月刊ぷち健康講座

2003年6月号 「手洗いはむずかしい」

 健康に関するトピックスをとりあげて、やさしく解説する「月刊ぷち健康講座」。今月はSARSなどの感染症予防に大切な手洗いの話題です。


 唐突ですが、みなさんはどんなふうに手を洗っていますか?外出から帰った後や、食事の前に手を洗う、あまりにもあたりまえな日常的な行為ゆえに、ほととんど無意識に行っている手洗いですが、特に正しい手洗いのしかたを教わった経験のあるひとはほとんどないと思います。
 最近、医療の現場ではこれまで以上に手洗いの重要性が強調されています。SARSなどの感染症の蔓延を防ぐのも、院内感染や食中毒を防ぐのも、すべて正しい手洗いが基本です。わたしたち医療職は医学校や看護学校で、「手洗い実習」と呼ばれる教育を受けますが、手術室に入室する際に行う最も厳格な手洗いをしても、手に付着した細菌類を完全に除去するのはむずかしいと言われています。いかに洗い残しの部分をなくすかということがポイントになるわけですが、現在医療職に推奨されている手洗いの手順をご紹介することで、「感染予防の基本は正しい手洗いから」ということを理解して、みなさんもぜひ実行してください。(手洗いのイラストおよび文章は、住友製薬「ヒビスクラブ資料:手洗いはこのように」から引用しました。)

< 正しい手洗いの手順 >

★ 手洗いをはじめる前に: 爪は短く切る、指輪やブレスレットもはずすこと



1) 流水で十分に両手をぬらします。手首の上5cmくらいまでぬらしてください。
2) 消毒剤や液体石けんを手のひらに取り、泡立てながら60秒間もみ洗いします。



★ もみ洗いのポイント

3) 両手のひらをよくこすりましょう。
4) 手の甲もよくこすり洗いしましょう。



5) 指先はとくに入念に洗いましょう。
6) 指の間もくまなく洗いましょう。



7) 親指と手のひらもていねいに・・・
8) 手首も忘れずに・・・



9) 指先を上に向けて流水で洗い流します。

★ 洗ったあとも要注意: せっかくきれいになった手を汚れたタオルでふくなんてすべて台なし。
紙タオルかよく乾燥した清潔なタオルでふきましょう。


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