愛知県碧南市 本伝寺の山門を覗けば まるで絵画の世界 桜舞う贅沢な一日

春が来た!碧南の桜を見に行こう

本伝寺の桜は覗く

威厳ある山門から覗いてみれば桜の傘が 風が吹く度に感激の声が響き

山門から覗くと桜がチラリ

<覆い被さるように広がる大浜・本伝寺の桜。満開の時期を越えても楽しみある桜。花びらが風に舞い、境内が桜色一色に染まる光景は幻想的> 大浜・本伝寺の重厚な山門扉から、覗き見る一本の大きな桜の木。境内にはいると、 途端に風が吹き、桜色の花弁がクルクルと境内を舞い出す。本堂が丁度良い背景になり、”日本の美”とは、この事だろうか。 ブルブルと枝を振るわせ、絶えることなく楽しませてくれる桜。 境内という覆われた空間で、ただひとりの観客を持てなしてくれる。「そんなに頑張ったら、花弁がなくなっちゃうよ!」と思わず心配になる。 春の季節、大浜・本伝寺ではひとりで来た事を後悔する幻想的な世界が広がっている。

有名な赤灯籠に桜の傘

<赤い灯籠の後ろで健気に咲く一本の桜。灯籠のなかのお地蔵さん達も嬉しそう。ポカポカした春の陽気に妻薬師堂の縁側に座って楽しむ桜> 有名な赤灯籠後ろにある1本の桜。決して形がいいとは言えないが、ずっと昔から大浜の町の人の目を楽しませてきた。 丁度このあたり、入りくんだ旧市街特有の道が集まっていて、広場になっていて視界が開ける地点である。 乳母車を押すおばあちゃん達がここに集合する。御堂前の石段に腰掛け、桜をタネに話し込んでしまう。 ポカポカした陽気のせいか、桜色が反射するせいか、お顔はみなほんのりした色になっている。 たった1本だけれども、みんなを暖かい心にさせてしまう桜なのである。

二宮金次郎さん 「本伝寺」文亀元年(1501)創建 本尊は阿弥陀如来。 旧棚尾源氏の専光寺の渓玉法師は、蓮如に帰依して天台宗より真宗に転じ、本伝寺と称した。 盛徳年間(1711~1716)に現在の地に移る。本堂は文政12年(1829)に改築したもの。 境内の大きな銀杏の木はそのころに植えられたものである。

ヘボト自画像ヘボトの「落花枝に帰らず」

赤い幟と桜のある路地

「大竹観音前の桜」

「戦地で窮地に陥る兵士の命を救った」という奇跡に始まり、人々を救い続けた観音さんのいる大浜の「観音寺」。 大浜の民衆は親しみを込めて「大竹観音」と呼ぶ。その「観音寺」本堂の北には、昔ながらの鍼灸院ある情緒的な路地。 大浜港からの潮の香りも仄かに届く路地に咲く桜を発見。「奉納 魔除け地蔵尊」の文字が見える赤い幟にチラチラとそそぐ桜の花びら。 鍼灸院から出てくるおばあちゃんが幟の立つ前で足を止めた。 見上げてみれば、桜の花が満開。ヒラヒラと落ちてくる花びらは、おばあさんの押す乳母車の中へ。「こんな春も良いのかな」、ゆっくりと春の陽気は大浜に過ぎていく…。

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