黒くてごめんなさい

 十八品目

ヨコイのあんかけスパについて考える

 

 最近、名古屋の味というものがとても心地よい今日この頃です。昔はそれほど意識しなかった味が、今はとても心地よくそして生活の一部となっていることに気がつきました。小倉トースト、名古屋地域のモーニングサービス、クッピーラムネ、天むす…。枚挙にいとまがありませんが、今回は特に名古屋の味の先鋒格で、あたくしもフリークである“ヨコイのあんかけスパ”についての考察です。

 あんかけスパ。名古屋の味です。名古屋に出張などで来訪してその味にはまる方も多いこのあんかけスパ、その歴史は比較的新しいものです。名古屋地方の人間にはおなじみの“あんかけスパゲティヨコイ”のヨコイが世に初めて出したものが、あんかけスパとして初めてのものといわれています。スパゲティーハウスヨコイの創業者の山岡さんが、ホテルの料理人をしていたころ、独自のミートソースを使ったスパゲティーを開発しました。

そのスパゲティーは、イタリア料理人だった山岡さんが、イタリアナポリ地方のスパゲティ−ソースを参考とし、名古屋の地域の人々にあった味をということで開発されたようであります。そしてそのスパゲティーをもって、昭和35年にスパゲティ−ハウスヨコイを開店しました。以後、名古屋にあんかけスパワールドが瞬く間に広がったとのことです。

いまでは、様々なあんかけスパレストランが名古屋にはあり、さらに名古屋市内の喫茶店にも置かれているメニューとなっているのがこのあんかけスパなのです。

 あんかけスパのパイオニアのヨコイが編み出したあんかけスパのメニューは、たくさんあります。全てあんかけスパの定番ですが、中でも私のお気に入りはミラネーゼカントリー、通称“ミラカン”です。(以降、ミラカン)赤ウインナーとベーコン、マッシュルーム、タマネギ、トマト、そしてヨコイのソースが織り成すヨコイあんかけスパの基本であり、そして最高傑作です。これぞあんかけスパといわせる逸品です。このミラカン、当初はなかったメニューだそうであります。当初は、ミラネーゼ(赤ウインナーとベーコンの具のソース)というソースと、カントリー(タケノコ、コーン、タマネギ、トマト、ピーマンという具のソース)というスパゲティーの2つのそれぞれメニューがありました。あるとき、お客さんから「2つの具をあわせたソースをかけたメニューを作ってはどうか」という要望があり、それを元に作られたのがこの“ミラカン”だったといわれています。このようにしてミラカンは誕生し、現在もあるのです。このリクエストをしたお客さんに感謝!です。

 あとあたしは、ヨコイのスパではありませんが、から揚げカントリーも大好きです。このからカンには、当然ながらからあげが乗っているわけですが、このから揚げがどちらかといえばチキンカツくらいの大きさがあり、初めて目にしたときはびっくりしてしまったのであります。しかしヨコイのソース、麺との一体感は絶妙で、あっという間に食べてしまったような気がします。しかし、そのボリュームの多さに、腹がいつまでも減らず、晩御飯が食べられなかったことを昨日のことのように思い出します。皆さんもヨコイのスパ、またヨコイに限らず、お気に入りのあんかけスパのメニューがありましたら、どうか教えていただけますようよろしくお願いします。

 ヨコイといえば、あのソースと独特の太い麺です。ヨコイに食べに行ってあんかけスパにはまるのは、このソースと太麺が織り成すスパにはまって、ヨコイに通ったり、はたまた通販でソースや麺を買って、自宅でミラカンを作ろうとまでしてしまう、ヨコイ中毒者が増えていることは紛れもない事実です。

 まずは、あのヨコイのソースです。まずヨコイのソースの魅力ですが、それはあの単なるトマトソースとも、そしてドミグラスソースともつかないあの不思議な味わいです。この独特の風合いは、ヨコイならではの味わいだなって思います。さらにとろっとした感じは、片栗粉が織り成すものですが、あのとろとろ感はヨコイの麺とマッチしていて総合的にみてさすがだと思うものです。またヨコイのソースにミラカンに入っている赤ウインナーは絶品であります。ヨコイのスパには、赤いウインナーでなくてはいけないのです。今でこそ赤いウインナーは、着色料が体に良くないとか、本格あら挽きウインナーの方が味わいがあって美味しいじゃないという声の下一般には料理店では出てきません。かろうじて昔の喫茶店のおばちゃんあたりが、ナポリタンを作るときに使う程度ではないのでしょうか。このヨコイのソースと麺の中に溶け込んだ赤いウインナー。ヨコイのソースの中で嬉しそうであります。このことをみると、超二流(いわゆるB級)の食材でも、組み合わせでは一流のウインナーをしのぐ働きができるのだなと感じたのであります。

 またヨコイソースのピリっとした感触は、黒胡椒によるもので辛いものが苦手な方には時として大変な一品ですが、あの辛味があるからこそ、野菜、そして赤いウインナー等を美味しくいただけるのかなと思います。あたくしたぬきも、辛いものをたべると汗をかくのですが(といっても苦手ではない)、この味わいに魅せられてしまった今としてはたとえ真夏でもタオルを持って汗かきながら食べようと思うのであります。

 で、このソースは、ピリカラでとろっとしたあのヨコイのソースはどのようにしてできるのでしょうか。にんにく、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、胡椒などをひたひたの水で煮込み、そして1晩置き、さらに翌日に牛挽肉、トマトピューレ、調味料などを加えて、さらに煮込み、仕上げに片栗粉を加え、とろみを付け完成させられます。このヨコイのソースのできるまでのプロセスを簡単に書いてきましたが、実際は、こんな簡単できるはずもなく、もしヨコイのソースを自分で作ろうと思うと2〜3日は平気でかかるそうです。ですからたとえヨコイのソースのレシピが仮に入手できたとしても、まず作ることは困難ではないかと思います。仮に作り始めても、あの味がだせるかというとかなり怪しいような気がします。ですからヨコイのスパにはまってしまって、あのソースが食べたいという方は、近所のスーパーにヨコイのスパソースがあれば、購入されることをお勧めしますし、またなくても、現在はdancyu shop を始めとしたインターネットの食品の通信販売もありますので、どうしてもヨコイが喰いてえ とい方はご利用いただければと思います。

 あとは、この麺です。この麺は、一般に市販されているスパゲティーの乾麺より太いのです。茹で上げたときの太さは、ヨコイを愛する者の集いのページでしずみん殿かしるされていたように、まさにうどん、そう乾麺のうどんであります。一般のスパゲティーの乾麺では、1.6mm1.9mmの太さですが、ヨコイの麺は2.2mmです。一応日本のスパゲティの麺として販売されているもの企画としてはダントツであります。少し前にイタ飯ブームが来てから、全体的に麺はアルデンテでそしてスマートに麺を仕上げるという風潮がありました。イタリア料理店で食べるスパゲティと比較すると、野暮ったさを感じてしまいます。ヨコイの麺は、本場のイタリアンの作り方とは違いますが実に魅力的です。うどんともいえるこの麺は、武骨ですらあります。この武骨とまでいえる太い麺に目に述べたヨコイパスタソース、そして具をあわせると不思議と一体感が出て、魅惑の一品となるのです。またしずみんどののページの記事によりますと、ソースと絡める前にヨコイのお店では、ラードで炒めるといいます。あの麺の油の感じはこの製法だからでるのかと感心してしまいました。この製法だから口に入れたときの独特のオイリーな感じがでるのかと思いました。

 ヨコイの麺については、ほめているのだかそうでないのか分からない文章になってしまいましたが、この麺だからこそ、ヨコイスパがありということで、ちょっと違った形での愛情表現、かわいいからこそちょっとけなして言うというところで理解していただければと思います。

 以上、ヨコイのあんかけスパについて考えてきましたが、いかがでしょうか。名古屋におけるあんかけスパヨコイ。ヨコイのあんかけスパは、全国への展開も図ったようですが、思うに任せず、現在では名古屋地方での展開としているとのことです。しかしながらこの味は、名古屋弁でいうところのいっぺん食べてみい〜て〜ということでとにかく食べたことのない方は一度食べていただきたいのです。そして全国に世界にヨコイのスパが広がればと思いました。

ご清聴、ありがとうございました。

 このくらむを執筆するにあたり、せりあ’s HP、ヨコイを愛する者の集い、東海の味、名古屋の味、そしてでら!名古屋麺 というサイトを参考とさせていただきました。ありがとうございました。

 

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