43.伊吹山(いぶきやま)(2018.05.05) 参考サイトはこちら

 

1.計画

今年から中学生となった次男の部活はまだ仮入部とか言ってますが、長男の部活だけでも動きにくい中、5月の5日6日は家族で動けることになり、テント泊を含めて検討しました。

私の最初の希望は、三瀬明神山 again だったのですが、家内から「馬の背が怖い」、長男から「初めてのところがいい」などと却下されました。

それなら、と、こちらから一番近い「百名山」の恵那山をネットで調べてみましたが、どうも「地味」「華がない」という印象をぬぐえません。

というところで家内から、もう一つの近場の「百名山」である伊吹山が提案されました。そもそもテント禁止だし、どうみても愛知県からは日帰りの山です。が、長男がテント泊を楽しみにしているようだったので、「取ってつけたテント泊」でもいいから、「伊吹山登山+どこかのキャンプ場でテント泊」とすることにしました。何故か、この時点で既に自家用車の利用は全く考慮されず、電車とバスでの移動が前提となっていました。

まず、伊吹山近くのキャンプ場を調べてみました。まず伊吹山の麓にある「グリーンパーク山東」を見つけたのですが、サイトで調べると5日はキャンプ場満員です。「デイキャンプの人が帰った後なら行けるかも」と念のため電話もしてみましたが、あえなく断られました。
そこで仕方なく、いささか遠いですが、フリーサイトなら予約不要の「ウッディパル余呉」に一旦は決まりかけました。

次に、昭文社の登山地図も買わねば、と本屋に出かけたのですが・・・その本屋で見てみると、伊吹山は御在所岳と同じ巻に収録されているではないですか。それなら4年前に買った地図が自宅にありますから、買わずに帰ってから見てみました。御在所岳は25000分の1で収録されていますが、主たる登山道が一つしかないからでしょうか、伊吹山には50000分の1の小さな地図しかありません。ただ、その地図で、伊吹山の西に「大久保リバーサイドキャンプ場」というのが見つかりました。

公式サイトがないので、すぐには見つからなかったのですが、そのキャンプ場が、現在は「姉川パーク」(滋賀県の観光情報の頁にリンク)に改名して営業していることが分かりました。伊吹山下山後に、バス(近江長岡駅)電車(米原駅)電車(余呉駅)バス、で移動するより断然近く、いざとなれば歩けそうです。電話をしてみると「5日なら大丈夫」とのことだったのでテント泊を予約しました。

翌日には、少なくとも彦根城には行こうかね、という程度には決めて、計画完了としました。

 

2.伊吹山

天気予報は、二日間とも雨の心配はほぼ無さそうなことを言っていました。6時前起床で、テント一泊フル装備のザックをそれぞれ担いで出発、6時20分過ぎの電車に乗り、7時過ぎに名古屋で米原行きに乗り換えました。

この米原行きで、家族4人は1ボックスに首尾よく収まりましたが、大変な混みようでした。岐阜でも大垣でも余り降りず、名古屋で最初に座り損ねていたら、ほぼ1時間立ちっぱなしになるところでした。

8時丁度に近江長岡駅に到着、大垣から先の駅としては、かなりまとまった人数が下車しました。殆ど皆さん山登り装束です。バス停に行ってみると、8:07発のバス待ちで長蛇の列(右)。

まもなく車庫から出てきたバスに乗り込みましたが、勿論座れず、それどころか、最後の乗客を何とかして詰め込んでの発車となりました。

終点の伊吹登山口(標高220m)には、時刻表の8:23より遅れて到着したように思います。両替機に通らない500円玉(贋金?)を巡って、なんだか運転手にゴネてたオバハンのせいで、降車が滞り、さらに少し遅くなりました。

歩き始めたのは8:45頃と記憶しています。いつものように出だしはゆっくり、を心がけていると、どんどん抜かされていきます。テント泊装備の我々のザックが他の人たちより断然大きくて重かったのは間違いありませんが、それだけではなさそうです。4年前御在所岳に登った時のことを思い出しました。こういう有名な山ですから(本当に脚の速い方も居たでしょうが)、歩くペースの分からない初心者も多数居たのでしょう。そういう方は結局中盤以降で休憩を長く取るので、我々が抜き返していたはずです。

標高420mの一合目には、9:10に到着(下左)、(歩き始めの時刻の記憶が正しければ)標高差200mを25分ですから、そんなに遅くはありません。初めての小休止として、5分後に出発しました。

二合目は、9;33 に通過しました(上右)。

一合目まではほぼ樹林の中ですが、二合目を過ぎた辺りから、草原の道になっていきます。長男が「電車が見えた!あれは”しらさぎ”だったよ!」というので、振り返ってみると、遠ざかっていく電車が小さく見えたので、とにかく写してみました。帰宅後拡大してみると、たしかに「しらさぎ」に間違いありません。さすがは電車オタクです(下、9:42)。
 

この先も、各合目の看板を写しましたが、画像としては同じようなものなので、タイムスタンプのみ紹介しますと、

三合目 10:06、ここでトイレを含めて約10分の少し長い休憩、
四合目 10:23
五合目 10:35
六合目 10:52
七合目 11:07
八合目 11:33
(九合目の看板は見つけられませんでした)

となっています。

五合目から見上げると、登山者が連なって見えます。六合目近くの避難小屋付近を拡大してみましたが、更に上の稜線まで登山者が途切れず続いていました。(下、10:35)

大きな石がごろごろしていて、歩きにくい道が延々と続きます。
八合目あたりからは急傾斜の岩場模様になって更に歩きにくく、手を使う場面も何度か出てきました。

稜線近くになって、ようやく余裕が出てきたので、足元を写してみました(下左、11:52)。
傾斜は収まっていますが、足元の悪さはまだ続いています。

そして、11:57に山頂エリアに到着。看板のところで記念撮影したのが丁度12:00でした(上右)。
昭文社の地図のコースタイムで、登山口から三合目が1:30、三合目から山頂が2:10のところ、我々は休憩含めて 1:21 と 1:54 ですから、テント泊装備の割りには悪くないペースでした。

道中の険しさに似合わず広々とした山頂エリアは、ドライブウェイで来た人達も合わせて大賑わいでした。店もいくつもあります。金剛山御在所岳に似た感じです。

適当なところで昼食にしましたが、凄い風で一気に冷え込みました。おにぎりと唐揚げを食べている間に沸かした湯でミニカップ麺を作って食べる、までしましたが、それ以上長居する気にはなれず、風除けに店に入ってコーヒーなどをいただきました。

登山口発15:39のバスに乗るべく、12:55に下山開始しました。途中七合目付近で家族3人を先に行かせて新幹線撮影にトライしましたが、天気が良すぎて液晶が殆ど見えず、適当に向けたカメラでは編成の途中で切れた写真しか取れませんでした(下、13:46)。

途中、三合目でゆっくりし過ぎて、しかもバスの時刻が15:49だったことに記憶が捏造されかかったりして、しかし、
「あれ、39分じゃなかったっけ?」と、長男が言うので、一合目から下は「念のため」ペースを上げ、15:35くらいには登山口まで戻りました。

バス停の時刻表で、15:39が正解であることを確認しました。ギリギリでしたが、幸い自販機は近くにあったので、飲み物を4人分を購入し終えてから定刻到着のバスを迎えることができました。

昭文社の地図のコースタイムが下山合計で2:30のところ、2:40ですから、実際かなり遅かったようです。ともかくバスには間に合ったのだから良しとします。

 

 

3.姉川パーク

伊吹登山口から大久保バス停まで時刻表では9分、実際もそのようなものだったのでしょう。我々以外の乗客はお一人だけでした。

大久保バス停に着いて辺りを見渡しても、看板も何も見当たりませんが、地図を頼りに姉川を渡って進むと、姉川パークが見えてきました。
盛り上がっている人達多数の中で、今度は受付がどこかすぐには分からず、既に始めている人に教えてもらって、通り過ぎてきた浴場の建物が受付兼用と分かりました。

100V電源も使えるキャンプサイトは個別に区切られていて、まだいくつか選べるようでした。賑やかなカラオケから多少とも距離のある、上のほうに立てることにしました。「この山にモモンガがいるよ」と教えてもらいました。

風呂は家族風呂です。「温泉が涸れ気味で、夜に時間限定でしか出せない、水道水を沸かしたのでよければ夕方からでも入れますけれど」とのことでした。大汗かいた後ですから、風呂であれば何でもいいよね、ということで、テントを立てた後すぐに入浴しました。

テント泊一拍目恒例の具沢山の魚介シチューは、今回は、前日に作った家内が伊吹山の上り下りを担いだものです。コーヒーを済ませても、まだあたりに明るさが残っていましたが、さっさと寝にかかりました。

モモンガが警戒している時(だということは帰宅後youtubeで確認)の、ゼンマイ仕掛けみないな鳴き声が、時々聞こえてきます。寝つきの悪い私以外の3人は知らなかったことですが、我々のテントのすぐ近くでモモンガ観察会が開催されていました。近くの木の上の巣からモモンガが姿を現している様子を、施設の人が二家族くらいに説明していたようです。

姉川パーク近くの大久保バス停から、近江長岡駅に戻るバスは、始発が8:06、その次が10:16です。10時まで時間つぶすのも勿体無いので、5:40(?)に目覚ましかけて、7:20頃には撤収完了しました。

テントを張っていたサイトは、広場から奥を見た左下画像の、右の山を少し登ったところになります。
広場から入口方向を見た右画像の、中央左がトイレで、その左の木々の陰が、風呂併設の受付です(どちらも翌朝7:21)。

電源も便利に使える一方で、自然の中に入っている雰囲気も十分に味わえる、なかなか良いオートキャンプ場、ということになるのでしょう。

 

4.彦根城

大久保バス停には早めに着いてバスに乗り、途中の上野口バス停で接続バスに乗り換えて、8時半過ぎに近江長岡駅に到着しました。そこから電車二本で彦根駅に到着、600円の大型コインロッカーにザック4つを見事に詰め込み、彦根城に向かって出発しました。

蝶ヶ岳から下りてきた翌日ほどではないですが、太腿にかなり来ていました。城内に入っての坂や階段、天守閣の急な階段、それぞれ気合を入れて何とか上り下りしました。

何枚か写しましたが、玄宮園からのもののみ添えておきます(右、10:20)。

城内観光後、お城の南の「キャッスルロード」に向かい、蕎麦屋で昼食とし、さらに、事前に調べていた「うおこう」で鮒寿司を、それも「天然にごろ鮒」一匹丸々を5100円で購入して帰りました。

私以外の3人には初めての鮒寿司ですが、全員に難なく受け付けられてしまい、食事の際に少しずつ切って出したのですが、5回で全て無くなりました。

帰りの電車では、他3人が爆睡しているので、私が寝ずの番をしておりました。

 

我が家で二つ目の「百名山」で、姿は立派ですが、足元の悪い登り一方で、登るにはやや単調な山でした。
自家用車移動であれば、装備を担ぐ必要すら無かった「取ってつけたようなテント泊」ですが、やって良かったと思っています。
鮒寿司は・・・好きですが、石川県の「河豚の卵巣の糠漬け」あたりと比べても、割高感があります。

 

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