と中指は
横向きにする。数字の「7」の指文字と同じ。
小指だけ立てて他の4本指は
輪を描くようにくっつける。
 
指先が下向きになるように手の甲を相手側に向け、
親指は横に伸ばし薬指と小指は曲げる。
カタカナの「ス」の形が由来。
小指と薬指を立て、残り3本指は
輪を描くようにくっつける。
 
ジャンケンのグーの形で中指だけ伸ばし、
中指の腹を相手に向ける。
「背(せ)筋」がピンと伸びている様子を表現。
「やあ!」と挨拶する感じで相手に
手のひらを向ける。
 
「それ!」と指さすように人差し指を伸ばし、
斜め下に向ける。
手の甲を相手側に向けて軽く握り、
人差し指と中指を立てる。
 
手の甲を相手側に向けて軽く握り、
人差し指と中指を少し離して下向きに立てる。
アルファベットの「n」の指文字と同じ。
人差し指と中指を立て、やや斜め下に向ける。
箸の形を表しており、アルファベットの
「h」の指文字とも同じ。
 
手の甲を相手側に向けて軽く握り、
人差し指と中指を横向きに伸ばす。カタカナの
「ニ」、あるいは漢数字の「二」の形が由来
人差し指1本だけ立てる。数字の「1」を
指文字で表すときもこの形が由来いる。
 
小指を相手側に向けて握り、人さし指を
“カギ形”に曲げる。一般に「盗っ人(ぬすっと)」
「スリ」を表すジェスチャーと同じ。
手の甲を相手側に向け、親指と人差し指を伸ばす。
 
手の甲を相手側に向け、指が下向きに
なるようにジャンケンのパーの形にする。
「根(ね)」が地面に伸びている様子を表現。
相手側に向けてこぶしを握り、
親指と小指を下向きに立てる。
カタカナの「へ」の形が由来になっている。
 
人差し指だけを立てる。カタカナの
「ノ」の字を書く動きをする。
手の甲を相手側に向けて、指全部を
少し内側に曲げる。船の「帆(ほ)」が
風を受けて膨らんでいる様子を表現。
 
手の甲を相手側に向けて
人差し指、中指、薬指を下向きに伸ばす。
アルファベットの「m」の指文字と同じ。
ギュッとにぎったこぶしの小指と親指だけ立てる。
アルファベットの「Y」の指文字と同じ。
         ↑(手首まで含める)
 
手の甲を相手側に向けて人差し指、中指、薬指
を横向きに伸ばす。カタカナの「ミ」、
あるいは漢数字の「三」の形が由来。
手の甲を相手側に向けて
人差し指、中指、薬指を上向きに伸ばす。
「湯(ゆ)気」が立っている様子を表現。
 
手の甲を相手側に向けて親指と人差し指で
「L」の形を作り、横向きにする。
数字の「6」の指文字と同じ。
手の甲を相手側に向けて親指以外の4本指を
横向きに伸ばす。数字の「4」の指文字と同じ。
 
“OKサイン”をする感じで親指と人差し指を
少しくっつける。
中指と人差し指を立ててからませる。
アルファベットの「r」の指文字と同じ。
 
手の甲を相手側に向け親指と人差し指だけ立て、
開いた2本の指をくっつける。
人差し指と中指の2本を立てて、
手首をスナップさせる感じで表現する。
カタカナの「リ」の形が由来。
 
人差し指、中指、薬指の3本を立てる。
アルファベットの「W」の指文字と同じ。
開いた手のひらの小指と薬指だけを折り曲げる。
カタカナの「ル」の形が由来。
 
「お」の指文字の形と同じで、
自分側に引く動きをする。
親指と人差し指でアルファベットの「L」を作る。カタカナの「レ」の形が由来。
 
人差し指だけを立てて、
カタカナの「ン」の字を書く動きをする。
小指を相手側に向けて握り、
人さし指と中指を“カギ形”に曲げる。
カタカナの「ロ」の形が由来。
 
濁音 指文字を横に動かすことで「 ”」が付きます。指文字を横に動かす
例えば「ざ」は、「さ」の指文字を横に動かします。
半濁音 指文字を上に上げることによって丸が付きます。指文字を上に跳ね上げる
例えば「ぱ」は、「は」の指文字を上に上げます。
促音 指文字を手前に引くことによって表します。「つ」の形で手首を後ろに引く
例えば小さい「っ」は「つ」の指文字を手前に引きます。
拗音 (ゃ、ゅ、ょ)指文字を手前に引く
  「きゃ」は「き」の指文字をした後、「や」の指文字を手前に引きます。
長音 「ー」は上から下ろすことで表現します。人さし指で上から下に線を引く
濁音・半濁音・促音・拗音の応用
ポンプ 「ぽ」「ん」「ぷ」
コップ 「こ」「っ」「ぷ」
シャーペン 「しゃ」「ー」「ぺ」「ん」
ボールペン 「ぼ」「ー」「る」「ぺ」「ん」
ほとんどの国の指文字は片手だけを使いますが、イギリス指文字、イギリスの影響が
あったオーストラリア指文字やニュージーランド指文字は両手を使ってあらわします。
 
数字の指文字 ・・・ 写真はすべて相手から見た形をあらわしています
  
0 指文字の「め」 指文字の「ひ」
手のひらを相手に向け、親指と人差し指で輪を作り、残りの指は立てる 掌を前方に向け、
人差し指を立てる
 
 指文字の「う」 指文字の「わ」
掌を前方に向け、人差し指と中指を立てる 掌を前方に向け、人差し指・中指・薬指を立てる
 
指文字の「け」 指文字の「あ」
掌を前方に向け、人差し指・中指・薬指・小指を立てる 手を握り、親指は伸ばし横に向ける。
 
指文字の「む」 指文字の「し」
手の甲を前方に向け、親指を上向きに人指し指を横に伸ばす 手の甲を前方に向け、親指を上向きに人指し指と中指を横に伸ばす
 
指文字の「く」
手の甲を前方に向け、親指を上向きに人指し指、中指、薬指を横に伸ばす 手の甲を前方に向け、親指を上向きに、他4指は横に向け軽くくぼめる
 
10 指文字の「ぬ」

手の甲を前方に向け、「1」をあらわし軽く曲げ「1」と区別させるため横にずらす
20・・・90をあらわす場合も10と同じように、指を曲げ軽く横に動かす
 

手の甲を前方に向け、人さし指で「一」をあらわし軽くはねあげる
2百・・・4百は漢数字をあらわし
5百・・・9百は数字の手話をあらわし「百」と同じように軽くはねあげる
 

漢数字の「一」をあらわし、「千」の漢字を空書する
二千・・・四千は漢数字をあらわし
五千・・・九千は「数字」の手話をあらわし「千」の漢字を空書する
 

軽くくぼめた手を、自然に全指先をくつける
数字の手話を示した後、自然に全指先をくつける
 

手の甲を前方に向け、広げた手を握る
数字の手話を示した後、手の甲を前方に向け、広げた手を握る
   


日常会話でのよく使われる単語
  

指文字一覧(NHK手話CG)
手話の動画:あいうえお順の手話(日本手話研究所)