3日目・もう二つのさよなら…。

静岡


翌日の未明、午前4時30分ごろ、私を乗せた「出雲」は静岡駅に到着しました。
当然、私以外に降りた人は、ごくわずかしか居ませんでした。
それでも、最後だからということで、まだ暗いのに10人位のテツが撮影に来ていました。
私も先頭のヘッドマークを撮ってから、30分後ぐらいに来た始発列車に乗りました。

御殿場線・裾野駅


私は沼津で、停車していた御殿場線の313系に飛び乗りました。
当初の予定ではあきらめていたこの列車に乗れたことが、私に貴重な出会いを経験させてくれました。
途中、きれいな駅舎が目に入った裾野駅で途中下車しました。
そこでは駅舎だけではなく、こんなきれいな富士山も見れました。
この日は午後は曇ってしまったそうで、とてもラッキーでした。
富士山を意識したような水色の骨組みと白の羽目板で造られた跨線橋も、雰囲気に調和していました。

貴重な電車!しかも2種類!!


一通り駅舎を撮影してから構内に戻ると、ちょうどよく国府津側から115系1000番台の6両編成が入線しました。
東京近郊に残る数少ない湘南色の車両です。
115系が行った後しばらくして、次の列車の時間でもないのに、国府津方面の踏切警報機が鳴り出しました。
何事かと思ってカメラを構えて居ると、なんと、クモヤ145−100型牽引電車がやって来たのです!!
車体標記から読み取ると、JR東海所属車であることがわかりました。
まさかこんな貴重車両に会えるとは思っても見なかったので、写真を大量に撮りました。
もしかしたら電車区への送迎列車だったのかも知れません。

国府津駅の主

次の国府津行きの115系に乗って、国府津まで行きました。
これで御殿場線に乗るという目標は達成できました。
が、しかし、ここでも予定外の収穫がありました!
今度はクモヤ145−0が来たのです!!
こんな短い間に2種類のクモヤを見れるなんて、めったにありません!
このクモヤは間違いなく国府津電車区の送迎列車でしょう。
ちょうど職員さんが乗るところを撮影できましたから。

さようなら「本当の湘南電車」…


皆さんは「湘南電車」という言葉をご存知ですね。
もともとは緑色2号と黄かん色を最初に纏った80系電車に付けられた愛称でした。
その後、この色を纏った電車、特に湘南地方の113系を指してこう呼ぶようになったのです。
そんな「湘南電車」も今回の改正で引退してしまいました。
実は、私が一番悲しかったのはこの113系の引退です。
東京に18きっぷを使って旅行したときに、一番お世話になった電車だからです。
これから東京に行くとき、何を楽しみにすれば良いのでしょうか…。
さよならヘッドマークは3種類用意されたようですが、2種類しか撮れませんでした。


この地区の113系の特徴として、グリーン車の連結が特筆事項でした。
片方は2階建てグリーン車になっていますが、もう1両は昔ながらの通常型というのも魅力的でした。
鴨宮までのたった一区間だけでしたが、記念に乗車しました。
臙脂色のシートの座り心地と風格、そして落ち着きの良さは絶品でした。
松戸のエメラルドグリーンの103系と共に、一編成だけでも残してもらえないのでしょうか…。

伊豆急の薔薇・「トラン・バガテル」


鴨宮で113系普通列車を降車し、後から来た快速と伊東線の列車を乗り継いで、伊東駅まで行きました。
伊東線の列車は運よく「トラン・バガテル」フランス編成でした。
この列車は、「河津バガテル公園」の広告列車として、115系0番台を改造した列車です。
内外に「いかにもフランス」といった感じのデザインがあふれ、シートモケットもローズピンクでした。
しかし、写真でもわかるように、手入れがあまり行き届いていませんでした。
それに、もう1編成の「河津町編成」は引退させられてしまったようです。
東急からのステンレスの悪魔・8000系によって瀕死の状態に追い込まれたようで、少し悲しくなりました。
また、人が多くて座れなかったこと、そして先頭の景色がカーテンによって遮られた事が一番不満でした。
特に後者は、観光路線としてあるまじき行いです!
伊豆急よ!即刻止めるべし!!

さようなら「初代リゾート21」…


伊東駅に着き、伊豆急線の乗車券とお弁当を買ってから3番ホームに走りました。
そこにはすでに、今回のもうひとつの目的、「快速・さよなら初代リゾート21」が入線していました。
どうやら最後まで残ったのは、特別塗装の「黒船電車」編成だったようです。
混雑を予想していたのですが、中間車に関しては余裕で海側の席を取れました。
お弁当を食べながら、ゆっくりと終点の伊豆急下田までの旅を楽しみました。
写真はそれぞれ、左が伊東駅、右が伊豆急下田駅で撮ったものです。
初期車の特徴のひとつである、突き出した先頭連結器も見て取れます。


ここでリゾート21初期車ならではの車内設備を紹介しましょう。
それは、左写真中央、車内山寄りにある、ガラス張りのイベントスペースです。
なぜかこれだけは、後期車に受け継がれませんでした。
写真奥・海側の特殊形サロンシートは、後期リゾート21にも受け継がれています。
伊豆急下田から次の目的地、伊豆高原までも同じ列車に乗りました。
そのときは、必死にダッシュして先頭の展望席を取りました!
やっぱりこの車両に乗るときは、一回は前面展望を楽しみたいものです。
ただ、頭端式ホームの一番端にある駅舎から、6両くらいある列車の先頭までの猛ダッシュは、出来ればもうやりたくないです。
(つまり、6×20=120m以上もの距離になります。)
また、伊豆急下田駅は、どういうわけか発車直前まで改札口を開けないので、ちょっと不便です。

伊豆高原電車区特別公開!


初代リゾート21さよなら快速は、伊豆高原駅が終着駅となりました。
この駅にはとても大きな最新型公民館のような駅舎と足湯があることで知られています。
また、伊豆急の運用上の要となる伊豆高原電車区があります。
いつもはホームからと、一段上がって改札を出た足湯付近からの俯瞰しか見れません。
ところが、この日は特別で、電車区構内に入っての撮影会が催されたのです!
前述の足湯に入ってのんびりし、その後、電車区構内に入って撮影をしました。
即売会もあり、私は何を血迷ったか、「強風用の気象警戒板」(30cmほどの鉄の円盤)を買っていました。
これから200km以上の旅路が待ち構えていたというのに…。
(現在、社長室のアクセサリーになっています。)

身延線駅めぐり


伊豆高原を後にして、最後の締めくくりに身延線に行きした。
現住所から遠いこともあって、御殿場線と共に未乗線区だったのです。
まず、西富士宮まで行き、その後、入山瀬、富士根の順に回りました。
その中で印象に残ったのは、日の入り後の富士根駅でした。
この駅は未だに木造ホーム上屋、構内踏切、そして木造駅舎の3点セットが健在なのです!
夜になったこともあり、灯りに浮かぶ木組みのシルエットがとても印象的でした。
身延線の夜の部で絶対に外せない駅と言えるでしょう。


こんな感じで、今回の旅行は幕を閉じました。
結果的には本当に充実した旅でした。
しかし、心の片隅に暗く影を落とした淋しさ・悲しさは確かにあります。
願うことなら、「もう二度と会えないもの」に会いに行くのは最後にしたいのです。
しかし、そんなことを願っている間にも、世界は無情に動いているのです。
また近いうちに、2つの第3セクター鉄道の廃止が消えてしまいます。
だから、今度の夏も、お別れに出かける予定です。
せめて最期の輝きをこの目に焼き付けるために。
そして、心の中に永遠に保存するために…。


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