随筆「本が崩れる」草森紳一/著 文藝春秋/発行

 随筆って何?随筆はエッセイであると私の辞書には書いてあった。そうか還暦に近い親父もエッセイを書くのだ。そしてその面白いことといったら。
 私は本の情報は新聞から得るものが多い。この本も中日新聞で知りました。タイトルですでに読みたい気分が高まるのを覚える。さっそく図書館で予約するとなかなか手元に届かなかった。やはり新聞で紹介されたので人気があるのだろうと気長に待っていたら違ったのである。「本が崩れる」は我が図書館になく、本屋さんに注文中であった。つまり買ってくれたのだ。この本の印税が数円でも草森さんの懐に入るだろう。そこまで読者が心配すべきところではないが。
 本の内容はタイトルの通り草森紳一が買い集めた本が崩れてその本が浴室の扉をふさぎ出れなくなった事件を書いているのである。それだけなのに何ともおかしくて笑いながら読み終えました。作者に惚れこむ事はあまりないけど、本の内容よりも強烈な印象を与える草森紳一にすっかり参ってしまいました。
「本が崩れる」の他にも「素手もグローブ」喫煙夜話「この世に思い残すこと無からしめむ」収録。喫煙夜話のピースの話も結構いいです。というか笑えます。

2006年3月31日

※表紙の許可が下りない。正直にいうとなくてもあってもどうでもいい表紙なのだが。そうピースも買いました。両切りのショートピースを買うのは恥ずかしいです。吸うと肺に煙がくる感じではなく、喉をまずやられます。健康を考える人は絶対に吸わないほうがいい。