《硫黄岳・峰の松目》  Motaのホームページ
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硫黄岳・峰の松目

硫黄岳・峰の松目マップ
硫黄岳 (いおうだけ):2,760m
 峰の松目 (みねのまつめ)
       :2,568m  

◆所在地:長野県茅野市、南牧村      
◆山行日:2019年 6月18日(火)
◆メンバー:単独

〔登山コース〕
桜平駐車場(中)―(10分)→桜平ゲート―(25分)→夏沢鉱泉―(45分)→オーレン小屋(休憩5分) ―(35分)→ヒュッテ夏沢(休憩20分)―(60分)→硫黄岳山頂(休憩40分)―(10分)→赤岩の頭 ―(30分)→峰の松目のコル―(20分)→峰の松目山頂(休憩20分)―(15分)→峰の松目のコル―(20分)→ オーレン小屋(休憩10分)―(30分)→夏沢鉱泉―(15分)→桜平ゲート(10分)→桜平駐車場
〔所要時間〕
総時間=7時間00分
歩 行=5時間25分
休 憩=1時間35分

〔距離と山のしんどさレベル〕
  12.5km(24,000歩) ★★★☆☆ 

もし、本文および写真の山座同定に誤りがあったらお許しください。


  八ヶ岳について深田久弥は、 詮索好きな人のために、その八峰と称せられるものを挙げれば、西岳、編笠岳、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、 横岳、硫黄岳、峰の松目だ、と言っています。
北八ッも含めて八ヶ岳の主な山は登ったつもり ですが、峰の松目は未踏でした。 八ヶ岳好きにとって一つ残っているというのは気持ち的にすっきりしないので遅ればせながら 行ってみることにしました。 主稜から外れたところにあり、展望もないと聞くので峰の松目は上遇の山かもしれませんね。
この日の計画は、桜平駐車場からオーレン小屋、夏沢峠を経て硫黄岳に登り、峰の松目に立ち寄って 戻ってくる半周回コースです。
桜平無料駐車場は、上・中・下とありますが、トイレもある中の駐車場を利用しました。

『峰の松目』とは何とも奇妙ななまえの山です。 調べてみましたら、 yama-ariさんというヤマレコユーザーの方の説は、 美濃戸、夏沢から伸びる三本の尾根が峰の松目に向かって集結している。この地方の方言で、まとめる ことを『まつめる』ということからではないかというもの。 もう一つは、ヤマケイアルペンガイドの説だそうですが、 『峰で待つ女』→『峰の待つ女(め)』というもの。 女人禁制だった時代に、峰の松目までは女性でも登れたから、ここで待っているという意味でつけたのではないか だそうです。 本当のところはわかりませんが。

〔桜平駐車場(中)への行き方〕
諏訪ICから国道299号線に入って北上。福沢工業団地入口を右折して唐沢鉱泉・夏沢鉱泉方面へ進む。 林道に入ってじきに唐沢鉱泉と夏沢鉱泉(桜平)方面へのY字路がある。桜平へは右の道をとる。


桜平駐車場(中)

桜平駐車場(中)は40台くらい駐車できます。
平日でしたが朝8時25分に到着したとき6割ほど埋まっていました。
身支度してすぐ出発です。

桜平駐車場(下)は広いけど遠い。桜平駐車場(上)は10台程度しか駐車できない。

〔桜平駐車場(中) 発=8:35〕
桜平ゲート

出発して10分弱で桜平ゲートまで来ました。
ここが登山口ということでしょう。

〔桜平ゲート=8:45〕
夏沢鉱泉

桜平ゲートからは砂利道とコンクリート舗装の道を歩いてきました。 登山道ではありますが、夏沢鉱泉への車道なのでしょう。

ここに登山ポストがありますが私はネット〔ながの電子申請サービス〕で提出済みです。

〔夏沢鉱泉=9:10〕
八ヶ岳らしい登山道

夏沢鉱泉から新緑の登山道を行くと、やがて針葉樹林の苔むした道に変わります。 八ヶ岳らしい雰囲気の道ですね。

オーレン小屋

若い男女二人連れのあとについていいペースで歩いてきました。
到着したオーレン小屋のベンチで何組かの人たちが休んでいたので私も小休憩とします。

〔オーレン小屋 着=9:55〕
夏沢峠へ向けて出発

さて、登山はこれからです。休憩もとったので夏沢峠へ向けて出発しましょう。

〔オーレン小屋 発=10:00〕
夏沢峠への道

夏沢峠へは石の多い山道に変わります。
ヒュッテ夏沢

夏沢峠のすぐ南にあるヒュッテ夏沢まで登ってきました。
南側に爆裂火口壁を持つ硫黄岳がそびえています。ヒュッテ夏沢からの標高差は約370m ですがもっとあるような感じがする景色です。

〔ヒュッテ夏沢 着=10:35〕
硫黄岳への道

ヒュッテ夏沢で早い昼食にして硫黄岳へ向かいます。 最初は樹林帯の道でした。

〔ヒュッテ夏沢 発=10:55〕
振り返って見る箕冠山

10分ほど登ると樹林帯を抜け視界が開けてきました。 振り返ると箕冠山(みかぶりやま 2,590m)、右下には先ほどいたヒュッテ夏沢が見えます。
峰の松目

さらに登ると、硫黄岳に登ったあと行く峰の松目が右手に見えてきました。 八ヶ岳の一峰という存在感を示しているようです。

山頂へ続く大きなケルン

右上の硫黄岳山頂へ向かって続く大きなケルンが点々と見えます。
岩がごろごろした道を登ります。写真ではなだらかな道に見えるかもしれません。 しかし、実際はしっかり急登でした。

硫黄岳の火口壁

爆裂火口壁がよく見えるところがありました。
荒々しい硫黄岳です。

振り返る蓼科山・天狗岳・箕冠山

休憩がてらに写真ばかり撮りながらさらに登ります。
一番奥に蓼科山、中ほどの双耳峰が東西の天狗岳、手前のなだらかな山が箕冠山ですね。

硫黄岳山頂

夏沢峠からちょうど1時間で硫黄岳山頂まで登ってきました。 55年前に黒百合ヒュッテから赤岳まで縦走した時以来の硫黄岳再訪です。
石を全面に敷き詰めたような広い山頂は昔と変わりません。

〔硫黄岳山頂 着=11:55〕
火口頂にある硫黄岳最高地点

山頂から東の方を見ると爆裂火口の上辺が弓なりに続いています。 硫黄岳の最高地点(2,760m)はこちらなので行ってみることにしました。

最高地点から見る山頂

硫黄岳の最高地点は写真のこの岩だと思われます。ただし、危険なので立ち入り禁止。
奥に見えるのが山頂の標識が立つ硫黄岳山頂。
硫黄岳山頂から見た赤岳

ところで硫黄岳山頂から見る赤岳、横岳、阿弥陀岳の三連峰は見ごとなものです。
が、赤岳と阿弥陀岳の頭に雲が・・・。
しばらく粘りましたがこの写真が精いっぱい。 残念ですがもう一つの山・峰の松目へ行かなければなりません。
赤岩の頭、峰の松目へ

意を決して赤岩の頭(2,656m)と峰の松目(2,568m)へ向かうことにします。

〔硫黄岳山頂 発=12:35〕
八ヶ岳キバナシャクナゲ

下り始めたところでクリーム色の花を見つけました。 ハイマツの中に紛れて咲く国指定天然記念物の八ヶ岳キバナシャクナゲでした。

峰の松目を見下ろす

岩場・ザレ場を下り始めると峰の松目が見下ろせます。
手前にあるのが赤岩の頭ですね。
天狗岳と根石岳

下りながら北の方を見ると天狗岳がさっきよりきれいに見えました。
西天狗岳(左 2,646m)、東天狗岳(2,640m)。その手前に根石岳(2,603m)があります。
赤岳、阿弥陀岳見えたー

さらに下ってくると、雲隠れしていた赤岳と阿弥陀岳が見えてきたではありませんか。
願いが叶いました。 左から横岳(2,825m)、赤岳(2,899m)、阿弥陀岳(2,805m) と並びます。

赤岩の頭から見た硫黄岳

硫黄岳加太下った鞍部に分岐があり、オーレン小屋に下るルートがあります。
この鞍部から少し登り返したところが赤岩の頭です。 ここから振り返ると先ほど登ってきた硫黄岳がよく見えていました。

〔赤岩の頭=12:45〕
峰の松目のコル

赤岩の頭から西へ下り、樹林帯の中を歩いてくると案内標識がありました。
峰の松目のコルで、右へはオーレン小屋への道です。
直進して峰の松目へ向かいます。

〔峰の松目のコル=13:15〕
峰の松目への急登

コルから山頂までコースタイムはわずか20分。
ところがどっこい、とんでもない急登。『ボーッと歩いてんじゃねぇよ!』といわれた感じ。 距離は短いものの長い行程を歩いてきたあとここを登るのは堪えます。写真では急登を実感してもらえないのが残念。

峰の松目山頂(2,568m)

休み休みながら急登をこなし山頂までやってきました。
八ヶ岳の一座というには眺望もないし見劣りする山頂でした。 ともあれ急登でおなかがすいたので追加の昼食をとって下山します。

〔峰の松目山頂=13:35~13:55〕
急坂途中からの眺望

展望が開けない山頂の峰の松目でしたが帰りの急坂の途中で1ヵ所だけ樹間の眺望がありました。
写真左は硫黄岳、右は赤岳と阿弥陀岳ですね。

〔峰の松目のコル=14:10〕
オーレン小屋

夏沢峠、硫黄岳、峰の松目と時計回りに周回してオーレン小屋まで戻ってきました。
ここで最後の休憩をとり下山します。

〔オーレン小屋=14:30~14:40〕
駐車場に戻る

オーレン小屋からは往路を戻ります。
桜平中駐車場までちょうど7時間で帰ってきました。今日1日、12.5km、累積標高差1,100m の行程でした。

〔夏沢鉱泉=15:10〕
〔桜平ゲート=15:25〕
〔桜平中駐車場 着=15:35〕
 登り残していた峰の松目に行ってくることができ、八ヶ岳8岳踏破ができました。
峰の松目は展望がないと聞いていたので硫黄岳を加えて周回するコースはちょうどいい山行行程だった と思います。八ヶ岳らしい森の道、ガレ場の急登、55年前と変わらない硫黄岳の爆裂火口と遠望、 びっくり急登の峰の松目など変化のある山歩きを楽しんでくることができました。 思ったより雲が多かった感じですが梅雨さなかの晴れ間ですから許容範囲だったと思います。 八ヶ岳、いつ来てもいいですね。


     

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