愛知県碧南市 故郷・碧南市にサヨナラ 大浜街道は高浜川を渡り高浜市へ到着

旅する大浜街道

第3回 古き良き高浜の世界へ

忘れ去られた道を心に思い描けば 素晴らしい「高浜」の世界へと導かれる

高浜橋手前の砂利道

<高浜川が道の存在を消した。 素晴らしい高浜の世界への入口は、この消えてしまった道の断片からはじまる> 高浜の古老は言う。「高浜橋より、西に架かる横浜橋だ。」と。 たしかに高浜川が掘削された以降は、横浜橋を中心に発達していき、懐かしい商店の通りなど今でも残っており、風情を誘う景観である。 しかし、私たちの御先祖が通った道は大浜街道である。川が出来、皆の記憶から忘れ去られた大浜街道の一部が当時の面影を残し残っていた。 高浜橋の手前に残る砂利の分かれ道。川を隔てて道は先に繋がっている。現代においてこれは奇跡だ。

横浜橋北交差点からの眺め

<横浜橋から来る道と横浜橋交差点北で合流。 歩道橋に上ってみれば「古き良き高浜の世界へようこそ」という言葉が聞こえるみたい。> 高浜橋を渡り、大浜街道は瓦工場が立ち並ぶ中を行く。現在の大浜街道とも言うべき県道50号線へ出る。 その先、横浜橋から来た道と合流する横浜橋北交差点の歩道橋へ。見渡せば高浜の素晴らしさを理解するだろう。 なだらかに上昇する地表。阻害する高層建築物は見あたらず、古き良き木造建築が低く連なる。 程良く点在する緑は、滑らかな時の流れを想像させる。ああ、大浜街道は素晴らしき世界の中を行く。

ヘボト自画像ヘボトの”ここもぜひ見ておきましょう”コーナー

秋篠寺の景観 「久沓から来た道」 碧南市から高浜の地へ入る第3の道が新川11区のひとつ「久沓」から来る道です。本来はこの道が大浜街道と説を唱える人もいます。 高浜川に架かる「坂上橋」の南で寸断されてしまった道は、川を越えて対岸にある名鉄三河線線路の脇からまた始まります。 そのまま踏切前を通り、蛇行する軌跡を見せて「秋篠寺」前に出ます。そのまま真っ直ぐに行きますと古くから営む乾物屋さんを経て大浜街道と合流します。 昔のままの姿を留めている道です。突然現れるお地蔵さん、旧家の石垣の組など風情たっぷりのよい道です。大浜街道との交差には、かつて道しるべとなる道標があったといいます。

二宮金次郎さんの陰知っていると便利、勉強しましょう!

高浜川(たかはまがわ) 昔から水質汚染に悩まされてきた油ヶ淵。悪水を排出する目的で開削された新川の排水能力も限界に達し、新たな排水路として、 昭和10年(1935)、高浜川が竣功する。これにより、元来、高浜と地続きであった田戸の集落は、飛び地となってしまった。

次回予告です、お楽しみに!

黒塀の続く小径

第4回 「秋葉神社から見晴らせば」

久沓から来る古道が、大浜街道と合う地点には風雪を経た感のある店。ざらついた表面を持つ石垣のみが残された屋敷の跡。 それらに挟まれるようにして存在する小道を歩く。かつて往来した先人たちの匂いがどこか漂う雰囲気は、緩やかな時代の風情を求める旅人を満足させる。この道が大浜街道である。久沓から来る道の流れに乗るような軌跡を描く大浜街道、出会いと別れのある情景が浮かぶ。 遠くに見える緑は鎮守の森。本来は神明社であるが、地元の人々は「荒井の秋葉さん」と親しみを込めて呼ぶ。緑豊かな社を目指して大浜街道は進む。 ■ 第4回 「秋葉神社から見晴らせば」 へ

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