自主防災組織における災害発生時の対応マニュアル

自主防災組織名:二本木連合町内会自主防災会)

平成26年4月   安 城 市

目 次

 

1 安城市地域防災計画の体系

 

2 避難所の開設基準

(1)地震災害時に避難所を開設する基準

(2)風水害時に避難所を開設する基準

3 避難所の体系

4 避難所への移動

(1)避難のプロセス

(2)一時避難地

(3)広域避難場所

5 避難所の運営における役割分担

6 避難所の開錠と鍵の保管場所

7 発災時において考えられる自主防災組織(避難者)の動き

(1)まずは自分の周りの人の生命・身体の安全を確保

(2)避難所の開設を準備する

   (資料1)避難者名簿一覧

   (資料2)避難者名簿

   (資料3)避難所におけるルール(案)


   (資料4)避難所運営委員会規約(案)


8 避難所生活の一日の流れ

 

9 避難所全体の業務とごとの業務

 

   避難所運営委員会

総務班      名簿班       食料班      物資班    救護班   衛生班     連絡広報班    誘導班

避難所運営にあたって全体的な留意点


 

 

マニュアル作成の趣旨

2011年3月11日に発生した東日本大震災は甚大な被害をもたらし、今なお各地に大きな爪跡を残しています。

東日本大震災による「震災関連死」は2,916人に上り(2013年9月30日現在・復興庁)、揺れや津波で助かった多くの命が「避難所」で失われました

避難所は災害救助法により地方自治体が開設することとなっていますが、実際の運営は避難者自身が行わなければなりません。過去の実際の災害現場でも、地域住民の主体的関わりが最も重要な教訓として指摘されています。

このマニュアルは、災害発生時に考えられる自主防災組織の動きに加え、避難所開設から避難所生活までのポイントがまとめられたものになっています。地域防災計画や避難所運営におけるポイントを、各地域に当てはめながら穴埋めをすることで、災害時における自主防災組織のマニュアルとして役立つことを願っています。

 

 

 

2 避難所の開設基準

1)地震災害時に避難所を開設する基準     

@東海地震注意情報

開設準備

A震度5弱・5強

状況により開設する

B震度6弱以上、東海地震予知情報または警戒宣言

開設する

(安城市地域防災計画 地震災害対策計画編)

 

(2)風水害時に避難所を開設する基準

@安城市にいずれかの警報が発表され、避難所開設の必要性がある場合

必要な避難所を開設

(公民館避難所から開設)

A上記に加え、市内で相当規模の被害または市域全域で大災害発生または発生するおそれがある場合、または特別警報が発表されたとき

すべての避難所を開設

(安城市地域防災計画 風水害等災害対策計画編)

 

3 避難所の体系

4 避難所への移動



 ・二本木連合町内地区周辺にある一時避難地

 養下公園  21300u   神楽山公園  4000u  長根公園  5000u 
 美園公園  8300u 中根公園  3200u 舞山公園  2200u 
坪田公園  1800u  二本木公園  3600u 緑公園  3100u 
 二本木公民館 310名   二本木小学校 270名   二本木保育園  
 みその保育園 80名         

(3)広域避難所(大規模火災等から一時的に避難するための大きな公園で市内3箇所)

安城公園・安城市役所  秋葉公園  総合運動公園 


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5 避難所の運営における役割分担

 

初動

展開期

安定期

撤収期

@避難所特命者

A地区スタッフ

・開錠

・施設安全確認

・避難者受け入れ

・名簿作成

・ルール策定

・配給

 

・運営委員会の立ち上げ

・避難者の振分け

・秩序維持

 

・運営委員会への協力

・復旧情報の提供

・避難所の集約

・撤収の呼び掛け

B施設管理者

・閉鎖後の

業務再開準備

C自主防災組織

D避難者

・運営委員会の自主運営

・秩序維持

・閉鎖への合意

形成

 


避難所の開設・運営にかかわる市職員

@避難所特命者 (避難所周辺に居住する市職員)

各自の担当する避難所の鍵を持参して、避難所の開錠・開設及び避難者の収容・保護を行う。また、公民館避難所の特命者は、管内の被害状況の情報収集を行う。一般避難所の特命者は、情報収集の協力をする。

一般的に1施設あたり2名が配備され、福祉センターは1名が配備される。

A地区スタッフ(地区制職員)

    各自が割り振られた地区の公民館避難所に参集し、その後、地区内の避難所に分散し、救助活動及び避難所特命者と同様の業務を行う。避難所安定後は、災害対策本部各班の業務を行うため、市役所等に移動する。

   地区によって人数に違いがある。
B施設管理者(避難所施設職員)

避難所特命者と同様の業務を行う。また、施設の管理を行う。

 

6 避難所の開錠と鍵の保管場所

・避難所の鍵は、避難所特命者(各避難所周辺に居住する市職員)又は施設管理者が開けます。

スペアキーの所在は以下のとおりです。

(1)施設内(職員室・事務室等)に保管

(2)公民館避難所に保管

二本木地区の場合は二本木公民館にあります。

(3)安城市役所(災害対策本部)に保管  

 

7 発災時において考えられる自主防災組織(避難者)の動き

(避難所特命者等と共に実施していただきたい業務)

               

(1)まずは自分の周りの人の生命・身体の安全を確保

 

救助・搬送・救護・安否確認

@まずは自分と周りの人の生命・身体の安全を確保し、事前に決めておいた避難地へ向かう。

A周辺での火災発生等により直接避難所へ向かうことができない時に、一時的に避難する場合は、最寄りの広域避難所へ向かう。

B人を救出する際に必要となる資機材は、各避難所にある防災コンテナ倉庫・防災資材倉庫の中や、公民館にある各自主防災組織の防災倉庫の中にある。

C安全に注意しながら避難場所である近くの避難所 へ向かう。

D家族や近所の人の安否確認をし、災害時要援護者の安否確認・避難誘導をする。

E負傷者の応急手当をし、重傷者は医療救護所 に開設される医療救護所に搬送する。(安城北中学校・安城南中学校・丈山小学校ほか)

 

避難所到着

@ 避難所特命者による避難所及び防災倉庫の開錠。

A避難所特命者が到着しない場合は、避難所及び防災倉庫のスペアキーが二本木公民館 にあるので取りに行く。

B災害対策本部(安城市役所)へ鍵を要求する。

※開錠した場合は、避難所特命者・施設管理者を中心に、防災行政無線その他の手段を使用して避難所の開設を公民館避難所へ連絡する。

 

施設の安全確認と2次災害の防止

@避難所特命者又は施設管理者を中心に、各建物や各部屋の安全性を巡視により確認する。

A危険と判断できる場所・安全と判断できない場所があれば、その場所は使用禁止とし、使用を禁じるために周知するなど必要な措置をとる。

B施設建物の安全性が確認できるまでは、避難者は屋外で待機する。

C必要に応じて応急危険度判定士の派遣を二本木公民館又は災害対策本部へ要請する。

 

(2)避難所の開設を準備する

 

被害情報・避難情報の収集と報告

@受付および本部を設置する。

A避難者は、避難者名簿一覧(資料1)へ記入し、避難者の人数・住所・避難者の状態等の把握に努める。

B避難所特命者が避難所周辺の被害情報や避難者情報を取りまとめて報告を行うので、避難者は協力をする。

C避難所に入ったら、より詳細な避難者名簿(資料2)を世帯ごとに作成し、全避難者分をとりまとめる。

 

避難所開設の準備

@避難者収容スペースの確保・施設の利用案の検討、各種ライフラインや放送設備の使用の可否を確認する。

A避難者の受入れと誘導を始める。

B避難所開設後は、速やかに避難所におけるルール(資料3)を掲示する。

C避難所運営委員会規約案(資料4)に基づき、避難所運営委員会の立ち上げに向けて話し合う。

 

記載例

(資料1)避難者名簿一覧

















記載例

(資料2)避難者名簿


           












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(資料3)避難所におけるルール(案)

避難所におけるルール

                                                                 

この避難所のルールは次のとおりです。

避難する方は、守るよう心がけてください。

災害対策本部 

1 この避難所は、地域の防災拠点です。

2 この避難所の運営に必要な事項を協議するため、施設の管理者、避難者などの代表からなる避難所運営委員会(以下「委員会」という。)を組織します。

 ・委員会は、毎日午前    時と午後    時に定例会議を行うことにします。

 ・委員会の運営組織として、総務、名簿、食料、物資、救護、衛生、連絡広報、誘導の運営班を避難者で編成します。

3 避難所は、電気、水道などライフラインが復旧する頃を目処に閉鎖します。

4 避難者は、家族単位で登録する必要があります。

 ・避難所を退所する時は、委員会に転居先を連絡してください。

 ・犬、猫など動物類を室内に入れることは禁止し、また、避難者に迷惑がかからないようしてください。

5 屋内の避難者で組を編成し、代表を選出してください。

6 職員室、保健室、調理室など施設管理や避難者全員のために必要となる部屋又は危険な部屋には、避難できません。

 ・避難所では、利用する部屋の移動を定期的に行います。

7 食料、物資は、原則として全員に配給できるまでは配給をしません。

 ・食料、生活物資は避難者の組ごとに配給します。

  ・特別な事情の場合は、委員会の理解と協力を得てから行います。

 ・配給は、避難所以外の近隣の人にも等しく行います。

 ・ミルク・おむつなど特別な要望は、           室で対処します。

8 消灯は、夜    時です。

 ・廊下は点灯したままとし、体育館などは照明を落とします。

 ・職員室など管理に必要な部屋は、盗難などの防止のため点灯したままとします。

9 放送は、夜    時で終了します。

10 電話は、午前    時から夜    時まで、受信のみを行います。

 ・放送により呼び出しを行い、伝言を行います。

 ・公衆電話は、緊急用とします。

11  トイレの清掃は、朝    時、午前    時、午後    時に、避難者が交替で行うことにします。

 ・清掃時間は、放送を行います。

 ・水洗トイレは、大便のみバケツの水で流して下さい。

12 飲酒・喫煙は、所定の場所以外では禁止します。なお、裸火の使用は厳禁とします。

13 ゴミは、分別して指定された場所に出してください。

14 各種伝達情報は、避難所の掲示板に貼り出します。

15 屋外避難者の皆さんも上記のルールを守ってください。

 

避難者の皆さんは、当番などを通じて自主的に避難所運営に参加してください。

※ 下線部は、任意に設定する。

※ 避難所設置後、速やかに掲示する。

(職員班別行動マニュアルより)

 

(資料4)避難所運営委員会運営規約(案)

        

         避難所運営委員会運営規約

 

(目的)

第1 自主的で円滑な避難所の運営が行われることを目的として、      避難所運営委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

 (構成員)

第2 委員会の構成員は、次のとおりとする。

  一 避難者で編成する「(避難者)組」の代表者

  二 行政担当者

  三 施設管理者

  四 避難所で具体的な業務を運営する班の代表者

2 前項の規定にかかわらず、(避難者)組の代表者数が多い場合には、互選により委員会への出席者を選ぶことができる。

3 委員会で承認されたときは、町内会、自主防災組織などの役員や継続的に活動するボランティア団体のリーダーは、委員会に出席し意見を述べることができる。

 (廃止)

第3 委員会は、電気、水道などライフラインの復旧時を目処とする避難所閉鎖の日に、廃止する。

 (任務)

第4 委員会は、避難所の運営に必要な事項を協議する。

2 委員会は、毎日、午前  時と午後  時に定例会議を行うこととする。

3 委員会は、具体的な業務を執行するために、避難者で編成する総務班、名簿班、食料班、物資班、救護班、衛生班、連絡広報班、誘導班及び必要となる班を設置する。

4 各運営班の班長は、第2条1項に基づき、委員会に出席する。

 (役員)

第5 委員会に、委員の互選による会長1名、副会長    名を置く。

2 会長は委員会の業務を総括し、副会長は会長を補佐する。

 (総務班の業務)

第6 総務班は、主として災害対策本部との連絡、避難所の管理、ボランティアの受入れ、マスコミ対応に関することを行う。

2 総務班は、避難所内の秩序維持に努める。

3 総務班は、避難所の消灯を午後  時に行う。ただし、体育館などは照明を落とすだけとし、廊下、職員室など管理のために必要な部屋は消灯しない。

4 総務班は、避難者の退所状況などを踏まえ、避難部屋の移動を定期的に行う。

5 総務班は、委員会の事務局を務める。

 (名簿班の業務)

第7 名簿班は、避難者の名簿の作成、管理に関することなどを行う。

2 名簿は、避難者の世帯ごとに作成する。

3 名簿班は、近隣の在宅被災者についても把握に努める。

食料班の業務)

第8 食料班は、避難所の救援食料の配給に関することを行う。

2 食料班は、公平性の確保に最大限配慮して配給を行う。ただし、緊急的に配給する場合は、委員会の理解と協力を得てから行う。

3 食料は、(避難者)組ごとに配付する。

4 食料班は、避難者以外の近隣の在宅被災者にも等しく食料を配給する。

 (物資班の業務)

第9 物資班は、避難所の物資の配給に関することを行う。

2 物資班は、公平性の確保に最大限配慮して配給を行う。ただし、緊急的に配給する場合は、委員会の理解と協力を得てから行うこととし、特別なニーズがある物資についてなど特別な要望については個別に対処する。

3 物資班は、避難者以外の近隣の在宅被災者にも等しく物資を配給する。

4 物資班は、不要な救援物資が到着した時は、受領を拒否する。

 (救護班の業務)

第10 救護班は、高齢者、障害者など特別なニーズのある被災者への支援を行う。

2 救護班は、避難所内の子どもの保育、活動の支援を行う。

 (衛生班の業務)

第11 衛生班は、トイレ、ごみ、防疫、ペットに関することなどを行う。

2 衛生班は、毎日、午前  時、午後  時及び午後  時にトイレを清掃する。

3 犬、猫など動物類は、室内以外の別の場所で管理していただく。

 (連絡広報班の業務)

第12 連絡広報班は、災害対策本部などと連携して、生活情報を広報する。

2 委員会の決定事項を避難者に伝達する。

3 電話の問い合せや避難者の呼び出しに関することなどを行う。

4 午前  時から午後  時まで電話の受信を行い、伝言を聞く。

5 午後  時まで、放送で電話のあった方の呼び出しを行い、伝言をする。

 (誘導班の業務)

第13 誘導班は、避難所周辺の交通整理を行う。

 (その他)

第14 この規約にないことは、そのつど、委員会で協議して決める。

   附 則

 この規約は、      日から施行する。

 

(職員班別行動マニュアルより)

 

 


 

8 避難所生活の一日の流れ

 時 

 

 時 

 

 時 

 

 

 

850

 

 

 

 時 

 

 

 

 時 

 

 時 

 

 時 

 

 時 

 

 

 

 

 時 

 

 時 

 

 時 

起床時間(この時間までは静かにしましょう)

 


朝食

 

避難所運営委員会の開催

・今日の予定の確認等

当番によるトイレ掃除・ごみ処理(朝)

 

一般避難所は避難所の状況を地区の公民館避難所へ報告する

公民館避難所は地区内の避難所の状況を取りまとめて災害対策本部へ報告する

 

災害対策本部からの通知等、伝達事項を避難者や周辺地区へ広報

 

 

 

昼食

 


当番によるトイレ掃除・ごみ処理(昼)

 

夕食

 

避難所運営委員会の開催

・一日の出来事・トラブル等の報告

・翌日の報告の準備

・翌日の予定の確認等

 

当番によるトイレ掃除・ごみ処理(夜)

 

就寝

 

消灯

 

【2日目以降】

1日のタイムスケジュールは、話し合って決め、それを避難所運営ルールとして反映させてください。

地区スタッフ(市職員)の業務が、他の避難所や災害対策本部との調整や避難所運営委員会との調整など避難所運営の後方支援を中心とすることができるように、避難所運営委員会の運営による避難所の自治を目指し始めてください。

 

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9 避難所全体の業務と各班ごとの業務

 





避難所運営委員会

各班の代表者及び地域の代表者(原則として町内会長又は、自主防災組織の代表者)、市職員等で構成する合議体で毎日定時に開催されます。

・自主的で円滑な避難所の運営が行われることを目的として設置する。

・委員会の構成員は、避難者で編成する「(避難者)組」の代表者、行政担当者、施設管理者、避難所で具体的な業務を運営する班の代表者・委員会は、避難所の運営に必要な事項を協議する。

・委員会は、具体的な業務を執行するために、避難者で編成する総務班、名簿班、食料班、物資班、救護班、衛生班、連絡広報班、誘導班及び必要となる班を設置する。

 

 

《各班共通》

  表示や看板は、大きな文字やイラスト、多言語やふりがなを付けるなど、誰が見ても理解できるように工夫し、目線よりも高い位置に掲げて目に付きやすいよう配慮しましょう

  避難者へ呼びかけて協力者を募りましょう。避難所運営には、中高生や大学生も大きな力となります。

  ルールは全ての避難者に周知・徹底しましょう。

  腕章(ない場合はガムテープ等で代用)などで担当班と担当者名を明確にし、周知しましょう。

  避難所には十分な資材が準備されていません。身近にあるものを創意工夫で代用し、対処できる知恵を身につけましょう。

総務班

避難所運営業務全般の取りまとめ、災害対策本部との連絡などを行います。

・主として災害対策本部との連絡、避難所の管理、ボランティアの受入れ、マスコミ対応に関することを行う。

・避難所内の秩序維持に努める。

・避難所の消灯を午後   時に行う。ただし、体育館などは照明を落とすだけとし、廊下、職員室など管理のために必要な部屋は消灯しない。

・避難者の退所状況などを踏まえ、避難部屋の移動を定期的に行う。

・委員会の事務局を務める。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  各班と総務班の調整・報告をよりスムーズにするために、班毎に無線を設置したり、連絡係を置くなどして状況把握に努めましょう。

  区割り表示はダンボール等で作り、見えやすい位置(目の高さ程度)・大きさ・安全性(つまずき、転倒防止)等を考えて設置しましょう。区割りごとに誘導係をつけるとよいでしょう。

  避難所では、通路と居住部分を目立つ色のテープ等で明確に区分しましょう。

  全体周知のために、避難所におけるルールを掲示しましょう。掲示の際には、文字を大きくしたり、複数個所に設置するなどの工夫をしましょう。

  避難所運営にはボランティアも大きな力になります。ボランティアに困りごとを伝え、炊き出し配膳や物資配給などをお手伝いしてもらいましょう。また活動するボランティアのコーディネート(人数・活動場所・活動内容等の調整)にも努めましょう。

  避難者を避難所内に受け入れする時に誘導する担当を決めておきましょう。

名簿班

避難者の受付、避難者名簿の作成及び管理、避難者の呼び出し業務等を行います。

・避難者の受付を行う。

・避難者の名簿の作成、管理に関することなどを行う。

・名簿は、避難者の世帯ごとに作成する。

・名簿作成班は、近隣の在宅被災者についても把握に努める。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  入退出時に、必ず受付が必要になることを徹底させましょう。受付周知は誘導班と連携して行うとスムーズになります。

  受付の各窓口の担当者をペアにするなど、複数人で対応するようにしましょう。(一人だけで受付をすると対応しきれません)

  受付場所はできる限り体育館付近に設置し、一般避難者とは別に段差がなく広いスペースに要援護者(けが人・病人、高齢者、障がい者、外国人、乳幼児・妊婦等)専用受付も作りましょう。

  受付窓口担当の他に、@受付場所全体を見て調整できるフリーの立場の人、A名簿の記入方法を常にアナウンスする人、B受付内容をまとめる人、C受付済みの避難者を誘導する人を設置しましょう。

※避難者名簿には2種類あります。入所時に氏名や住所などのみを書いてもらう『避難者名簿一覧』と、その後世帯ごとに詳細を記入する『避難者名簿』があります。どちらの名簿用紙も防災倉庫の中にあるプラスチックコンテナの中に入っています。

  避難者数を早期に把握するために、避難者には最初に『避難者名簿一覧』を記入してもらいましょう。場合によっては、書いてもらうよりも、受付の人が記入したほうが早いことがあります。その後、落ち着いてから世帯ごとに『避難者名簿』を書いてもらい取りまとめましょう。

一言アドバイス

  『避難者名簿』の様式を日頃から周知し、書き方に慣れておくことで、よりスムーズに受付を済ませることができます。(町内会で勉強会の開催や回覧板に添えるなど)

 

食料班

避難所食料の配給、不足食料の要請等を行います。

・避難所の救援食料の配給に関することを行う。

・公平性の確保に最大限配慮して配給を行う。

・食料は、(避難者)組ごとに配付する。

・避難者以外の近隣の在宅被災者にも等しく食料を配給する。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  炊き出し経験者にリーダーとなってもらいましょう。

  炊出しをスムーズに行えるように、受水槽や鍵の場所、給水の方法を事前に確認しておきましょう。

  炊き出し時にやけどや切り傷防止への注意喚起を行いましょう。

  炊出しに必要な物品、備品を前もって防災倉庫に準備し情報共有をしておきましょう。物品等がないときは、知恵と工夫で対処しましょう。

  極力節水に努め、排水もトイレに使うなど再利用しましょう。

  町内会事業開催時の折々に、炊出し訓練(ハイゼックスの使い方や効率的な調理・配膳方法)の練習・検討を重ね、炊出し体験者を増やしましょう。

 

 

物資班

避難所生活物資の配給等を行います。

・避難所の物資の配給に関することを行う。

・公平性の確保に最大限配慮して配給を行う。ただし、緊急的に配給する場合は、委員会の理解と協力を得てから行うこととし、特別なニーズがある物資についてなど、特別な要望については個別に対処する。

・避難者以外の近隣の在宅被災者にも等しく物資を配給する。

・不要な救援物資が到着した時は、受領を拒否する。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  物資は避難者へ平等に配布しましょう。しかし、数が足りない場合は避難者全体の理解や協力を得ながら、高齢者や子供を優先するなど最大限の配慮に努めましょう。

  町内ごとに代表者を決め、人数を確認し取りに来てもらいましょう。その際、漏れや重複が無いよう名簿で確認しましょう。※町内以外の人は、その中で代表者を選定しましょう。

  避難者への物資の配給や、在庫管理をスムーズに行うために、物資が届いたときに数量や種類・内容をメモしておきましょう。

  班でリーダー、サブリーダーを決め、班の拠点に常にどちらかが常駐し、班の意思決定をできるようにしましょう。

  屋内、屋外の両方に物資保管場所を確保しましょう。

  物資運搬には、リヤカーや台車を使用し、体に負担なく安全に運搬できるように努めましょう。

  防災・資器材倉庫に、在庫表通りの物が保管されているか、使用期限が切れてないかなど、定期的に確認しましょう。

一言アドバイス

  物資配布の際に避難所で出たダンボールの有効活用をしましょう。

 

救護班

負傷者への対応、災害時要援護者への支援その他避難者からの相談対応等を行います

・高齢者、障害者など特別なニーズのある被災者への支援を行う。

・避難所内の子どもの保育、活動の支援を行う。

災害時要援護者に配慮したスペースの確保を行う。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  体育館の出入り口近くに相談窓口を置きましょう。

  避難者の中から医療や福祉の経験のある人を協力者として募りましょう。(日頃から資格のある方の把握に努めましょう)

  車いすや押し車、杖などの利用者、視覚障がい者の誘導には担当者を決め、できるだけ平坦で障害物のない道を選びましょう。

  相談窓口では、常に体調不良者等を素早く把握し、対処できる体制づくりに心がけましょう。

  相談内容は個人情報なので、情報の管理に留意しましょう。

  一般の避難所には医療・福祉用具はほとんど備蓄されていないので、怪我の手当てや災害時要援護者に配慮したスペースの環境整備には、身近にあるものを活用しましょう。

  

(活用例)

・エアーパッキング(梱包用シート):保温・断熱効果が高くマットとして活用できる。

・段ボール:骨折時の添え木や間仕切り、マット等として活用できる。

・タフロープ:ものを縛るのに活用できる。

  必ず災害時要援護者に配慮したスペースを設置しましょう。

 

大人数での共同生活が困難な感染症患者、障がい者、乳幼児、体の不自由な高齢者などのために、専用の部屋を用意しましょう。使用する部屋はあらかじめ施設管理者と決めておきましょう。

 一言アドバイス

  要援護者と支援者が顔見知りであることで、安心感が生まれ、困りごとの把握や支援をスムーズに行うことができます。

 

衛生班

避難所衛生環境の管理等を行います

・トイレ、ごみ、防疫、ペットに関することなどを行う。

・毎日、午前   時、午後   時及び午後   時にトイレを清掃する。

・犬、猫など動物類は、室内以外の別の場所で管理していただく。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  トイレは、男女を分けるか、女性専用トイレを設置しましょう。

  既存のトイレは、直ちに使用禁止とし、その後、仮設トイレとして使用しましょう。

  汚物とゴミの処理の方法をルール化し、掲示や説明役を配置するなどして、全体への周知・徹底に努めましょう。

  ゴミは分別して(重ねられる物は重ねて捨てるなどの工夫も必要)、できる限り小さくまとめましょう。また、分別・回収方法の周知・徹底に努めましょう。

  簡易トイレ内に電灯はありません。トイレ利用の安全性を考え懐中電灯などを事前に準備しておくとよいでしょう。

  ペットは受付時に台帳登録をしてもらい、屋内は不可であることと飼い主が責任を持って管理をしてもらえるように説明しましょう

 

連絡広報班

避難者向け情報や各種情報の管理及び提供を行います。

ž   災害対策本部などと連携して、生活情報を広報する。

ž   委員会の決定事項を避難者に伝達する。

ž   電話の問い合わせや避難者の呼び出しに関することなどを行う。

ž   午前   時から午後   時まで電話の受信を行い、伝言を聞く。

ž   午後   時まで、放送で電話のあった方の呼び出しを行い、伝言をする。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  情報の伝達ルートを明確にしましょう。(各班→総務班→連絡広報班→避難者

  災害対策本部や避難所運営委員会、他の避難所等と上手に連携をしましょう。

  掲示物は複数個所に見やすく掲示しましょう。(絵を書いたり、赤や緑の原色を使って色分けをするなどの工夫をすることで、避難者により伝わりやすくなります)

  情報をホワイトボードや黒板に直接書き込むのではなく、付せんのように取り外し可能な方法で掲示することで、更新や整理がスムーズに行えます。

  停電時は備え付けのマイクが使用できませんので、乾電池で使用可能なワイヤレスマイク・スピーカーを用意するなどの対策をしておきましょう。

  安否確認専用の掲示スペースを作りましょう。

  掲示物には作成日時を記入し、更新時間が分かるようにしましょう。

 

誘導班

避難所周辺の交通管理等を行います。

・避難所周辺の交通整理を行う。

 

Ø  避難所運営訓練で得たポイント

  誘導員の指示に従って駐車してもらうようにしましょう。

  避難者でケガ人や病人がいた場合に、その人達を誘導する場所を避難所の入口付近に決めておきましょう。

  駐車スペース内での事故を防ぐため、一方通行のルールを守ってもらいましょう。

  車での避難者をスムーズに駐車場へ誘導するために、グランドをラインやカラーコーンを使って、事前に区分けをしておきましょう。自転車での避難者のことも考えて、駐輪場を設置しましょう。

  @避難者、A自転車、B車両、C車から降りてきた人に対するそれぞれの誘導係を配置しましょう。

 

 

避難所運営にあたって全体的な留意点

  避難者が「お客様」にならず、一人ひとりが積極的に行動しましょう。

  最低限のルールや秩序は守りましょう。

  様々な役割を班だけに任せるのではなく、互いに連携しましょう。

  子どもや高齢者、障がい者、アレルギー体質の方、日本語のわからない外国人など、災害時要援護者をみんなで見守りましょう。

  みんなで知恵を絞り、創意工夫して、少しでも快適な避難所運営に努めましょう

自主防災組織における災害発生時の対応マニュアル   平成26年4月作成

                 作成編集: 市民生活部 危機管理課 地域防災係

自主防災組織における災害発生時の対応マニュアル」に関して質問等がありましたら、危機管理課(0566−71−2220)までご連絡ください *

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