豊川稲荷に参篭



豊川市内にある妙厳寺は、曹洞宗の寺院。広く、「豊川稲荷」と呼ばれ、正式名称は、円福山豊川閣妙厳寺。
本尊は千手観音。
鎮守神として、境内に豊川荼枳尼天(だきにてん)を祀る。



朝1番のご祈祷を受ける為に、前日からの宿泊「参篭」が出来るようになっています。
予約は必要なく、当日に祈祷受付で申込書を書き、所定の祈祷料を奉納するだけ。ただし、午後3時には受付は済ませておいた方がよいです。

豊川稲荷公式サイト




宿泊させて頂いた部屋は、8畳だったです。歯ブラシとハンドタオルは部屋にありました。
空調とかも付いてましたので、暑い寒いにも対応してあります。



部屋数はかなり多いし、建物も大きく、迷いそうなくらいです。お坊さん以外のスタッフの人達も、とても応対が丁寧で、親切です。
部屋で落ち着いてすぐにお茶とお湯のセットも持ってきて頂き、浴衣も有りました。
お風呂は大浴場みたいなかたちでした。



トイレは近代的です。
照明は、人が入ってくるとセンサーに反応して自動的に点灯する仕組みになっていました。



夕御飯(薬石)です。スタッフの人が部屋まで運んできてくれます。いたりつくせり。お寺ですので、精進料理です。
この日は、
キノコと豆腐のとろみがかった汁物・ホウレン草のおひたし(割と甘めな味付け)・味付き野菜の天婦羅・里芋と椎茸と青楓麩の炊いたの
高野豆腐とタケノコとキノコの炊いたの・もずくの酢の物・守口漬・御飯
という献立でした。



夕食が終ると、もうする事が無く、寝るだけです。他に何もする事が有りません。じっくり寝れます。
疲れを落とし、気持ちをリフレッシュするには良いかもしてません。
朝は、スタッフの人が起しに来てくれます。起されるのが気になる人は、旅行用の目覚まし時計を持っていくのも有りかと。
洗面を済ませ、部屋で浴衣から服を着替えて待っていると、今度はお坊さんがご祈祷の案内に来てくれます。
ご祈祷は、朝課に続いてでしょうか、数人のお坊さんが大般若転読をしてくれ、名前や祈願内容などを読んでくれます。
部屋に戻ると、スタッフの方が布団を上げてくれて、部屋が片付けられ、粥座(朝食)がすぐに運び込まれます。
本日の献立は、
小判型の厚揚げの甘辛く煮たの・キュウリの酢の物・昆布と豆腐と人参と椎茸と炊いたの・昆布の佃煮と大根漬けと梅干し
味付き海苔・豆腐の味噌汁・御飯
という内容。お味噌汁は飲み放題というか、桶にタップリと入っていました。



朝の境内は、清々しいです。
食事が済むと、お坊さんがお札とおさがりを持って部屋に来てくれます。
箸はおさがりには付いていないのですが、記念にお膳に付いていたものを。
ご祈祷のお札と、おさがりに葛湯。それとお洗米。お寺の縁起解説の紙は、各部屋に置いてありました。
京都での宿坊とはまた少し違う趣きですが、「参篭」という語義を踏まえると、良い一晩を過せるのではないか、と思います。



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