トルマリン
( Tourmaline / 電気石 )



大きくトルマリンとまとめましたが実際は多くの種類をもつグループです。
トルマリンの多くは花崗岩中に条線のある柱状結晶が単結晶もしくは、群晶で産出します。
実に多くの色彩を持ち固有の名称を持つ物も多く人気のある石です。世界中に産出し、
硬度は7.5で宝飾に適しています。
 
宝石の固有名称について大まかに紹介しておきます。(含、商取引名)

アクロアイト
無色
シベライト
紫色
ルベライト
赤色
インディコライト
青色
ドラバイト
黄〜褐色 
ショール
黒色
ベルデライト
緑色
カナリィー 彩度の高い黄色
パライバ 彩度の高い青〜緑色





様々な色調のカット石

トルマリンはカラーバリエーションの豊富な石なので自分の色を
探してみるのも楽しいですね。



エルバイト(リチア電気石)

最も宝石に使用される美しくカラー・バリエーションの多いトルマリンです。



        

左側はブラジル ミナスジェライス州産、右側はUSA・カリフォルニア州産です。



無色のトルマリン・・・アクロアイト




無色は希です。この石は色揚げかテリを良くする為
加熱処理された時にアクシデント的に色が飛んでし
まった珍しい物。技術者はビックリしただしょうね、
マニアは歓迎ですけど(笑)。 マダガスカル産



近年人気の彩度の高いイエローのエルバイト
カナリー・トルマリン


     


カット石(写真左側) 従来のイエローよりも蛍光色の華やかな色彩
をしており出始めは高価でしたが、現在は落ち着いた様です。

カナリーの原石(写真右側) この標本は本来柱状結晶であった
物が、長い間の侵食作用で母岩から外れカドが削られた水摩塊
となった物です。  カット・原石共にモザンビーク産



ピンク〜レッド(ルベライト)系のエルバイト

レッド(ルベライト)はピンクよりも幾分評価が高いと思いますが産出量の
違いでしょう エルバイトはクリーンとピンクが圧倒的に多いです。

       

ルベライト(写真左)とピンク・トルマリン(写真右)
*写真では殆ど同じ色相になってしまいましたが実際はルベライトの方が濃い色をしています。
上にまとめて紹介した写真の方が目視に近いと思います。



グリーン〜ブルー系のエルバイト




どちらもグリーンですが、鉄による物(左)と、
クロムによる物(右)で発色の違いがあります。

*左側をベルデライト、右側をクロム・トルマリンと呼ぶこともあります。


  

写真右側、現在手持ちのトルマリンの中では一番のお気に入りで
青味の強い緑色、ピーコック・グリーンと呼ばれるカラーです。
一般的な評価は高い物ではありません。


写真左側、こちらはまったくグリーンは入っておりませんので、正
統派?インディコライト。深いブルーのトルマリンは産出が少
ない様ですので比較的高価なカラーです。


彩度の高いネオン ブルー〜グリーンのエルバイト
パライバ・トルマリンと呼ばれ大変高価で人気のある宝石の一つです。


  

パライバの原石 ブラジル パライバ州産
左側は高さ60mm,中央は30mm右側は幅80mm



      

カットされたパライバ・トルマリン



ウォーターメロン
(すいか)の愛称で親しまれているタイプです。
でもパライバのは皮が青のでちょっと不味そう。

・  ・・

上の標本写真中央を方向を変えて撮影した物。

照明光りが結晶の横から入っていますので
細かなクラックが目立ちますが、正面から
見た場合あまり気にならないです。
グリーン味が強いですがパライバです。





ウォーターメロンとしては最も多いタイプなのですが、綺麗な物を探すのは
意外に苦労しました。これぞスイカ!この名前以外考えられませんね。



ドラバイト(苦土電気石)

彩度の低いイエロー〜ブラウンが多いトルマリンです。


     

写真左側 ブラウン、最も多いタイプです。 ブラジル産

写真右側 カナリー(エルバイト)の出現以前はイエローと言えば(ドラバイト)
が多かったのですが、イマイチ彩度が低く人気がありませんでした。しかしこ
の産地の物はスッキリした良い色、現在あまり出回ってはいませんが比較的
安価で魅力は高いので注目です。
最近マーケットに進出目覚ましいマダガスカル産





珍しいクロム発色のドラバイトです。弱いカラーチェンジもしますが、
ビミョーなんで写真では光源の条件違いくらいにしか表現できず
紹介できませんでした。

ケニア コースト産


        

原石標本 ブラジル産



ショール(鉄電気石)

以外に身近に産出し、標本は安価に手に入れることが出来ます。


   

実にありふれたトルマリンなのにカット石が珍しいのは黒い宝石は
需要が少ないうえ、もっと加工に適した石が幾らでもあるためです。
標本・カット石共にブラジル産



ウーバイト(灰電気石)

他のトルマリンと違い柱状にならず変わった形に結晶します。
地味な色合いで宝石としての魅力は無いのでカットされる事は殆どありません。


   


写真左側 母岩から分離された結晶標本
ブラジル バイア州 ブルマード鉱山産

写真右側 オーバル・カットされた石
カットされると他のトルマリンとは目視での判別はつきません。
スリランカ ラトナプラ産



トップへ
トップへ
戻る
戻る

トルマリンのちょっと突っ込んだ話
トルマリンのちょっと突っ込んだ話