メダカにとって天敵は誰だ

めだかにとって、最大の敵は、人間かもしれない。

 ほ場整備、道路の建設、住宅開発、外来魚の移入、熱帯魚のえさとしての捕獲など、 めだかだけでなく、すべての水性動植物に大きな影響を与えている。 中でも最悪なのが、外来魚の移入と熱帯魚などのえさとしての捕獲である。
   
 めだかにとって、外来魚の移入で一番の問題となっているのは、 カダヤシの存在です。上の写真がカダヤシです。この写真はメスです。 めだかによく似ていますが、背びれと尻びれがちがうので、すぐにわかります。 上から見ると、めだか特有のVマークがないので、区別はしやすいと思います。 この魚はボウフラ退治に、アメリカより移入されたものです。 ところがこの魚は、めだかと同じで、ボウフラはゆすり蚊くらいしか食べません。 ヤブ蚊などのボウフラは、なぜかあまり食べないのです。話がちがうよね。 めだかとちがうところは、めだかは水草がないと繁殖できませんが、カダヤシには必要はありません。 しかも、めだかなどの卵や稚魚を主食として食べるところにあります。 ときには親でさえ攻撃して食べてしまうこともあり、現在カダヤシの生息地域で水草のない所では、 めだかは絶滅の危機に瀕している と言っても過言ではありません。しかも、カダヤシだけを捕獲、隔離することは不可能であり、 めだかの絶滅は時間の問題だと思う。今現在も、ため池などにカダヤシが放流されているようで、 新しいため池や用水でも、カダヤシを見つけることができます。
   
 つぎに、めだかの生息域の変化でしょう。農地のほじょう整備が行われても、 わずかではあるが生息できる場所は残ります。でも宅地開発や、道路建設、 河川のコンクリート護岸工事の推進、用水の地中化などで、めだかだけではなく、 すべての淡水生物の生きていく場所を、奪ってしまっているのが現状です。

以上の理由で、 人間が最大の天敵 ではないかと思っています。

 誰が言った言葉だったか思い出せませんが、こんな言葉を聴いたことがあります。
 『自然の楽園を見つけた、そしてそこには 人間 はいなかった』

 1990年ごろより、都市開発や治水対策の方向性が変わってきつつあります。 都市開発と治水対策に加えて、環境対策が一体化した開発が、取り入れられてきているからです。 それが治水対策をかねた 親水池のある都市型公園と、 河川の自然石石組み による治水工事です。
  安城市の 親水池のある都市型公園ここだけ!!
 これが後30年、いや、 ヨーロッパ並みの20年 早ければ、日本にカダヤシの移入は、なかったかもしれない。 環境に関しては、日本は欧米諸国と比べて20年以上遅れている、と言われている。 でも、遅れているなら学べばよいし、取り入れていけばよい、と思っています。 過去を振り返る事も大事な事ですが、これからどうやって進めていくか、 の方がもっと大事ではないかと思います。



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