秋から冬の青物ハイシーズンに向けて、今のうちにジグを作っておこうかなと思い始めたジグ偽造だが、
青物シーズンを待たずしてパックリワレメちゃん現象が多発したため、新規製作はおろか、
一度完成に至ったジグの修繕作業のための入院患者が増え、病床がひっ迫している。(笑)
--- ここからは2022年3月13日に追記 ---
その問題は… というと、全てではないが、一部のホログラムシールとの相性がすこぶる悪い。
完成直後はもちろん不具合は無いのだが、日数が経つとエッジの部分にワレメちゃんが出来、
そのワレメちゃんが日に日に大きくなり、やがて剥離して浮いてくるのだ。
そのワレメちゃんに爪を立てると綺麗に剥がれてしまう。
これは私のみでなく、ワンワンも同じ事象に見舞われ吠えまくっていたから偶然ではなさそうだ。
これはホログラムだけで、アルミホイルや鉛の部分、マジックで書いた眼玉が流れないように
エポキシでコートした部分には剥がれることなく塗幕が付いていることから、
試験的対策として、一度エポキシを薄くコートしてからセルロースに漬けてみたらどうだろうか?
これはもう少し先でないと答えは出ない。
これでダメならシールではなく、熱転写ホログラムを試すしか手が無い。
昔のナ○シマ製のセルロースは湿度が高いと白濁が激しかったが、
ガラスのような硬い塗幕が出来て、こんな事象も起こらず良かったのになぁ…。
--- 2022年3月27日 追記 ---
とりあえずエポキシでコートしてから大丈夫っぽいです。
そしてホログラムシールについて。
--- 2022年6月21日 追記 ---
エッジまでギリギリ貼った場合、剥離する確率はほぼ100%ということが判明。
もうこれだけセルロースが乗っていれば大丈夫でしょ! というくらい、
綺麗に仕上がったつもりが、1週間ほど経つとこの通り。


もう戦意喪失というか、これ以上無駄な労力をかけたくないのでホログラムシールは諦め、
熱転写ホログラムを糊転写で使ってみることにした。
ひとつ泣き所は、そのままセルロースにディッピングした場合、綺麗な輝きは失われる。
その対策として、 @ エポキシ接着剤を薄く塗ってみた。 →塗り方により、仕上がりは少し汚くなり完璧とは言えない。
A アクリル系クリアーラッカーを吹いてからディッピング。 →何もしないよりいいが、少し溶剤に侵される。
B 一度水性塗料で塗膜を作ってからディッピング。 →まだ試してないが水性塗料が侵される可能性あり。
根本的にはセルロースからウレタン等にコーティングそのものを変える必要があるかもしれない。
--- 2022年7月19日 追記 ---
おおよそ結果が見えてきました。
ホログラムシールでは結果的に剥がれるので、熱転写ホログラムを『糊転写』で試したところ…
使用した接着剤、「スリーエム スプレーのり 77」、上からエポキシでコート、その後セルロース。→結果は全てダメ。
日にちが経つとエッジ部に剥離が見られた。
それにまずホログラムの輝きが鈍くなる。
QUICK ZERO 1 のような船底型のジグに於いては傾斜のきつい船底部(峰の部分)にワレメちゃんが現れます。
スプレーのりの代りにエポキシ接着剤。上から同じようにエポキシ接着剤でコート、その後セルロース。→取りあえず大丈夫そう。
スプレーのりで貼った時のような鈍い輝きではなく、上手く貼ることが出来たなら申し分ない。
ただし、仕上がりは汚くなる。これはスプレーのりでも同じだが、ホログラムが溶剤で侵されるのを防ぐ目的なのだが、
できることならば、エポキシを使わずに出来るに越したことは無い。
エポキシ接着では貼る時にホログラムがズレまくるので、その時点で汚くなる。
まぁ結論から言ってしまえば、セルロースを諦めコーティング塗料自体を変える必要がありそうだ。
セルロースは硬化すると「縮み」が生じてホログラムを捲り上げてしまうのかもしれない。
コストはかかるが溶剤の入ってない、ロッドラッピングに使うフレックスコートを試してみるとか、
水性ウレタンを試してみるのも選択肢にありそうだ。
ただし両者とも乾燥に時間がかかるのと、金額的なコストが泣き所だ。
それに一度に連続して何本も仕上げないと無駄が大きくなる。
水性ウレタンはどうなのか知らないが、溶剤系ウレタンは使い切らないうちに瓶の中で固まってしまう。
セルロースを選んだのは、缶の中で残っていても蓋さえしっかり閉めておけば10年経っても固まることは無い。
コーティング塗料ひとつにそんなに金かけてたのでは、何のためにジグを偽造しているのか分からなくなってしまう。(笑)
ジグが高いからシリコンで型取りして偽造しようと始めたジグ作り。
試行錯誤を繰り返し、結果的には何だか市販品を買った方が安くつきそうな雲行きだ。(笑)
ひとつだけ言えるとすれば、作ることが楽しいことには間違いない。
--- 2022年8月16日 追記 ---
スプレー糊転写は100%ダメという結果が分かりました。
結論を言えばセルロースはジグ製作には向かないということでしょう。
まぁ中には、「お前のやり方が下手糞だ」という方も居られると思うが…(^^;)
市販品のジグは何を使っているのか? 恐らくウレタンだと思うけれど…。
何故ならば過去に、市販品ジグの塗膜強化のためにセルロースに漬けたならば、
ホログラムは見事にイカレてシワが入ったり曇ったりと、墓穴を掘る結果だったからだ。
それに、セルロースはディッピングする間隔が開いて完全硬化してしまうと、
再度セルロースにディッピングした時に、夥しい数のクラックが入ってしまう。
更にディッピングを繰り返すと、ホログラムまでにシワが入ってしまう。
言い換えれば、一度完成させたつもりのジグにワレメちゃんが発生した場合、
補修して、仕上げにセルロースに漬けるものならばたちまちクラックの嵐となる。
一度完成に至ったジグの補修は、コートはもちろん、ホログラムまで全て剥がしてしまわないと修繕不能な感じだ。
そんなことから私が思うには、
セルロースは一般の溶剤系塗料のように、塗膜が委縮するのではないだろうか?
スプレー糊はシールの粘着面のように、時間が経っても乾かずにベトベトネチネチする。
そんなことからセルロースが縮むことにより、糊転写されたホログラムが引っ張られ浮いてしまうのではないか?
と、私は考える。 粘りの無い硬い塗膜が裏目に出た感じだ。
ウレタンや、いつまで経ってもネチネチ乾かないアクセルのセルロースでは見られなかった現象だ。
因みにアクセルのセルロースで仕上げたジグは、10年以上経った今でもジグ同士や、
棚板に張り付いてしまう。何たるこっちゃ。(笑)
鋳造したジグの鉛ボディーに、アルミホイルを貼る時にはスプレー糊は綺麗に貼ることが出来るが、
熱転写ホログラムを糊転写で使う場合にはお勧めできない。
私の場合は、ホログラムの輝きを失うこと無く貼れるエポキシ転写に落ち着いた。
--- 2022年8月18日 追記 ---
アルミホイルを貼って 「下地」 のみを作っておいた中からもアルミホイルが浮き上がって
剥離が見られるものもありました。
エポキシ転写、エポキシコートを試みた中からも、もう 「耳なし芳一」 状態とでも言うか、
エッジの部分でエポキシコートが十分に行き届いていない部分があると、たちどころにワレメちゃんが出現。
もうこうなると、素直にセルロースは諦めろということが決定的となったようです。
私が思うに、セルロースはウッド系ルアーの下地作りとか、貼りものの無いルアーには向くかもしれないが、
ホログラムを貼るメタルジグのトップコートには絶対不向きということが結論か?と。
塗装は流れるわ、ホログラムは侵されるわ、挙句の果てにはホログラムが浮き上がってワレメちゃんが出来るわと、
イイことひとつも無しという結果に終わりました。
…ということで短期観察レポートもひとまず完結。
結果から言えば、糊転写でどうしてもセルロースを使いたい場合、
硬化までに時間を要するが、エポキシ接着剤でホログラムを転写、その上から再びエポキシでコート。
その上でセルロースディッピング。
これが取り敢えずトラブル回避のカギとなりそうだ。
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