俺は王子さま。

 

 

 


 



「キヨのことすきだよ?」


そう言いふわりと笑うちゃん。

いつも可愛いけど、ちょっと頬を赤くして、俯いた彼女がいつもより数倍可愛く感じて。


愛しくて、愛しくて、抱きついた。



「キヨのばか」


突き放されても、もう離さないから。


ちゃんだけの王子になっていい?」

「…オウジ?」

「うん」


ちゃんは、また「ばっかじゃないの」と呟きながら俺の襟足を引っ張った。

痛、いたたた!





俺はね、


君だけの王子になりたくて、



君の為だけに、


頑張ってきたんだよ。





なんて言ったら、重いかな?



「…なぁに?」

「ん、ちゃん可愛い」

「……キヨも格好いいよ」



「……!」



また「ばか」って返されるもんだって思ってたから、予想外の言葉にドキっとする。




これだからちゃんは…。


そんなに可愛いこと言うと襲っちゃうよ?




なーんてね。

俺はちゃんの嫌がる事はしないから。


約束するよ。

 

 

 

 

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