評価基準

録音評価は、まず客観的に5つの項目で示してある。
演奏されている場所をイメージでき、ホールの空気感をどこまで捉えているかを表す、
「ホールトーン」
オーケストラの左右への広がりや各楽器の配置が明確に捉えられているかを表す、
「ステージレイアウト」
楽器一つ一つの実存感や奏者の息遣い、音の生々しさを捉えているかを表す、
「リアリティ」
音そのものがどこまで高品質に捉えられているかを表す、
「クオリティ」
そして、弱音から強音までオーケストラの迫力を忠実に捉えているかを表す、
「ダイナミックス」
以上の5項目を10点満点で評価し、それを平均点で示している。

一方、100年にも及ぶレコーディングの歴史を鑑みると、
モノーラル・ステレオ・デジタルと、
ハード面での技術革新が録音評価の決め手となってしまう可能性がある。
このため、上記のような技術力を基準にした絶対的な録音評価に加え、
その年代に応じた相対的な評価区分を設けている。

それが下段に示す
「世界遺産級」「文化財級」「愛蔵盤級」の3つの区分である。
それぞれの振り分けは、管理者の主観も多分に含まれているが、
この区分によっていつの時代に録音されたものであっても、歴史的価値を見出すことができ、
後世に伝える基準となるであろうと期待している。


世界遺産級 文化財級 愛蔵盤級
録音芸術として最も高い
評価を与えたディスクで
ある。
時代を超越した絶対的な
優秀録音をラインナップ
している。
特にステレオ初期の録音
からは、驚愕のリアリティ
を聴くことができ、
当時のエンジニアたちの
優れた音楽性と、
最良の録音を求める
妥協のない
チャレンジ精神を
知ることができる。

数十年の技術革新にも
負けないこれらの録音は、
間違いなく、
今後数十年伝え残される
世界遺産となるだろう。
録音技術の進歩に相応
した、その時々の最良の
録音をラインナップ
している。
エンジニアがその時代に
どんなチャレンジをし、
録音技術を高めてきた
のかを垣間見ることが
できる。

オーディオソースの観点
からすると、
必ずしも成功している
ものばかりではないが、
こうした実験的な
試行錯誤があったことで
オーケストラ再生の
可能性が高まったのだ。

その時代時代にどんな
録音が行なわれたのか
を改めて認識できる
ラインナップである。
オーディオソースとして
一級のクオリティがあり、
納得してオーディオ鑑賞
ができる録音を
ラインナップしている。

最新のデジタル録音で
あれば、
ほとんどのディスクが
この区分に入るだろうが
エンジニアの積極性が
伝わらないものは
採用していない。

その時代ごとの
最新技術を踏まえ、
管理者の嗜好にあった
仕上がりの良いものを
紹介している。


録音データなどは、ジャケットに掲載のものを紹介している。エンジニアやホール名なども極力紹介しているが、詳細の分からないものもある。
また、録音年月日は、複数日にまたがっているものは原則最終日を記載している。