無計画な寝室シアター

久しぶりのスピーカーの頁の更新、今度もスピーカーと関係なく映像もの。工作にもオリジナリティはありませんが、「寝室シアター」というのが「リビングシアター」をもてはやしている世間に対するささやかな反抗でしょうか。

・寝室シアター

「寝室シアター」を導入する前は、1Fリビングが20型液晶テレビに音声はバスイコライザ付き「防磁長男」、2F寝室が14型ブラウン管に音声はバスイコライザ付きスキャンスピーク2WAY、で、2Fのシステムで映像と音声の質のギャップをものともせずにオペラ三昧しておりました。

ここにプロジェクタを入れたくなったのは、「絵もきれいに見たい」・・・のではなくて、「ベッドでごろごろしながら安楽に見たい」・・・と思ったからなのでした。

「寝室シアター」全景(もっとすさまじい次の段階の画像が下にあります→最新は余程普通になりました)。窓を塞いでいますが、スピーカの奥で元々殆ど「開かずの窓」でした。ここに映すつもりが最初からあれば、そもそも窓は作らなかっただろうし、左側にCD棚を置かなかっただろうし、右側に電子ピアノも置かなかっただろうし、上の照明も付けなかっただろうし、です。

手前のマッサージ椅子のサイドテーブル上にプロジェクタを載せっぱなしです。リビングシアターでは殆ど考えられないスクリーンとプロジェクタの設置方法になっています。

スクリーンの位置はネット上では「低め」を推す向きが多いようですが、ベッドで寝ながら見るのですから「高め」になります。ならばこそ、スピーカも動かさずに済ませています。

 

・プロジェクタ

サンヨーのLP-Z4をほぼ衝動買いです。型落ちして一旦安くなった後、玉が少なくなって値上がりしたところで買ってしまったようですが、まあ悪いものでは無さそうです。同世代同クラスの他社品と比べて、

いいところ・・・設置自由度最大(エプソンと並んで)、静音(エプソンは逆にうるさい)、自動開閉レンズ蓋(不用意にレンズに触る可能性は殆ど無くなるでしょう。ランプ点灯中なら存在感がありすぎて不用意に触ることはまずないです。)、ごみ取りブロア(?)

よくないところ・・・明るさは最下位

好みの分かれるところ・・・液晶であること、絵作り

ということのようですが、我が家の居室窓にはシャッターがついており、寝室であれば真っ暗にするのに何の問題も無いので、明るさは最下位でも十分すぎるくらいです。
液晶とDLPの違いは(私としても欲しいと思ってから初めて知ったことではありますが)ネット上に情報は溢れているので説明は省きますが、私自身がDLP特有の「カラーブレーキング」を容易に認識できてしまうことは確認しました。これが見えてしまう人の中には、DLP方式では頭が痛くなってきて映画一本を見続けることが出来なくなる人もいる、というので、安楽志向から早々に却下しました。
とりあえず入れてしまおうという無計画な導入の場合、設置自由度はあればあるほど良いです。オペラを見るためのプロジェクタですから、静音性の優先度も高くなります。
絵作りは・・・オペラを見ている限りよく分からないのです、化粧も照明も極端なので自然な色の基準がありません。

三菱のDLPの画質が気に入って、これを入れる部屋の構成(実用上天釣りしかありえないようです)を一から考えられる、という向きには当然三菱が一番になるでしょうし、真っ暗には出来ないリビングで多人数で多少にぎやかに上映する目的なら、明るさの優先度が上がって騒音の優先度が下がって例えばエプソンが一番となるでしょうし。

 

・スクリーン

これを工作して使っているのは、「そうするのが面白いから」に過ぎません。いずれ売り物を買うと思いますが、もう一度くらいは偽スクリーンを更新するかも・・・あっさり更新しました。


幅180cmのカーテンレールの上に2mの
塩ビパイプを載せて、それにテーブルクロスを
吊るしています。

下側は最初は細い塩ビパイプを両面テープで
固定していましたが、袋綴じにやり直しました。
さらにガムテープで軽く引っ張っています。

某巨大掲示板で、「カインズホームの幅180cmの切り売りテーブルクロス320cmで145型」というのを目にしたのがきっかけです。我が家の場合ベッドから見る前提でスクリーンはスピーカの上として概算すると、無理して120型、無難には110型、となります。80型でよければカーテンレールに直接ぶら下げるだけですが、それ以上のサイズを目指すために、カーテンレールに依存しつつも、それ以上の長さのあるもので吊るすことを考えて、熟慮の末(?)左の写真の構造に決めました。

で、最寄の「カインズホーム」に出かけました。いわゆる塩ビ管は2mしかありませんが、雨樋管2.7mというのが十分使えそうです。これで120型を作ろう、と一瞬勇んだのですが、テーブルクロスの切り売りは135cmが最大、裏が真っ白のものは130cmしかありません。その場で素早く暗算して、2mの塩ビ管とで90型を作ることで妥協しました。
#塩ビ管を車に積んでみて思ったのですが、2.7mだと本当に載せられたかどうか。

家に帰ってクロスを広げてみると・・・畳まれた時のシワがくっきりついています。これが取れるのかいな、と思いつつ、両方の長辺に両面テープを張って、下側の細管には完全に巻きつけて、上側の太管には引っ掛けるような具合で留めてしまいます・・・おお、一挙に完成だ。そのまま丸めてカーテンレールの上に載せます・・・いきなり落下しました。シワがますます増えます。気を取り直してカーテンレールに載せ直して固定しましたが、横シワはともかく縦シワは取れそうな気がしません。これでしばらく様子を見ようと思っていたら・・・下の細管が落下していました。

埒が明かないので、思い切って太管からも外して、しばらく縦に吊るして縦シワを伸ばそうとしました。しかし、吊るす前よりマシもなったとはいえ、畳んだときの折り目も、たるんだようなシワもたっぷり残っています。既によれよれで、下の重石がないとどうにもなりそうに無かったので、ガムテープで袋綴じにやりかえて、吊りなおしたのが右上の写真です。特に写っている範囲でシワが多いのは、縦吊りした後で剥がす時に引っ張ってしまって伸びてしまったから、です。これ自体は一番端なので映写範囲に入れてもさほど気にならないのですが、元々付いている縦シワはカメラがパンする(左右に振る)際にかなり気になります。このシワを伸ばそうとして、上下の管を使って引っ張ろうとしました・・・が、少なくとも下の管で幾ら引っ張っても、袋綴じ部分が全く伸びないことが判明しました。

シワは伸ばして伸ばせないこともないけれど、結局どこかに無理が行って新たなシワになるようです。最初が肝心と言うわけで、もう一度クロス2m1380円を仕入れてきました。今度は店員さんに「絶対畳むな」と念を押して丸めてもらい、まずまずシワをつけずに持って帰ったつもりでした。今度は袋綴じのガムテープを縦に使って、袋綴じ部分がある程度伸びるようにして、まず下管抜きでつけてみました・・・横ジワは皆無ですが、縦ジワはやはりあります。下管を入れると・・・縦ジワがひどくなるだけです。横ジワがないのだから、と袋綴じを素早く断念して、縦ジワ対策には素直に「横に引っ張る」ことにしました。真ん中付近のたるみには上の固定部分でむしろ引っ張らない方が良いようです。

左側は自作CD棚から引っ張っています。右には適当なものがないので、外した細い塩ビ管を斜めに立てて、それから引っ張っています。紐にぶら下がっているウェイトは、HouseOfOperaのDVDケースです。ここまで美観度外視にやってもまだ縦ジワが残っていますが、クロス交換前よりは余程マシになっています。暫くこのままにしたらシワが消えました、となれば嬉しいのですが・・・

 

(07.01.06)
実は随分前になるのですが、売り物のスクリーンを購入していたのでした。

シアターハウスさんが創立5周年のセールで、偽スクリーンへの投資分位は引いてくれる計算になったので、それでいいことにしました。ワイド110インチのチェーンタイプ(WCH2440WG)です。「売り物を買うなら収納できるようにして」という天の声に従って、チェーンタイプにしました。とはいっても設置以来一度も畳んでいないのですが。

自作スピーカがそれはそれは小さく見えています。背が高くスクリーンの下辺にかかってしまう「スーパースワン」を撤去して、代わりにマトリックスBHを復帰させました。売り物スクリーンの裏の偽スクリーンは、撤去前に見比べるつもりでしたが、もはや見比べる気もしないままの放置状態です。スクリーンに近い側の照明は位置を上げるだけで済むと思っていましたが、「天の声」が問答無用で撤去してしまいました。

110インチは高さでスピーカーにかからない限界であると共に、スクリーン幅2440mmが天井の下地ピッチ(ここにあるような話です)450mmに対して、幅2250mmで固定できるので具合よいのです。仕事関係で手に入れた強力磁石(指越しにくっつきます)で石膏ボードを固定している釘を探して下地位置の見当をつけてから「下地探し」で下地材の幅を探って、木ネジをできるだけ幅中央に打つようにしました。

90インチ偽スクリーンと比べて、
デカイです。90でも巨大は巨大ですが、90から110に出世して面積比ほぼ1.5倍、は、やはりデカイです。
皺が無いです。明るいときに見ると、かすかなV字皺が見えているような見えていないような、ですが(上の写真で見えている程には実際は見えません)、暗くして映像を見る際には全く感知不能です。勤務先にあるどのスクリーンと比べても偽スクリーンでも大きな皺ではマシなくらいで、その偽スクリーンでも映像を見る際に細かい皺がしばしば気になっていたのですが、この平面度なら問題と感じる人は殆どいないと思います。
色調整が簡単です。偽スクリーンの時は3原色をあーでもないこーでもないと増減していましたが、売り物だとデフォルトの設定そのままで使えそうに思えます。せいぜい明るさをいじった程度です。
色のずれを除いた発色は、違いはありますが、程度としては同程度と見えます。シアターハウスの「シアターマット」の方が黒は沈むのですが、その分ぺたっとした感触になります。

結局売り物を買うなら偽スクリーンは無駄、だったのですが、自分の部屋で実際に映してみて、欲しいサイズと設置条件を見極めるためのステップとしては悪くなかったと思います。売り物をもう一度買いなおすことを思えば、そちらの方が遥かに無駄ですから・・・と自分を正当化してこの項を閉じることにします。

 

TOPへ スピーカ工作の部屋へ