「ほとばしる夏」
ジェイン・レズリー・コンリー/著 尾崎愛子/訳 今村麻果/画
福音館/発行
作家で選んで借りました。表紙だけだったら読まないね、内容がよけりゃ結局は読むが、本を選ぶ初めの一歩は表紙からではないのか?一応意味がある表紙画だけどさ。
この物語は少女の日記形式で話が進む。、
ある時、ママと弟コーディと住み慣れた町を離れ、引っ越すことになりました。それはパパが突然家を出てしまったから、
ママの勤める電話会社から都会へ転勤すれば賃金もあがり、今の空いた家を貸し出せば家賃収入も入ります。とにかくお金を稼いで生活しなくちゃいけません。
引っ越した町は雑誌の表紙を飾るような家が並んでいます。なんだか馴染めない気持ちのシャーナですが、いいこともありました。ママが会社の同僚から川沿いのキャンプ地を紹介され、そこにあった無人の小屋が気に入り、夏休みの間この小屋に住むことになったのです。
そこで知り合ったのが冒頭から始まる森林管理官となのる老人との出会いでした。シャーナの人生はこの老人との出会いから変わっていきます。
夏休みのあいだ、ママが遠い町まで仕事に行き、その間の長い昼間の留守を子ども達二人だけで過ごすところは無謀な感じもしますが、たびたびママが登場していたらやっぱりハラハラやどきどきが薄れてしまう、微妙な距離感を保ってお話が進むところが面白いですね。
それとですね、この訳者はJ・L・コンリーに惚れこんで翻訳しているようだが、それならば、この作家の素晴らしさを自ら語って本の末尾に訳者あとがきとしてしたためて欲しい。なんで後書きがないんだろうか、手抜き感は拭い去れない。
追加記事)
借りた小屋へ車から降りてママが歩く半マイルは800メートル、表紙のような環境にある小屋から毎日800メートルあるいて駐車場に行くのは結構つらい。
2009年10月2日
※表紙掲載許可は福音館さんより得ています。