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板倉恵三子
★ 初めて手話のついた歌を見たのは、1992年、シャンソン歌手シャルル・アズナブールの名古屋公演でした。 『声のない恋』切ないほど、胸がいっぱいになりました。
フランス語もわからず、手話もわからず、それでも心に迫る切なさ、感動!
歌いたいと思った瞬間でした。
しかし、楽譜も手に入らず、日本語の歌詞もなく、焦るばかりのうちに月日は過ぎて行きました。
1997年の春、「声のない恋」のビデオが発売されますと載った新聞記事に早速注文。
その日からビデオを見ながらの独学が始まりました。
時を同じくしてこれも新聞紙上に手話辞典が発売されるとの事。 これも私にとっては嬉しい知らせでした。 この歌を歌いたいという想いがつよくなればなるほど、一曲だけでは見てもらえないと思いました。 難しいことには違いないけれど、なんとか他の曲も手話を付けたいと思い、一人での勉強が始まりました。
コンサートの3ヶ月前になって聴覚障害者の方に見ていただきました。
私の手話がわかるのだろうか? 思いが伝わるのだろうか?
見終わったその人は「よくわかるよ、嬉しい!手話を付けて歌ってくれるのね。」と涙を流されたのです。
そして、手話サークルの方々にお手伝いしていただき、 皆で手話をしながら歌うコーナーも設けて会場の皆様と歌いました。
会場が一緒になって手が動くさまは 本当に素晴らしいものでした。
★ 手話は、目を合わせ、向き合ってでなければ伝わりません。 また、手の動きだけでなく、顔、体 全ての表情が一つになって本当の表現が出来ます。
より深い表現ができるようになったと思います。
★ 私の心の中にある風景がそのまま伝わっていると思える瞬間が沢山あります。 音があるとか無いとか関係なくおなじ音楽を見ている、聞いている、体で感じていると思います。
目の見えない方々はじっと耳を澄ませて聞いています、 お耳のご不自由なかたがたはじっと見つめてくれます。
おなじ感情の中に浸っているのだと感じられます。
★ いろいろな場所で色々な方々に、手話コンサートを見ていただきたいと心から願っています。
同じ空間、同じ時間に、同じ想いを共有できるバリアフリーの音楽だからです。
音の表現する「言葉」「心」と手話の表現する「言葉」「心」と それにもまして体の全てから表現される「言葉」「心」を伝えていきたいと思います。
そして、いつも伝えたいのは 【愛】です。
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