ゆめあるまち・・・
   

●義務教育費国庫負担金の廃止(三位一体改革)について

(1)三位一体改革とは・・・
 持続可能な国づくり、より住みよい社会作りのために、小泉内閣は、道路公団改革、郵政事業改革、三位一体改革など様々な改革を推進しています。
 この中で、三位一体改革というのは、より住民の視点に近いところでサービスができるよう地方分権をするため、国庫補助負担金の廃止、税源移譲、交付税の見直しという3つを同時に改革することを言うのですが、昨年の11月下旬に、その政府案が示されました。

 そして、この政府案の中には、義務教育費国庫負担金の削減についても記述があり、現在の義務教育環境を支えているものだけに賛否が渦巻いており、自分なりに、これまでの状況などをまとめてみました。

(2)義務教育費国庫負担金についてのこれまでの経過・・・
 地方六団体(全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会)は、より地方に合った教育環境の充実を図るために、義務教育費国庫負担金を廃止し、地方への税源移譲を求めており、その方法として、第1期分(18年度まで)は中学校の教職員の人件費、そして第2期分(21年度まで)は小学校の教職員の人件費分を削減(税源移譲)するように政府に要望しており、今回政府が提示した8500億円という額は満額の回答でしたが、その計算根拠は不明で、今のところ、かたちを整えただけとなっています。

(3)義務教育費国庫負担金とは・・・
 義務教育費国庫負担金とは何なのか、整理してみます。
現在、知立市にある公立(市立)小中学校の学校運営におけるお金の出どころを、大きく3つに分けると、

 @教科書・・・国からの無償交付。

 (義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律) 
  A学校などの施設・・・国と知立市が2分の1づつ負担。
 (義務教育諸学校施設費国庫負担法)
  B教員の人件費・・・国と愛知県が2分の1づつ負担。
 (義務教育費国庫負担法)

 であり、義務教育費国庫負担金というのは、Bのことを言います。

そして、16年度、国の義務教育費国庫負担金の予算は約2.5兆円で、国の地方公共団体向けの国庫補助負担金総額が約20.4兆円ですから、義務教育費国庫負担金は、全体の10%を超える大きなものとなっており、そうした意味からも、三位一体改革の大きな柱のひとつに据えられているのかも知れません。

(4)義務教育費国庫負担金廃止についての議論・・・
 義務教育費国庫負担金の廃止については、様々な議論が有り、まとめてみました。

(批判@)義務教育費国庫負担金の廃止が、教育の公費負担の廃止となり、教育の低下を招かないか。
(反論@)今回の三位一体改革の出発点は、日本は地方に対する国庫補助負担金が非常に多く、地方自治体の自主性が制約されていることから、地方が自由に使えるお金を多くするため、国庫補助負担金を廃止してそのかわり国税から地方税に税源移譲しようとするものなので、国が義務教育費国庫負担金を廃止すれば、2.5兆円分歳出が浮くが、その分の税収が地方に行くわけなので、国全体を見れば、教育の公費負担はプラスマイナスでゼロとなる。 


(批判A)国庫負担金が無くなって地方税に変ってしまったら、税収が少ない地方公共団体によっては、入ってくるお金が減って良好な義務教育環境が整わなくなるのでは。
(反論A)地方公共団体間の税源の不均衡を調整するためにあるのが地方交付税で、教育、警察、介護保険、生活保護など、法律に基づいて仕事はしなければならないのに、そのための税収が足らない地方自治体に対しては、今後も地方交付税は配分される。

(批判B)地方に任せるとまじめに教育をやらずに従来型の公共事業ばかりやるのではないか。

(反論B)小中学校の先生については、法律(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)で、各都道府県は最低でも40人学級になるように先生を雇ってクラス編成をしなければならない義務があり、義務教育費国庫負担金を無くしたからといって、50人学級や60人学級になって教育の質が落ちるようなことはできない仕組みになっている。

 以上の様に、制度的には、義務教育費国庫負担金の廃止により、直ぐには教育環境を取り巻く状況が大幅に変わってしまうのではないようです。

 むしろ、少しずつ地方の特性に応じた教育が取り入れられていき、教育の質を巡る地域間競争が行われることにより、教育の質は最終的には今よりも良くなるかも知れません。
 しかし、政治の舵取り次第では、教育の地域間競争に敗れていく地方自治体もきっと出てくることが予想され、勝組になれるよう、これまで以上に、政治をしっかりとチェックしていく必要があるように思われます・・・。