コンテンツ趣旨

このコンテンツは、クラシック音楽、中でもオーケストラ録音を主軸にした録音批評である。

オーディオを楽しむ人たちにとって、機器のクオリティを上げる為に重要になるものが、
優秀な録音で記録されたCDソフトである。

しかし、CDを一枚一枚自分の耳で確かめてから買うことはできないため、
購入の決め手はオーディオ評論家やレコード評論家のコメントに委ねられることになる。

様々な雑誌で毎月評価され推薦される優秀録音。
果たしてそのうちの何枚が、自分のシステムで納得のいく再生ができただろうか。
評価の高かったポイントが、自分のシステムではそのように聴こえてこない。
そんな経験をした人は少なくないと思う。

原因は何なのか?
専門家が試聴するシステムと自分のシステムとのクオリティ差の問題なのか。
それとも、自分の音を聴き取る能力の問題なのか。
高い評価を得たCDを購入し、「はずれた!」と感じたとき、
同時に、自分のシステムと自分自身に敗北感を抱いてしまうことはないだろうか。

私たちが一枚のCDを手にするとき、録音が永遠であるように、その喜びも永遠に続かなくてはならないのである。
喜びを失望に変えてはならないのである。

録音批評も広告の一つである。
そう割り切ってあきらめる人もいるだろう。
リスナーも消費者の一人に過ぎない。
そう思ってあきらめる人もいるだろう。

録音はエンジニアたちの挑戦の記録である。
このコンテンツは、彼らの残した歴史的な文化財産を客観的に評価し、その評価を手がかりに、
オーディオを楽しみ、また音楽を聴く喜びを味わってもらいたい。そんな思いで立ち上げたものである。

超高級オーディオでなくても聴こえてくる音がある。
レコーディングエンジニアの思いは、特定のマニアを唸らせることではない。
少しでも多くの人に、音楽の素晴らしさを享受してもらうことなのだ。

このコンテンツの批評は、オーディオメーカーやレーベル、販売店に媚びることのない、管理者の経験と良識によって行なわれているものである。

オーディオマニアもそうでない人たちにもこの批評を手軽に利用してもらい、高品質録音の購入ガイドとして役立ててもらいたい。


このコンテンツで紹介するCDは全て管理者のコレクションである。
したがって、まだ十分なラインナップとはいえないことを申し上げておく。

また、評価の低かった録音は無数にあるが、
こうしたものはあえて紹介することを控えさせていただいている。

紹介するディスクのほとんどは輸入盤である。
音質の優位性はもちろんであるが、プリントによってそのつど音質が変わるのが常識のため、
紹介ディスクには商品番号を載せている。
あくまで同じ商品番号での評価と理解していただきたい。

演奏についての批評は積極的には行なっていない。しかし心に残る演奏は多くの人と共有したい。
そうした思いから、適宜コメントを載せさせていただいた。