【為替管理】
(1) インドネシアに投資を行う場合には事前にインドネシア中央銀行に登録を行い、投資計画の認可を受ける必要がある。
(2) 1998年以降、RP5,000,000を超える外国為替取引は、インドネシア中央銀行に報告する義務がある。
又、RP10,000,000を超える外国為替取引は、インドネシア中央銀行の許可が必要となっている。
違背した場合には、RP10,000,000〜RP1,000,000,000の罰金が課される。
(3) 又、2000年3月1日以降、インドネシア所在の銀行は、インドネシア中央銀行に対し、US$10,000又はその同等額を超える外国為替取引について報告を行う義務を課されている。
この報告書には、取引の日時、金額、取引の当事者、送金先、当事者の関係、取引の種類が記載される。
この報告義務に違背した当事者にはRP250,000,000〜RP1,000,000,000の罰金が課される。
【会社設立】
(1) 個人又はパートナーシップが、含み益のある資産を現物出資し、非課税で会社を設立することが可能。但し、当該出資者が設立時の資本金の90%を所有し、且つ、設立された会社が当該資産を出資者の簿価で受入れることが条件。
有限責任会社が含み益のある資産を現物出資した場合には、時価と簿価との差額を譲渡益として課税されてしまう。
(2) 会社設立に関わる支出或いは会社の増資に関わる支出は支払が行われた年度の損金となるが、繰延資産に計上して償却して行くことも可能。
(3) 開業費は、支出時の損金となる。
【インドネシア居住法人】
(1) インドネシアに居住する法人は、その全世界所得がインドネシアの法人税の対象となる。
但し、国外源泉所得に関しては、源泉地国別に所得を計算し、損失の生じた国に関しては、課税所得の計算には入れない。
(2) 法人がインドネシアの居住者となるか否かは事実判断の問題だが、インドネシア法に基づいて設立された法人はインドネシア居住者となる。税務長官は、法人がインドネシアに居住するか否か、並びに法人税の対象となるか否かを決定する権限を有する。
(3) 非居住者に付いては、インドネシア源泉所得のみがインドネシアで課税対象となる。
恒久的施設は、非居住者となるが、インドネシア法人税上は、居住者と同様に課税される。但し、海外の本店に対する支払利息及びロイヤルティは、損金とならない。
又、インドネシア税法は、「恒久的施設の吸引力」の考え方を採用しており、インドネシアに恒久的施設を有する外国会社が、当該恒久的施設が販売する商品若しくは提供する役務と同類のものを直接インドネシアに販売若しくは提供する場合には、その利益が恒久的施設に帰属すると看做されることがある。
【税務年度】
2001年以降、税務年度は暦年を採用しているが、納税者が自己の事業年度を税務年度として使用することも認められている。
【法人税率】
法人税率は、段階税率となっている。
|
課税所得 |
税率 |
||
|
〜 |
RP50,000,000 |
10% |
|
|
RP50,000,000 |
〜 |
RP100,000,000 |
15% |
|
RP100,000,000 |
〜 |
30% |
【留保利益課税】
会社の留保利益に対する課税はない。法人税率は、配当しようが留保しようが同じ。
【純資産税】
純資産に対する課税はない。
【地方法人税】
地方税に法人所得税はない。
【源泉徴収制度】
インドネシアでは、1984年以降、法人税では申告課税方式が採用されているが、その一方で、法人税制を補完する源泉課税の制度が発達している。利息、配当等の投資所得に源泉税が課されるだけではなく、特定の役務の提供並びに物品の販売においても、源泉税(前払法人税)が徴収される仕組になっている。
(1) 22条タックス
団体(中央政府、地方政府、政府関連団体も含む)が、自らが当事者となる物品の譲渡並びに輸入に関連して、源泉所得税を納付するもの。
これは所得税法第22条に規定があるので、22条タックスと呼ばれる。
@ 輸入
物品を輸入する場合、輸入許可登録番号を有する団体は輸入価額の2.5%、それ以外の団体は輸入価額の7.5%を関税と一緒に納付する。
輸入価額とは、CIFと関税との合計額。
この納付額は、輸入者にとって法人税の前払として扱われる。
A 中央政府又は地方政府が購入を行う場合、購入額の1.5%を控除して支払う。
この控除額は支払を受けた側にとっては法人税又は所得税の前払として扱われる。
B 下記の業界における物品の販売
|
業界 |
課税標準 |
源泉税率 |
|
セメント |
付加価値税の課税標準額 |
0.25% |
|
紙 |
付加価値税の課税標準額 |
0.1% |
|
製鉄 |
付加価値税の課税標準額 |
0.3% |
|
自動車 |
付加価値税の課税標準額 |
0.45% |
|
タバコ |
物品税の課税標準額 |
0.1% |
この内、タバコに関しては、0.1%の源泉税が、購入者にとっての最終課税額となるが、それ以外は、購入者にとって前払法人税となる。
C 国有石油会社 Pertamina 並びにその他の事業者が、ガソリン・軽油を
民間のガソリンスタンドに販売する場合は、販売額の0.3%国有石油会社のガソリンスタンドに販売する場合は、販売額の0.25%
が源泉税として徴収され、この源泉税が購入者にとっての最終課税額となる。
D 砂糖、小麦粉を業者が専売公社から購入した場合
|
業者 |
砂糖100Kg当り |
小麦粉1袋当り |
|
一次卸 |
RP270 |
RP38 |
|
二次卸 |
RP380 |
RP53 |
|
その他 |
RP650 |
RP91 |
が源泉税として徴収され、この源泉税が購入者にとっての最終課税額となる。
(2) 23条タックス
居住者及び恒久的施設が、居住者又は恒久的施設に対して支払いを行う場合、15%の源泉税が課される。これは所得税法第23条に規定があるので、23条タックスと呼ばれる。
23条タックスは、支払の行われた日又は23条タックスの支払額が確定した日の翌月の10日までに納付、同20日までに申告しなければならない。
@ 配当金には粗支払額に対して15%の源泉税が課される。
但し、インドネシア居住会社が、インドネシアで設立され且つ居住する組織から受領若しくは未収計上した配当は益金不算入であり、源泉税も免除される。
A 利息には粗支払額に対して15%の源泉税が課される。
但し、銀行に対して支払われる利息、或いは銀行に対して未払計上する利息は、源泉税が免除される。
B 協同組合が組合員に支払う利息で、大蔵大臣が規定する限度額を超える場合には、粗支払額に対して15%の源泉税が課され、これが最終課税額となる。
限度額を超過しない場合には、源泉税は課されない。
C 1995年以降、技術、経営管理、建設、コンサルティング並びにその他のサービスに関しては、「見積純所得」に対して15%の源泉課税が行われることになっている。
「見積純所得」とは、粗支払額に「税務長官が定める率」を乗じたもの。この「税務長官が定める率」は現在60%なので、結局、源泉税の実効税率は粗支払額の9%になる。
これは、資産の賃貸所得にも適用される。
但し、不動産(土地・建物)以外の資産の賃貸所得の場合、源泉税の実効税率は粗支払額の6%。
D 又、1997年8月以降、特定のサービスに関する源泉税の実効税率が下記の様に定められた。
源泉税は、付加価値税並びに物品税を除いた粗支払額に対して、下記の税率で徴収される。
|
実効源泉税率 |
|
|
技術、経営、法律相談、税務相談 |
6.0% |
|
会計並びに記帳業務 |
6.0% |
|
森林維持管理業務 |
6.0% |
|
鼠駆除業務 |
1.5% |
|
石油ガス掘削業務(恒久的施設によるものを除く) |
1.5% |
|
石油ガス維持管理業務 |
4.5% |
|
仲介業務 |
9.0% |
|
価格鑑定業務 |
6.0% |
|
年金数理計算業務 |
6.0% |
|
フィルム複写並びに編集業務 |
6.0% |
E 上記に拘らず、小規模会社に区分される居住者が、契約金額が10億ルピア以下のサービスを請負った場合には、2%又は4%の源泉税が徴収され、これが最終課税額となる。
F 建設、建設計画、建設監理等の建設関連業務を行う会社は、付加価値税を除いた粗受取額に対して下記の実効源泉税を課されるが、これが最終課税額となる。
|
実効源泉税率 |
|
|
建設作業 |
2% |
|
建設計画 |
4% |
|
建設監理 |
4% |
|
建設相談 |
4% |
【法人税の納税期日】
(1) 1984年以来、インドネシアでは自己申告制度が採用されている。法人税の最終的な納付は、税務年度の末から3ヶ月目の25日までに納付、末日迄に申告しなければならない。
納付しておけば、納税申告は3ヶ月の延長が認められる。
(2) 月次で法人税の予納制度がある。法人税の最終的な納付に先立ち、税務年度中、納税者は当月分の予納額を翌月の15日までに納付、20日までに申告しなければならない。
毎月の予納額は、前年度の法人税確定税額から前年度の22条タックス、前年度の23条タックス、並びに前年度の外国所得税額を控除し、これを12で除した金額。
期首の2ヶ月間は、前年度の最終月の予納額と同額をそれぞれ納付する。
(3) 納税申告書は、地区税務署により検証された後、5年以内に最終的賦課決定書が発行される。5年以内に発行されない場合、納税申告書が最終的賦課決定書と看做される。しかしながら、1995年法人税法により、税務当局は10年以内に検証を行えばよいことになった。つまり、現在では、税務上の時効は10年しないと成立しない。
【事業所得の算定】
課税所得は現金主義又は発生主義で計上する。
インドネシアは、確定決算主義を採用していない。
課税所得の算定が会計上の取扱いと異なる場合には、税務上の調整が行われる。
(1) 利益の定義
粗利益とは、所得であり、納税者により受領若しくは未収計上された経済的富の増大であり、当該納税者により消費され或いはその富を増加させるものであって、源泉がインドネシア国内にあろうと国外にあろうと、又、それがどの様な名称並びに形態をとっていようとかまわない。
これには、資産の販売又は譲渡(取得)による利益、会社、パートナーシップ又はその他の組織がその資産を株主、パートナー又はメンバーに現物配当する場合の譲渡所得、清算所得の分配による利益が含まれる。
税務長官は譲渡価格が合理的な範囲から逸脱していると考えられる場合、調整を行うことが出来る。
(2) 下記の項目は損金算入可能。
@ 所得の稼得、回復又は保全に関わる費用
A 貸倒損失
B 従業員の賃金給与を含む仕事又はサービスの費用、ボーナス、謝礼金、心付け並びに手当てで現金で支払われたもの(これらは、受取った側の所得になり、所得税法第21条の源泉税の徴収が必要)
C 遠隔地での勤務に対する特定の給与手当又は現物給与に類似したもので、政府の規定により特に指定されているもの(これらは、受取った側の所得にならない)
D 従業員の社会保険料の内、法人負担部分
E 大蔵大臣が承認した年金基金への拠出金
F 奨学金、見習訓練費
G 支払利息、家賃、ロイヤルティー(これらは、所得税法第23条又は第26条の源泉徴収が必要)
H 保険料
I 資産並びに権利で、自ら所有し且つ事業で使用したもの、或いは所得の稼得、回復又は保全の為に所有しているものの売却又は譲渡による損失
J 協同組合の事業利益の払戻金で、組合員の便益の為にのみ行っている事業に関わるもの
K 為替差損益
L 開発費、試験研究費
M 接待交際費で、事業遂行上必要なもの(相手の名称、人数、目的等の証憑が必要)
N 法人税以外の租税
O 有形資産の減価償却費並びに無形資産の償却費
(3) 損金算入できない経費
@ 準備金の繰入額
債権の回収が不可能であることが証明できなければ、貸倒引当金の繰入額は損金算入できない。
但し、銀行並びに買取特約のオプションを付しているリース会社の回収不能の売掛金に対する準備金は除く。又、鉱業に於ける自家保険料及び埋戻費用 reclamation の準備金で、大蔵大臣が条件を規定しているものも除かれる。
A 受取った側で所得とならない様な報酬又は給与で現物給与に類似した形態で提供されるものは、損金算入できない。但し、遠隔地での作業又はサービスに関わるものを除く。
B 協同組合の配当金の内、組合員に対するサービス提供と関係する事業利益以外の払戻し
C 保険会社が保険加入者に支払う配当金
D 会社又はその他の組織による配当金又はその他の分配で、それがどの様な名称並びに形態をとっていようと、株主、パートナー又はメンバーに支払われたもの
E 株主、アソシエイト、メンバーの個人的な便益のために負担された費用
F 株主又は特殊関係者に支払われた過剰な報酬
G 納税者又はその扶養家族の個人的な便益の為に支払われた費用
H 社団、パートナーシップ又は有限責任パートナーシップで、資本が株式に分割されていないもののメンバーに支払われた給与
I 健康保険、事故保険、生命保険、総合保険並びに奨学金保険の保険料の支払い
但し、保険料が保険金の受取者の所得として扱われるものは除く
J 法人税
K 利息、罰金若しくは追徴金と云う形態の行政制裁、又は所得税法の規定による罰金と云う形態の刑事制裁
L 寄付金
(4) 益金不算入となる収益
@ 会社、パートナーシップ又はその他の組織が株式発行の対価として受領した資産
A インドネシア居住法人が他のインドネシア居住法人から受取った配当金は、「資本参加免除」の取扱を受け、益金不算入となる。
又、インドネシア居住法人間の配当金支払は、15%の源泉税も免除される。
「資本参加免除」として適格の配当金とは、インドネシア居住の有限責任会社、協同組合、国有会社又は地方政府所有の会社が資本参加している事業体が、現行の法規定に従いインドネシアで設立された法人から受取った配当金のことなので、インドネシア居住法人間の配当金は非課税ということになる。
1992年までは、下記の条件を満たす子会社からの配当金だけが益金不算入となっていた。
発行株式の25%を所有していること、並びに 親子間に事業上の経済的関連があること
B 雇用主により拠出されたか従業員により拠出されたかには関わりなく、大蔵大臣が承認した年金基金が受領又は未収計上した拠出金、並びに大蔵大臣が指定する特定の分野に投資した場合の投資所得
C 投資信託が投資家の為に受領又は稼得した投資利益で下記の形態のもの
インドネシアで設立された有限責任会社からの配当金
債券の利息
有価証券の売却又は譲渡による利益で、受領又は稼得された純利益の全てが利益又は配当金として投資家に分配されるもの
これらは、源泉税も免除されている。
D ベンチャーキャピタル会社が受領又は稼得した所得の内、現行の法規に基づきインドネシアで設立された事業体からの利益分配と云う形態のもの。又、当該事業体に対する持分の売却又は譲渡による利益も益金不算入となる。又、源泉税も免除されている。
但し、下記の条件を満たす必要がある。
当該事業体が政府の指定する分野で事業活動を行っていること、並びに
当該事業体の株式が上場されていないこと
又、政府の指定する分野とは、
輸出用製品を製造している産業
電子部品を製造している産業
農業、畜産業並びに漁業の産品を加工する産業
小規模並びに中規模事業で、産業大臣が定める条項に適合するもの
都市部にアパートを建設する事業
農業、農園経営、林業、畜産業並びに漁業
都市間の陸上、海上並びに航空輸送業
輸出支援貿易サービス
【有形固定資産の減価償却】
(1) 減価償却資産とは耐用年数が1年以上の有形資産であって、自ら所有し且つ事業で使用されるか、或いは所得の稼得、回復又は保全の為に所有しているもの。但し、土地は除く。
(2) 少額資産の規定はない。
(3) 会計上と税務上とで、減価償却の方法が異なっていてもよい。
(4) 減価償却資産は建物と建物以外に区分される。
建物に付いては、減価償却の方法は定額法のみが認められている。
建物以外の資産に付いては、減価償却の方法として定額法と定率法の孰れかが選択可能。
定率法は、所謂「倍額償却法」 Double Declining Balance Method。
又、建物以外の資産は、耐用年数別に4つに区分されているが、95/2/7付の大蔵大臣命令により規定されている。
(5) 減価償却費の計算上、有形資産の耐用年数並びに償却率は下記のように規定されている。
|
有形資産の区分 |
耐用年数 |
定額法 |
定率法 |
|
建物 |
|||
|
恒久的 |
20年 |
5% |
|
|
非恒久的 |
10年 |
10% |
|
|
建物以外 |
|||
|
区分1 |
4年 |
25% |
50% |
|
区分2 |
8年 |
12.5% |
25% |
|
区分3 |
16年 |
6.25% |
12.5% |
|
区分4 |
20年 |
5% |
10% |
(6) 減価償却は、支出が為された年度から開始される。但し、建設中の資産については、当該資産の建設が完了した年度から減価償却が開始される。
支出の初年度に、1年分の償却が可能。又、定額法でも定率法でも、残存価額はゼロと看做される。
定率法を適用した場合、耐用年数の最後の年度に残存価額は全額償却される。
(7) ジャワ島以外の遠隔地への投資
自身で所有している資産で、ジャワ島以外の遠隔地での事業活動に使用しているものは、下記の方法で減価償却することが出来る。
@ 定額法。償却期間は、20年未満の一定の年数でよい。
A 定率法。但し、建物に付いては定額法で償却しなければならないが、償却期間は、20年未満の一定の年数でよい。
(8) ファイナンスリースの貸し手は、リース資産を売却したものと看做され、リース資産の減価償却は出来ない。
但し、リースの借り手は、リース料を損金とすることが出来る。
【無形資産の償却】
(1) 無形資産の償却は、建物以外の有形資産の減価償却と同様。
耐用年数が1年超で所得の稼得、回収並びに保全に使用される無形資産の取得の為の支出には、定額法又は定率法の孰れの方法も適用できる。
資産の耐用年数に亘って、支出額又は簿価に償却率が乗じられる。
初年度には1年分の償却が可能。
償却率が継続的に適用される限り、資産の耐用年数経過時に残存価格は全額償却される。
(2) 償却率は下記の通り
|
無形資産の区分 |
耐用年数 |
定額法 |
定率法 |
|
区分1 |
4年 |
25% |
50% |
|
区分2 |
8年 |
12.5% |
25% |
|
区分3 |
16年 |
6.25% |
12.5% |
|
区分4 |
20年 |
5% |
10% |
(3) 生産高比例法は、鉱業並びに天然ガスの事業分野で耐用年数が1年超の権利を取得するために支出された無形資産の償却に使われる。
但し、上記以外の鉱業権、森林伐採権、天然資源又は自然産品の開発権で、耐用年数が1年超のものに生産高比例法を適用する場合、償却率は最高で年率20%と云う制限が付く。
資産種類の区分は大蔵大臣の命令により規定されている。
(4) ジャワ島以外の遠隔地に於ける鉱業の無形資産或いは繰延資産で、耐用年数が1年超のものは25%の償却率。
【棚卸資産】
棚卸資産は、平均法又は先入先出法に基づく原価法で評価する。低価法は認められていない。
【建設工事】
建設工事は、工事進行基準で計上する。
【有価証券】
有価証券は、平均法又は先入先出法に基づく原価法で評価する。低価法は認められていない。
【支払利息】
(1) 支払利息は発生主義で計上。
(2) 受取配当金が非課税となるインドネシア居住法人の株式を購入するための借入金に付いては、その支払利息を損金に計上することは出来ない。
(3) 税法の条文に、過少資本税制の明確な規定は存在しない。
(4) 関係者からの借入金利息の利率には、独立第三者基準で決定されなければならない。
(5) 恒久的施設が負担した本店からの借入金利息は、損金算入できない。但し、当該恒久的施設が銀行の場合には、損金算入可能。
(6) 借入金利息には、所得税法第23条又は26条の規定が適用され、居住者又は恒久的施設に支払う場合は15%、非居住者(恒久的施設を除く)に支払う場合は20%の源泉税が課される。
【債券利息】
(1) 2002年5月1日以降、債券で上場されているものの利息には、20%の源泉税が課され、これが最終課税額となる。
但し、インドネシアで事業を行っている銀行、大蔵大臣が認可により設立された年金基金、証券取引所監視委員会に登録されている投資信託に関しては、最終課税額とはならない。
(2) 非上場の債券の利息に関しては所得税法第23条又は26条の規定が適用され、居住者又は恒久的施設に支払う場合は15%、非居住者(恒久的施設を除く)に支払う場合は20%の源泉税が課される。
インドネシア税法では、債券を次の3種類に分類している。
@ 利付債
インドネシア居住者(法人又は自然人)及び恒久的施設に付いては、債券の所有期間に稼得した粗利息金額の20%を源泉課税される。
非居住者も、20%で源泉課税されるが、租税条約に規定があれば、租税条約の適用がある。
A 割引債
インドネシア居住者(法人又は自然人)及び恒久的施設に付いては、債券の額面金額と発行価額との差額に対して20%の源泉課税が行われる。
非居住者も、20%で源泉課税されるが、租税条約に規定があれば、租税条約の適用がある。
B ゼロクーポン債
ゼロクーポン債は、割引債と同様に課税される。
【事業損失】
(1) 事業損失とキャピタルロス並びにその他の損失とに区別はない。
(2) 事業損失は5年間繰越すことが出来る。
鉱業並びにプランテーション農業では、8年間の繰越しが可能。
外国投資会社でジャワ島以外において事業を行うものに付いては、10年間繰越すことが可能。
【キャピタル・ゲイン】
(1) 殆どのキャピタルゲインは通常の事業所得として扱われ、通常税率で課税される。
但し、1995年以降特定のキャピタルゲインは特別税率で課税されている。
(2) キャピタルロスは全て利益から控除できる。
【受取配当金】
個人がインドネシア法人から配当金を受領する場合には15%の源泉税(第23条タックス)が課される。これは受領者にとっては、前払所得税となり、税額控除が可能。
インドネシア法人がインドネシア法人から受領する配当金は、1992年1月1日以降、源泉税は課されていない。
【支払配当金】
(1) インドネシア法人が株主に配当金支払い又はその他の利益分配を行う場合、15%の源泉税(第23条タックス)を控除しなければならない。しかしながら、株主がインドネシア法人であれば、1992年1月1日以降、源泉税は免除されている。
(2) インドネシア法人が海外の株主に配当金支払い又はその他の利益分配を行う場合、20%の源泉税(第26条タックス)を控除しなければならない。
しかしながら、当該株主がインドネシアと租税条約を締結している国の居住者であれば、租税条約の規定が適用される。
【減資】
(1) 減資は払込資本の払戻しの範囲内であれば源泉税の対象とならない。又、キャピタルゲインが生じない限り、株主持分の部分的な処分として扱われ、課税関係を生じさせない。
(2) 海外の親会社の場合も、減資は、払込資本の払戻しの範囲内であれば源泉税の対象とならない。又、キャピタルゲインが生じない限り、インドネシアでは課税関係を生じさせない。
(3) 払込資本を超えて支払われた部分は配当金として扱われ、源泉税の対象となる。
【自己株式の買戻し】
株式の買戻しは減資と同様に扱われる。
【清算】
(1) 会社の清算期間中も法人税は支払わねばならない。税率は、継続企業と同一。
(2) 清算所得の分配で、払込資本を超過する部分があればその部分は配当金として扱われ、株主が居住者であれば15%、非居住者であれば20%の源泉税の対象となる。この税率は租税条約があれば、租税条約が優先して適用される。
【連結納税】
インドネシアでは連結納税の制度はない。
【その他の租税】
(1) 付加価値税
課税対象物品並びに課税対象サービスの提供に対して10%の付加価値税が課される。付加価値税の補完として奢侈品税が存在し、贅沢品に対して10%〜50%の税率で課税される。課税されるのは製造者の出荷段階或いは輸入通関時の一度だけ。1992/4/1以降、贅沢品に対する奢侈品税の税率は35%にまで徐々に引上げられている。物品並びに贅沢品の輸出はゼロ課税。付加価値税は、流通の各段階で課される。
特定の車両については、特別の税率で奢侈品税が課される。
@ トレーラー、セミトレーラー並びにキャラバンは60%
A レースカー並びにその他の車両で3500cc以上のエンジンを搭載したものは75%
B オートバイで250cc〜500ccのエンジンを搭載したものは50%
C オートバイで600cc以上のエンジンを搭載したものは60%
小規模事業者で下記の条件を満たすものは、課税業者とは看做されない。
@ 年間の課税対象物品販売高がRP360,000,000未満のもの
A 年間の課税対象サービス販売高がRP180,000,000未満のもの
又、下記の事業者は付加価値税の徴収代理人となる。
@ 国有石油会社 Pertamina
A 生産分与契約 Production Sharing Contract の出資者
B 石油天然ガス、地熱発電及び鉱山の事業における合弁事業会社 Contract of Work Company
C 国有会社及び地方政府会社
D 国有銀行及び地方政府銀行
(2) 印紙税は下記の書類に課される。
@ 私人間の合意書で、証拠として機能するものは、RP6,000
A 公正証書並びにその副本は、RP6,000
B 土地の権利書並びにその副本は、RP6,000
C 為替手形、約束手形、支払手形の引受け、小切手、有価証券、受領書、銀行の計算書、納入業者の計算書については、その表記金額に応じて、税額が異なる。
|
表記金額 |
印紙税額 |
|
〜RP250,000 |
非課税 |
|
RP250,001〜RP1,000,000 |
RP3,000 |
|
RP1,000,001〜 |
RP6,000 |
物品預り証、船荷証券、旅行者及び荷物の切符、荷物受取証、配達証、卒業証書、給与受取証、国家又は地方政府又は銀行からの資金受領証、社内受領証、普通預金に言及した書類又は普通預金の払出票、有価証券の利得又は利息の分配に関する通知書には印紙税は課されない。
(3) 固定資産税
土地建物は、その課税対象販売価額に対して0.5%の税率で課税される。課税対象販売価額は実勢価格の40%。但し、鉱山の場合は実勢価格の20%。
個人並びに組織体で、土地に対する特定の権利或いは土地の使用による利益を享受している者並びに建物の保有若しくは支配又は建物から利益を享受している者はこの税の対象となる。
農園、鉱山、森林には特別の取扱いがある。
(4) 外国資本の参加を伴った鉱業ベンチャーは、通常、共同事業 contract of work として設立される。これは鉱業エネルギー省と鉱山開発ベンチャー企業との合弁事業の形態をとって行われる。
(5) インドネシアの石油生産は、国有石油会社 Pertamina と生産分与契約の下で参加者により行われる。
(6) 地方税で、所得以外に税が掛るのは、自動車並びに自動車の譲渡、ホテル並びにレストランでの食事並びに宿泊、広告並びに粗大ゴミ。
(7) ファイナンシャル・リースは、金融取引と看做され、リース料は付加価値税の対象とはならない。リース料は源泉税が免除される。
【優遇税制】
(1) 海外の公的援助によりファイナンスされた政府プロジェクトで、直接の契約者となった事業者が当該プロジェクトで稼得した所得の法人税はインドネシア政府が負担する。
(2) 外国投資会社
外国投資会社で特定の事業を営むもの並びにインドネシアの特定地域において事業を行うものに付いては、幾つかの税務上の特典が与えられている。
@ 投資控除
6年間に亘り、年間投資額の5%相当額を毎年の所得から控除することを認める
A 加速償却
10年間に亘り、有形無形の固定資産の加速償却を認める
B ジャワ島以外で事業を行う場合、事業損失の繰越しを10年まで認める
C 非居住者に支払う配当金の源泉税率を10%に減額する
(3) 不良債権の償却
事業上の不良債権の処分を行う居住者には、2000年、2001年、2002年の3ヶ年に限り、特別な債権償却が認められる。但し、金融政策委員会議長に申請が必要。
【事前確認制度】
下記の場合、税務当局から事前の確認が得られる。
(1) 大蔵大臣並びに税務長官は、負債/資本比率の決定、或いは独立第三者基準から逸脱した課税所得の再決定と云う特定の場合には、事前に確認の通達を発行することが出来る。
(2) 税務長官は求めに応じて、提案された取引の税務上の取扱いについて、事前の通達を出すことができる。
又、税務長官は移転価格に関しても、事前確認を行うことが認められている。
【税務調査】
(1) 税務署に提出される納税申告書には決算書並びに付属明細書が添付される。自己申告制度ではあるが、税務当局には、課税所得を検証する上で、納税申告書に関する情報であれば如何なるものであっても要求することが認められている。
(2) 特定の会社については、英語で記帳してよいことになっているが、納税申告書並びに別表についてはインドネシア語で且つルピア建てで記載しなければならない。
下記の会社については帳簿を英語で且つUS$建てで記帳することを申請することが出来るとしている。
@ 外国資本投資スキームに基づく会社
A インドネシア政府と鉱山探鉱開拓スキームの枠組で合弁事業契約を締結した会社
B 国有石油会社 Pertamina と石油天然ガス並びに鉱山探鉱開拓スキームの枠組で生産分与契約を締結した会社
(3) 税務当局の税務調査には、書類審査と実地調査の2種類がある。納税者に付いての格付表が作成されており、孰れの調査方法を選択するかは、この格付表に基づいて、税務長官が決定する。
税務調査が行われるのは、
@ 納税申告書が過払いの場合
A 以前には開示されていなかった新たな事実が開示された場合、或いは既存の事実が新たに開示された場合
B 経済的犯罪行為の疑いが強く示唆される場合
納税申告書が過払いの場合或いは経済的犯罪行為の疑いが強く示唆される場合を除き、現状では、名誉ある善良な納税者は税務調査が免除されている。
書面による警告を受けたにも拘らず納税者が期限までに納税申告をしなかった場合にも、税務調査は行われる。税法上の義務を果さない場合にも税務調査は行われる。異議申立ての申請書又は不服申立ての申請書を提出した場合にも税務調査が行われる。
【国外源泉所得】
(1) 国外源泉所得に関しては、源泉地国別に所得を計算し、損失の生じた国に関しては、課税所得の計算には入れない。
従って、海外支店の損失があったとしても、国内の所得又他の国の所得から控除することは出来ない。
(2) 国外源泉所得に関しては、源泉地国と租税条約を締結しているか否かに拘りなく、外国税額控除制度が適用されるが、直接税額控除までで、間接税額控除は認められていない。
海外子会社からの配当金には、配当金免税は適用されず、その粗受取額が課税所得になる。
(3) タックススペアリングを採用している。
(4) 一括控除方式は採用しておらず、源泉地国別に控除限度額を計算する。
(5) 控除余裕額、控除限度超過額の繰越し/繰戻しは認められていない。
【海外子会社の損失】
海外の子会社の損失は、インドネシア親会社の所得から控除することは出来ない。
【被支配外国会社】
インドネシアでもタックスヘイブン税制が導入されている。
インドネシア居住者が海外の非上場会社に対して資本参加を行っている場合で、当該非居住者が単独で又は他のインドネシア居住者と併せて、外国会社の資本の50%以上を所有しているときには、インドネシア大蔵大臣は、インドネシア居住者に対する当該外国会社の利益の帰属時期を決定する権限を有している。
当該外国会社が、現地で納税申告書を提出してから4ヶ月目に、配当金が支払われたものと看做されることになっている。又、現地で納税申告の義務が免除されている場合には、当該外国会社の事業年度末から7ヶ月目の末日に配当金が支払われたものと看做される。
【移転価格税制】
(1) インドネシア国内税法では、関係会社間の取引においても独立第三者基準を採用しているが、明確な規定があるわけではない。
(2) 税務長官は、納税者又は海外の権限ある当局と、特殊関係にある当事者間の販売価格について、事前に合意をなす権限を与えられている。
【国籍変更】
会社がインドネシアに居住するか否かは事実判断によって決定される。インドネシアから他の国へ国籍を変更するに当って、事前にインドネシア税務当局の同意を取付ける必要はない。
【非居住者によるインドネシアでの事業】
(1) インドネシアの国内税法では、非居住者は、インドネシア所在の恒久的施設を通じているか否かに拘らず、インドネシアで事業を行っている限り、インドネシアでの事業所得に対してインドネシアで課税される。
インドネシアで事業を行っているとは、
販売契約 製造 役務提供
の孰れかがインドネシアで行われていることとされる。
(2) しかしながら、インドネシアが締結した租税条約では、インドネシアに恒久的施設、即ち、支店、工場、又は契約締結の権限を有する代理人を通じて事業を行っている場合にのみ、インドネシアで事業を行っていると看做される。
(3) 非居住者に生じたインドネシア源泉のキャピタルゲインは、インドネシアで課税対象となるのが原則であるが、直接課税されることはない。
【インドネシア支店】
(1) インドネシア支店の事業所得並びにキャピタルゲインは、居住者の場合と同様に計算される。
(2) 但し、インドネシアの国内税法は、「恒久的施設の吸引力」の考え方を採用しており、インドネシアに支店を有する非居住者が、当該インドネシア支店を通じないで、直接事業を行っている場合でも、或いは、直接インドネシア居住者から利息、ロイヤルティ等を受領している場合でも、それらの事業所得又は投資所得はインドネシア支店に帰属するものと看做され、インドネシア支店の段階で課税されることがある。
(3) インドネシア支店が国外の本店等に支払う借入金利息は、銀行業を除き、インドネシア支店の損金とはならない。
(4) インドネシア支店の税引後利益は、本国に送金されるか否かに拘りなく、20%の源泉税(第26条所得税)が課される。
但し、インドネシアに下記の条件で再投資が行われる場合、この源泉税は免除される。
@ インドネシア法人の設立に当って創設者として資本参加すること
A 翌事業年度末迄に再投資が行われること
B 投資先のインドネシア法人が事業を開始してから2年間は資本を引揚げないこと
【インドネシアの管理/連絡事務所】
(1) インドネシアで行われた管理/連絡から生じた所得は、インドネシアで課税対象となるが、これらの活動が恒久的施設を通じて行われたのでなければ、インドネシアで課税されることはない。
(2) インドネシアが締結した租税条約では、インドネシア所在の事務所が、単に物品の購入、情報収集又は製品の宣伝に従事しているだけであれば、恒久的施設とは看做されないとしている。
(3) インドネシアの管理/連絡事務所が恒久的施設に該当するか否かに関しては、インドネシア税務当局から事前確認を発遣してもらうことが可能。
【非居住者のその他のインドネシア源泉所得】
居住者又は恒久的施設が、非居住者(恒久的施設は除く)に対してインドネシア源泉の所得の支払を行う場合には、源泉税20%を控除して支払わなければならない。この源泉税は、所得税法第26条に規定があるので、26条タックスとも呼ばれる。
租税条約が締結されている場合には、軽減税率の適用がある。
この源泉税は、支払が確定した日又は支払を行った日の孰れか早い方の日の翌月10日迄に納付し、同20日迄に申告しなければならない。
(1) 配当金、利息、ロイヤルティ、技術・経営指導サービス、賃貸料は、その粗支払額に対して20%の源泉税が課される。
(2) インドネシアに於ける支店等の恒久的施設の税引後利益には、本店へ送金されようがされまいが、20%の源泉税が課される。
(3) インドネシアに所在する資産の譲渡を行う場合には、その見積純所得に20%の源泉税が課される。
(4) 外国保険会社に保険料或いは再保険料を支払う場合、その見積純所得に20%の源泉税が課される。見積純所得は、
インドネシアの被保険者が外国保険会社に保険料を支払う場合には保険料の50%
インドネシアの保険会社が外国保険会社に保険料を支払う場合には保険料の
10%インドネシアの再保険会社が外国保険会社に再保険料を支払う場合には再保険料の5%
と看做されるので、実効源泉税率は下記のようになる
|
支払者 |
実効源泉税率 |
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インドネシアの被保険者 |
10% |
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インドネシアの保険会社 |
2% |
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インドネシアの再保険会社 |
1% |