《医王山》  Motaのホームページ
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医王山(奥医王山・白兀山・蛇尾山)

マップ 医王山 (いおうぜん 奥医王山):939m


◆所在地:富山県南砺市・石川県金沢市     
◆山行日:2020年 6月21日(日)
◆メンバー:単独

〔登山コース〕
堂辻登山口駐車場―(25分)→鳶岩展望地―(15分)→渡渉―(5分)→カニの横ばい(入口) ―(10分)→カニの横ばい(出口)―(10分)→三蛇ヶ滝―(10分)→大沼(おおいけ 休憩10分) ―(5分)→鳶岩分岐―(25分)→鳶岩(休憩15分)―(20分)→覗分岐(覗乗越) ―(30分)→西尾平分岐・展望地(休憩5分)―(5分)→白兀山山頂(休憩10分)―(5分)→分岐―(20分) →蛇尾山山頂―(10分)→夕霧峠(休憩10分)―(10分)→見返りの大杉―(20分) →奥医王山山頂(休憩45分)―(10分)→龍神池―(5分)→見返りの大杉―(10分)→夕霧峠 ―(10分)→休憩所―(15分)→国土原休憩所―(10分)→堂辻登山口駐車場

〔所要時間〕
総時間=6時間20分
歩 行=4時間45分
休 憩=1時間35分

〔距離と山のしんどさレベル〕
★★★☆☆  10km(19,500歩)
累積標高差=600m 
  もし、本文および写真の山座同定に誤りがあったらお許しください。


 昨年同様今年も年間36回の山行で60座に登ろうと思い、年初に登りたい山を選択し大半の計画書も 作成しました。出だしは順調に山行をこなし3月までに17座に登ってきました。 ところが周知のとおりの新型コロナによる自粛があって山行も頓挫していました。それもようやく県外移動が OKとなり先日の金剛堂山に続き計画を温めていた中から加賀の医王山へ行くことにしたわけです。
医王山は白兀山、奥医王山、前医王山などの山塊の総称だそうで 地元で人気の山です。そのため登るルートもたくさんありますがせっかく行くので シンボルともいえる鳶岩(トンビ岩)にも登るコースを選びました。富山県側の堂辻登山口から反時計回り するコースです。東海北陸道・福光ICで降りて約30分、堂辻登山口に到着。ここには十数台駐車できます。 トイレは少し手前の国見ヒュッテ付近にあります。

 〔堂辻登山口駐車場 NAVIマップコード:122 097 622 *42
   
 ※マップコードご利用の際は、カーナビに入力したとき、その位置を地図と照らし合わせて確認してください

福光ICから望む医王山

医王山は福光IC付近からもよく見えます。
スキー場のある左の一番高い所が奥医王山ではないでしょうか。

堂辻登山口駐車場

途中からやや狭い舗装林道を走って堂辻登山口駐車場へ。私が一番乗りでした。

堂辻登山口

駐車場のすぐ先が登山口。
二手に分かれる登山口で金山峠(三千坊)を行く近道もありますが私は右への道を選択。 水平道にて梯子坂・三蛇ヶ滝・鳶岩へ行くコースで、どちらを行っても時間的には大差ないようです。

〔堂辻登山口 発=6:20〕
鳶岩が見えます

ガクアジサイやササユリが咲く新緑の道は水平道というだけあって気持ちよく歩けます。
《鳶岩がみえます》という案内標識がありました。
おー、確かに鳶岩だ!

〔鳶岩が見えます=6:45〕
沢出合・渡渉①

鳶岩が見えますから先は様子が一変。
ここが梯子坂というのでしょうか、滑りやすい急坂を下ります。フィックスロープも数ヵ所ありました。
そして沢に下りて渡渉します。2つの沢がここで合流するY字型の沢なので渡渉は続けて2回。 まず手前の沢①をわたります。

〔沢出合・渡渉=7:00〕
渡渉②

そしてすぐに2つ目の渡渉。
こちらにはロープが渡してありました。なくてもわたれますが安全のため利用します。

カニの横ばい

渡渉して5分ほど行くといよいよカニの横ばいです。
以前、鎖が切れているところもあったそうですが今は補修が済んでいるので大丈夫。
岩が濡れていて滑りやすいので鎖を持ちながら進みます。 草が茂っていて高所恐怖感はないのですが右下をのぞき込むと(左下写真)おー怖ッ!
カニの縦ばい(右写真)も何ヵ所かありました。

〔カニの横ばい・入=7:05〕
〔カニの横ばい・出=7:15〕

鳶岩分岐

カニの横ばい通過は10分くらいでしたが意外と長く感じましたねえ。
そして鳶岩分岐。あとでここから鳶岩へ登りますが、その前に三蛇ヶ滝と大沼へ行ってくることにします。

〔鳶岩分岐=7:20〕
三蛇ヶ滝

鳶岩分岐のから15mくらい先の分岐を右にとり三蛇ヶ滝へ下りてきました。
落差が20mくらいでしょうか、豪快というのではなくきれいな滝といった感じですかね。

〔三蛇ヶ滝=7:25〕
大沼(おおいけ)・大池平

分岐まで戻って大沼・大池平へ。
正面にシンボルツリーともいうべき大木がありその奥に休憩所もある広く平らなところです。
あとで出会った金沢のオジサンに教えてもらったのですが、昔この辺りに数多くの建物がある お寺があったそうです。

〔大沼・大池平 着=7:35〕
大沼(おおいけ)と鳶岩

大沼は雰囲気のいい池でした。
そして写真上部の尖ったところに見えるのが鳶岩です。木に隠れている部分が多いので鳶岩らしくは 見えないかなあ。

〔大沼・大池平 発=7:45〕
鳶岩分岐

大沼から先ほどの鳶岩分岐まで戻ってきました。
いよいよ背中坂といわれる岩場を鳶岩へアタックします。 最初は木が茂る湿った岩場を急登。

〔鳶岩分岐=7:50〕
露岩の岩場開始

すぐに木がなくなり露岩の岩場が現れます。 斜度は45度といわれる岩場ですが、しっかりした鎖が設置されているし、手掛かり足掛かりがある岩場なので 着実に登って行けます。

登り続ける岩場

標高差で100mという岩登りは長かったですねえ。
はじめはよかったのですが途中で足が疲れ息は上がるしで何度も休憩。 普通の山道の急登とは違って太ももの筋肉を使うようです。翌日は筋肉痛でした。
上に空が見えてきました。右の写真の岩場が最後の登りのようです。

登り切ったー

登り切ったー。鎖があるのはここまで。ん? あとはこの岩を登れっていうの?
そうではなくて左から巻く道を見つけました。

鳶岩ッ!

岩を回り込んで上がると、おっとー、鳶岩ッ!
回り込んだ大岩は鳶岩の台座部分だったんだね。
ともかく背中坂を登りきったけど23分もかかってしまいました。まあコースタイム程度でしたでしょうか。
くちばしの下のところまで登りましたが立つのは怖いのでやーめた。誰もいなかったので私の写真はありません。
遠くに日本海が見えます。

〔鳶岩=8:15~8:30〕

鳶岩と大沼を見下ろす

鳶岩から先もしばらく岩場が続きます。
少し登った岩場からは鳶岩と大沼が見下ろせます。
思ったより大きな池でしたねえ。池畔で見たときは小さな池だと思ったのですが。

白兀山などを望む

そしてこれから向かう白兀山などが見えてきました。
4つのピークが見えますが、左奥から奥医王山、蛇尾山、白兀山ではないかと思います。
このあとは尾根歩きです。

覗分岐(覗乗越)

ブナ林などの中の尾根道歩きは軽快でした。 途中にいくつか分岐があり、覗分岐(覗乗越)までやってきました。 白兀山まで40分と書かれています。もうしばらくかかるってことか。

〔覗分岐(覗乗越)=8:50〕
西尾平/白兀山分岐

おッ、分岐だ。ここを左へ。
金沢からのメインルートだという分岐に出ました。
医王山スポーツセンターから見上峠、医王の里、西尾平を経て登ってくる道です。

展望地からの眺望

分岐から1・2分行ったところに露岩の展望地がありました。
真っ青な日本海、そして金沢の市街が一望です。なぜかうれしい気分。太平洋側に住む者にとって 日本海はなかなか見る機会がありませんからね。
ここで金沢のオジサンと出会い、このあといろいろ教えてもらうことになります。

〔展望地=9:20~9:25〕

白兀山山頂(896m)

白兀山山頂に到着。
ここには鉄骨やぐらの展望台があります。

〔白兀山山頂 着=9:30〕
展望台から南側の眺望

展望台に上がると山座同定方位盤がありました。
中央よりやや左に大笠山と大門山が見えます。その奥に白山があるのですがほとんど雲に隠されていました。
金沢のオジサンは北アルプスも見えるはずだがということでしたが、東の遠くも雲の中で残念。

〔白兀山山頂 発=9:40〕
分岐

さて奥医王山の方へ向かいましょう。その前に蛇尾山があります。
白兀山から5分ほど行くと分岐がありました。初めての人は、ん、どっちだ? となりますが、 奥の標識から右へ登って行く道です。

〔分岐=9:45〕
蛇尾山(920m)

蛇尾山の下を巻く道だったようで、途中で右に登る分岐を見つけました。
登って行くと正解でした。ここが蛇尾山山頂です。東側がわずかに開けているだけの山頂ですね。

〔蛇尾山山頂=10:05〕
夕霧峠

蛇尾山から下ってくると舗装林道に出て、そのすぐ先が夕霧峠でした。ここまで車でこられるんですね。
休憩所になっていて二階が展望台です。

〔夕霧峠 着=10:15〕
夕霧峠から東側の眺望

夕霧峠からは金沢市方面もよく見えますが東の富山県側もいい景色です。
散居村で知られる砺波平野。右手の奥には白木峰などであろう山々が望めます。
ここで休憩を取りいよいよ最終目的地・奥医王山へ向かいます。

〔夕霧峠 発=10:25〕
浄土坂

林道から山道に取り付きます。
浄土坂というこの急登は見返りの大杉まで288段の階段でした。 鳶岩に登って疲れた足にはきつい。浄土に行くのも大変だということか。

見返りの大杉

《見返り杉到着 がんばったね》と書かれた案内標識が階段横に置いてありました。
でっかい杉の木がある踊り場のような小広場でした。
ここからも金沢市方面、白兀山、砺波方面の眺望があります。

〔見返りの大杉=14:00〕
ササユリがいっぱい

この日はササユリがいっぱい咲く医王山でした。
出会う人が口々にササユリがきれいーと喜んでいます。
今はササユリだけど春にはもっといろいろな花が咲くそうです。

奥医王山山頂(939m)

夕霧峠からちょうど30分で奥医王山山頂まで登ってきました。本日のミッション完了。
昼食をとっているとやがて金沢のオジサンが到着。一緒に休憩しながら話を聞くと 金沢大の登山部のOBだそうです。しかも82歳、なんと私よりも2歳年上の方でした。 山岳部OBで年上の方もいるけど今でも山に登っているのは金沢のオジサンだけだそうで実にお元気です。 ということで『老々会話』に花が咲き、楽しい一期一会のひと時を過ごさせてもらいました。

〔奥医王山山頂 着=10:55〕
展望台からの山頂風景

大きな一等三角点がありその上に展望台が建ってます。
上ってみましたが周りの木が成長して展望は今一つだったので上から山頂風景を撮ってみました。 金沢のオジサンによるとこんなに人が多いのは初めてだそうです。
さて、山頂で長居をしましたが、金沢のオジサンにお礼を言って下山にかかります。

〔奥医王山山頂 発=11:40〕
龍神池

下山道で《龍神池》という標識があったので立ち寄ってみることにしました。
山上の雰囲気のいい池ですが、ズブズブと足が引き込まれる底なし沼のような感じもしますが・・・。

〔龍神池=11:50〕
見返りの大杉から見る白兀山・蛇尾山

見返りの大杉まで戻ってきました。
前方には今日歩いてきた山々が見えます。 右の山が蛇尾山でその左(写真中央)が白兀山でしょうね。

〔見返りの大杉=11:55〕
国土原休憩所

夕霧峠まで戻るとあとは舗装された林道を歩いて堂辻登山口まで戻ります。
夕霧峠の展望台を過ぎ途中に1ヵ所休憩所がありました。2つ目の休憩所がこの国土原休憩所です。
休憩はせずひたすら歩きます。

〔夕霧峠=12:05〕
〔国土原休憩所=12:30〕
堂辻登山口駐車場

堂辻登山口駐車場に戻ると車がいっぱいでした。中には林道上にも。
これから出発する人もいるようです。

〔堂辻登山口駐車場 着=12:40〕

 予定より早い時間に出発できたので余裕をもって周回してくることができました。
今は西尾平の方から登るルートがメインだそうで、さらに林道を詰めて 夕霧峠まで車で上がれば奥医王山も簡単に行ってくることができます。 そのため、大沼から鳶岩に登るコースを取る人は少なくなったと金沢のオジサンは言っておられました。
でも、やはりカニの横ばいをわたり、背中坂の岩を鳶岩まで登ってこそ医王山に登った価値があると 思いますし、楽しさを味わえる行程だったと思っています。
岩登りよし、展望よし、ササユリよし。さらに金沢のオジサンとの老々会話の交流も楽しかった医王山の一日でした。


     

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