「ヘン? 恥ずかしい?」

 

 私は子供の頃、よく父から 「ヘンな目しちゃいかん」 と注意されていました。というのも私の目は左右の位置が少しずれているから、はたから見るとやっぱりヘンな目に見えるのかな?
  しかし、子供の頃にそんな事言われても 「何がヘンなの?」 という感じで直しようもなかった。だって何がヘンなのかわからなかったし、そういった説明もしてくれなかった。こっちからも聞かなかったけど。。
 
 ある日、父の友達が家に遊びに来る事になった。その時、私の眼鏡を何故か引き出しにしまうように言うんです。。私は眼鏡を使用しても視力がほとんど変わらないので、文字を書く時以外はほとんどかけていないんです。家では眼鏡は置時計の前にいつも置いてました。それに、その「眼鏡」も悪い表現で言えば「牛乳ビンの底」のような厚いレンズの遠視用。簡単に言うと虫眼鏡のようなレンズです。
  父はそれを友達に見られる事をすごく嫌っていたんじゃないかな・・・
 その当時私はまだ小学生でした。父の嫌がる理由はあまり理解していなかったけど、歳をとるにつれてだんだんわかってきた。

 そんなに目がずれているとヘン? そんなに厚い眼鏡だと恥ずかしい?

 今は前向きに私の為に注意してくれたんだと自分に言いきかせているけど、やっぱり胸が痛いです。

   親としてはショックだったのかなぁ? 障害を持って産まれてきた私。

 でも、私は姉がいる。しかも同じ障害を持っている。私が障害を持って産まれる確率が高いことは百も承知のはず・・・・

 この事があってから、「障害者」とはとても恥ずかしい存在なのでは と思ってしまった。他人が障害者を差別するのはまだ納得できるのだけど、自分の子供ですら恥べき存在としてしまうの? 

 でもこれが現実なんだよねぇ こんな恥ずべき存在の私をここまで育ててくれたのも親だし・・・。やっぱり感謝の気持ちは沢山あります。
 

 私に子供が出来て、その子が障害を持っていたら、私はどんな気持ちでその子に会うのだろう・・・