議会運営委員会 視察報告書 星野雅春

1、                大阪府大東市

大東市は本会議での一問一答方式を採用しているばかりでなく、夜間議会、日曜議会を実施していて市民に開かれた議会づくりを取り組んでいる。夜間議会ではオープニングにフルートやオカリナのコンサートを開き親しまれる議会するための工夫と努力がされている。一問一答方式の採用は当初『とりあえずやってみる』という感覚で『試し』にやったということのようだ。この試しにやったというのは安易な取り組みではなくて実は周到な議論があった。大東市は人口13万人弱の都市であるが、市の面積が18㎢と狭く議員定数も17名でしかない。選挙に地域、企業という概念が存在していないところだ。しかも議員報酬が59万円と高く兼職している議員がいないということが特筆される。少ない議員であることや議会運営委員会で議論できなかったことなどを話し合う議会運営協議会を設置し議論で決められていくことができることが『決定がスピーディ』という効果をもたらしている。一般質問は毎回ほとんどの議員が参加するということも見習いたいものだ。 刈谷市議会の議会運営委員会では多数決の導入が提案されているが、議論を重ねて一致点を見出す努力を怠ってはならないという教訓としていい勉強となった。

2、                大阪府堺市

堺市議会は地方分権にふさわしい議会のあり方を調査審議する特別委員会を設置して議会改革を進めてきた。議事録検索システムの導入、手話通訳や要約筆記、議員の能力向上、意識改革にも精力的に取り組んでいる。この中で所属する常任委員会以外の委員として委員会での発言を認めていることに興味と関心を持った。前日までの委員長に質問項目を通告することで委員会の冒頭で委員に発言許可を求めることにしている。議員の発言を委員外委員として質問を保障していることが評価できる一方で、代表質問も一般質問も時間制限(119分、答弁別)があり気にかかるところだ。特別委員会は開催ごとに議長に報告されていて、改革しようとする議会の思いが伝わってくる。

3、                岡山県岡山市

岡山市では開かれた議会づくりを研修した。岡山市では開かれた議会を目指して、さまざまな広報媒体を利用して議会広報の拡充を目指している。刈谷市でも取り組まれているホームページ上での議事録閲覧、CATV放映、モニター放送に加え、点字版の『市議会だより』とカセットテープによる声の『市議会だより』を作成している。声の市議会だよりは図書館で活動する朗読奉仕の会の協力を得て作成している。議会の経費は190部作成して275,000円だという。岡山市でも議会活性化委員会を設置して議会改革に取り組んでいる。刈谷市議会の議会運営委員会で短い時間の中で議論しているが、中身は会派の態度を報告し合っているだけで、なかなか議論が深まらないのが現状だ。専門的にじっくり議論できる場を作るのも一考かと思う。     (文責 星野雅春)