「エルフギフト」上 復習の誓い 「エルフギフト」上 裏切りの剣
「エルフギフト」(Elfgift) スーザン・プライス著 金原瑞人訳 ポプラ社発行
基本的に妖精物は好きではないのだが、この大作は躊躇せずに読みました。いつもどの本の紹介のページに書いてるがそれでも書くぞ!傑作だ!面白かった。スーザン・プライスは少し描写がきつい所もあるので、読者はほんとにヤングアダルトから絞った方がよさそうである。
作品の舞台は、現在のイギリスで大ブリテン島のイングランドの南部のある一国とされています。本編の主人公でもある「エルフギフト」は人間とエルフとの混血でこの物語の王国の王の私生児でした。王国の王には多くの妾がいましたが、妾の存在は王妃には全く気になりませんでした。しかしエルフという存在だけは、王妃から見れば魔物そのものだったのです。
しかし王妃が亡くなり、そして国王さえも亡くなる時に王が遺言を残します。エルフギフトに王位を譲ると、ここからエルフギフトの数奇な人生がスタートしていきます。それは王位をめぐった戦いの始まりだったのです。
そしてもう一人の悲しい主人公エバ、エルフギフトに近づこうとすればするほど遠のいてしまう感じで悲しいい存在だった。
※表紙掲載許可はポプラ社さんより得ています。
補足記事)
西暦597年にイングランドにキリスト教の宣教師が来てアングロ・サクソン人にキリスト教を布教しました。そのためこの物語の時代は6世紀後半だろうと思われます。南イングランドをネットで検索してみました。なんとも美しい所ですね、エルフギフトは森に住むエルフと王との間に生まれたそうですが、現在の南イングランドには何世紀にも渡って農地や住宅地にかえられた為に森は激減しているようです。