西尾市茶業組合 EXPO
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概要
  土壌と肥料

 市内の茶園の中心地となった上町の立地性については、従来種々に説かれている。
茶の品質を左右する香気や味、また収量などは、温度、湿度、日射の強弱、日照時間の長短、土壌の水分の多少など気候の影響が大きい。
霜害が少ないことも大事である。
 土壌は一般的に古生層が茶の品質にとって最もすぐれ、中生層がこれにつぎ、第三紀層および洪積層のものはやや劣る(大石貞夫『茶の栽培』)といわれる。
具体的には、茶樹は樹齢の高いほど良質の茶が収穫できるといわれ、深根性の作物であるから根腐れを生じない土性であることが肝要である。
したがって、表土が深く、排水がよく、地下水が低いことが第一条件で、下層に礫を含んだ粘土または礫質壌土の地域での茶が生育がよく品質も良好である(愛知県農林部『茶の奨励』)という。
また茶樹の特性から土壌反応がPH五〜五・五の弱酸性の土壌が発育が最良という。
 市内上町の茶園は、碧海洪積台地上の「東西方向微高知」(『西尾市史』一14ページ)を中心にその周辺に分布している。
この茶園集団地周辺の土壌については、昭和十四年に愛知県農業試験場が調査している。
また、同場が昭和三十九年に実施した「地方保全調査」による上町の茶園の土壌分析の調査対象地点で採土した標本結果がある。
採土方法、採土地点が不明であり、しかも粒径測定(理学性)と全酸度(科学性)のみ、粒径は任意的な基準のため対比できなが、「非固結水成岩を母材とする洪積で、壌土〜粘質土地帯と非固結水成岩の水積砂土〜砂壌土の地帯があり、表土は二五センチメートル以上で深く、有効土層は一メートル以上で礫は少なく、保肥力中、透水性中〜大、塩基状態中〜不良でほぼ平坦地土壌である」(愛知県総合農業試験場茶研究室「茶園土壌の現状と改良案」)と述べている。
 表土や有効土層が深いことは茶の栽培地として重要である。
上町の茶園の土壌の理学性は、新城、豊田、豊橋の各市、田原、吉良町等県下の他の茶業地と比較すると礫含量は最も少なく、粒径組成では粗砂が下層に多く透水性をよくしている、粗砂は上層、下層とも特に多いの三点が指摘されている。
三相分布の固相とは標本中の水分を取った土の割合、液相は水分の割合のことである。
気相はいわば隙間で、これらは有機質肥料を施用することによって改善できる。
 上町の茶園の土壌の化学性については、PH値は低いが、最近ではかなり酸性化が進んでいるという。
置換性塩基の状態は中ないし不良と指摘されている。
今後の茶業者の肥培管理の徹底が期待されよう。

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