月刊ぷち健康講座

2003年4月号 「プリン体のひみつ  - 尿酸値にご注意を -」

 健康に関するトピックスをとりあげて、やさしく解説する「月刊ぷち健康講座」。今月はダイエット用発泡酒の発売で注目されているプリン体と、尿酸値、痛風の関係についての話題です。


 近頃、街で話題の「プリン体」って知ってますか。「ぷりんからだ」ってなに?プリンを食べすぎたひとのからだ?プリンプリンとしたボディのこと?いいえ、もちろん違います。「ぷりんからだ」ではなく、「ぷりんたい」と読むのです。プリン体のことをよく知らなくても、プリン体を大幅にカットした、「キリン 淡麗 アルファ」や、「サントリー ダイエット 生」などの発泡酒のコマーシャルを見たことがあるでしょう。

 体内の新陳代謝により、細胞の核からできる物質が「プリン体」であり、これが「尿酸」のもとになるのです。尿酸は尿や便から体外に排泄されますが、生産の過剰や排泄の低下がおきると血液中の尿酸値は上昇します(この状態を「高尿酸血症」と呼ぶ)。尿酸値は男性で7.0mg/dl、女性で6.0mg/dl以上に上昇すると要注意。8.5mg/dl 以上になると「痛風」という病気をおこす危険が高くなります。

 痛風とは「風に当たっても痛む」ほどの激痛が、足の指の付け根などに発生する病気で、尿酸がからだのあちこちでたまって結晶をつくるためにおきるものです。また、血液中の尿酸値が高い状態が続けば、痛風以外にも、腎機能の低下や尿路結石をひきおこしたり、動脈硬化による心臓病や脳梗塞がおこりやすくなるなど、様々な合併症が発生してきます。

 高尿酸血症のひとは、@プリン体を多く含む食品をとりすぎない、A減量して肥満を解消する、B水分を十分とって尿酸を排泄させる、Cアルコールを飲む量を減らすなどの生活習慣の改善が必要であり、尿酸の排泄を促進する薬剤や、尿酸の産生を抑制する薬剤を服用していただく場合もあります。

 プリン体を多く含む食品には、エビ、肉(特に肉の煮汁)、イカ、レバーなどですが、アルコールのなかではビールに多いために、ビールをたくさんのむひとは尿酸値が上がりやすいというわけです。下の表をみていただくとわかりますが、アルコールのなかで、比較的プリン体含有量が少ないのは焼酎とウイスキーです。

 <アルコール飲料100g中に含まれるプリン体の含有量>

 ● ビール 4.35〜6.86mg
 ● ウイスキー 0.12mg
 ● ブランデー 0.38mg
 ● 焼酎 0.03mg
 ● 日本酒 1.21mg
 ● ワイン 0.39mg

 (キリン 淡麗アルファ 350ml中のプリン体含有量は0〜1.2mg:キリンホームページより)

 こで開発されたのがプリン体をカットした発泡酒です。従来の発泡酒と比較して、サントリーのダイエット生では50%、キリンの淡麗アルファに至っては何と90%もプリン体の量をカットした製品となっています。(開発にはかなりの苦労があったようです。淡麗アルファホームページの「開発ストーリー」をみてください。)

 さて、それではビール大好きで尿酸値も気になるわたしが、このプリン体カットの発泡酒2品目を試飲してみることにしましょう。グビグビグビ、プハー・・・ (東海林さだおのエッセイ風になってしまった)

                                  

            <サントリーはプリン体50%カット!>            <キリンはプリン体90%カット!!>

 わたしはエビスのびんビールを毎晩愛飲しているせいか、発泡酒をのむとライトに感じられますが、どちらも特に味や香りに問題はなく抵抗なく飲めました。これなら、健康のためにプリン体の多いビールから切り替えてもよい??

 



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