球根の大きさと花数の関係
球根が大きいほど花数が多くつきます。当たり前だといわれるかもしれませんが,では,どのくらいの大きさの球根ならいくつ花がつくかといわれると、その関係を明らかにしたデータはあまりありません。ちょっと調べればわかることなのですが、経験で片づけてしまっているようです。
球根の大きさは球根の重さや直径で表すのではなく,球根の周囲で表示することを知っておいてください。
たとえ大球でも鱗片をはがして小球にすれば花数が少なくなることが明らかになりました。
したがって球根を購入するときは、なるべく大球を入手したほうが花がたくさん咲きます。また、せっかく求めた大球でも乾くところに放置しておくと,外側の鱗片からしおれて小球となり着花数の少ない球根になってしまうので注意しましょう。
ユリの促成栽培
自然開花期より早く咲かせる栽培法で,普通は夏の高温によって球根が充実完成され,秋から生育が開始できる状態になるのが普通です。
しかし,10月〜11月促成用の球根は六月に早堀りするため、充分な高温を経過していない、つまり,休眠が未完了の状態です.この球根を低温処理すると、発芽してこない不発芽球となったり,発芽しても花がつかないプラスチングという現象があらわれたりします。そこで,人為的に球根に高温を与え、休眠を完了させてやるのが高温処理です。
高温処理方法
昔は温室内に球根を広げ、ビニールをかけるなどして,30℃に約1週間あわせる方法をとっていましたが,現在は高温処理が一般的です、45℃の温湯に1時間か50℃に30分間浸漬する方法です。処理は必ず温度と時間を守らねばなりません.
低温処理
ユリの球根にとって、冬の低温が生育と開花の原動力になるのだということは前に述べたとうりです。
ゆりにとって必ず必要な低温は、自然では11月下旬から12月下旬1月上旬までの低温でそれ以降3月までの低温は不必要な低温です。ただ、自然の気象が低温なので,春がくるまで強制的に活動できないでいるだけです。ユリに冬の必要な低温を人為的に夏から秋にかけて早く咲かせるのが促成栽培です.
低温処理方法
わずかに湿ったノコクズで包んで家庭用冷蔵庫に入れます。
低温処理方法の適正温度は,かっては0℃近い温度で処理されたこともありますが、多くの実験結果から現在では8℃で45日処理が一般的になりました。ただ,10月開花の場合のように高温期処理が終わり植付けなければならない場合は14℃で処理したほうが8℃で処理したものより開花期が早まるといわれています。