2004年夏号 「緊急特集!! お年寄りを熱中症から守る」
半年ぶりのご無沙汰でした! 健康に関するトピックスをとりあげて、やさしく解説する「ぷち健康講座」。猛暑が続く今年の夏。特に高齢の患者さんは、自分自身で室温の調節がうまくできないことから、熱中症にかかる危険が高くなっています。今回は緊急特集として、夏の暑さからお年寄りを守るポイントをご紹介します。介護にかかわるみなさまは必読です。
熱中症(夏ばての重症型)を防ぐポイント
★ 寒暖計を買って、患者さんのベッドの側や居室におきましょう。 → 28℃以上になったら要注意です。
★ 水分をたくさん飲みましょう。
・暑いときには汗などから水分を多く失いますの水分を補う必要があります。
・ただしカフェインを多く含む飲み物やアルコールは、利尿作用などにより逆効果なので注意してください。
・麦茶、スポーツ飲料などがおすすめです。
・汗をかきすぎたら塩分の補給も必要なので、コップの水にひとつまみの塩を入れたものを飲んでもOK。
★ 外出、運動、屋外での作業は、炎天下や真昼は避け、朝や夕方のすずしい時間にしましょう。 → 炎天下の草取り、お墓の掃除は自殺行為!
★ 服装にも注意しましょう。 → 一般的には合成繊維より木綿の衣類が良いでしょう。また濃い色は熱を吸収するので避けるのが賢明です。
★ 直射日光の入る窓には、遮光のカーテンやブラインドをつけましょう。
★ 居室にエアコンのない方は・・・
・風が通るように、部屋の対角線の位置の窓や扉を開けて、通気口を工夫しましょう。
・一番暑い時間帯、2時間以上は涼しい場所に避難しましょう。 → (例)エアコンのある部屋、友人宅、図書館、公民館、スーパーなど
・夜間も窓や扉などの通気口を開けましょう。
・できればエアコンを買いましょう。
★ 居室にエアコンのある方は・・・
・28℃を越えたらエアコンを積極的に使いましょう。
・夜間も室温に注意し、必要に応じてエアコンを使いましょう。
・ 「ドライ」をうまく使いましょう。
◆◆◆ エアコンと上手につきあう ◆◆◆
お年寄りは暑くてもエアコンをつけるのを嫌われることが多いと思います。しかし、「クーラー」と呼ばれていたむかしの時代とは違って、最近のエアコンは体に優しく、冷えすぎないように出来ています。ただし、設定温度を過信するのは危険です。必ず寒暖計で室温を確認して温度調節することが必要です。エアコンを上手に利用して、猛暑を乗り切ってくださいね。
(本稿は神奈川県の開業医である内山富士雄先生が、TFCメーリングリストに発表された「熱中症予防のハンドアウト」を骨子として、一部改変を加えたものです。)
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