泥松稲荷大明神

 八角堂に近い東高野街道沿いに、木造の赤い鳥居を持つ「泥松稲荷大明神」が祀られている。

 その昔、もみじ寺というところに、小柄で豆狸のような庵主様が住んでいた。また、近くにあった祠には、いたずら好きの狸が住み着いていた。

 ある日、狸はいたずらが過ぎて村人にこっぴどくお仕置きをされ、弱ってうずくまっているところへ庵主様が通りかかった。庵主様は、狸をお寺に連れて帰り、手厚く看病してあげると、すっかり元気になった。その狸の名は「どろ松」といい、その後、庵主様についてお祈りをするようにまでなったという。

 そのどろ松が亡くなると、庵主様は御霊を祀り、朝夕に拝んだそうだ。すると、庵主様にどろ松の霊力が乗り移り、占いがよく当たるようになったという。この噂は京都や大阪に広がり、「どろ松様のお狸様」と呼ばれ、「泥松大明神」の社と鳥居が奉納された。

 今でも「泥松大明神」と一心不乱にお祈りすると、願いが叶うと言われている。

ぶらり八幡 ロマン街道 伝説をゆく より


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