「物語のおやつ」 松本侑子/著 WAVE出版/発行

 タイトル通り、物語に出てくるおやつを実際に作ってレシピまで紹介されています。とても美味しそうな本でした。
 「ぐりとぐら」のカステラから始まり、こういう趣向の本お決まりの「赤毛のアン」のレイヤーケーキなど盛りだくさんに紹介されてます。「あしながおじさん」ではレモンゼリーが紹介されていた。「おやつ」がテーマなのだから当然だろうが「あしながおじさん」の私のイメージはジュディ(その時はジェルーシャ・アボットだが)が作ったパンを厚く切り過ぎて怒られたサンドイッチだ。
 それと「大草原の小さな家」では、豚のシッポにまつわるエピソードが、「大草原の小さな家」の中で、豚を一頭を大人達がハムにしたりベーコンにしたり干し肉を作るシーンの側でローラが豚のシッポのあぶり焼きを喜んで食べるシーンがある、しかしこの本によるとそのシッポは獣臭くてあまり美味しくないようだ。
 他にも「若草物語」の意外なエピソードや「さむがりやのサンタ」のイギリスのクリスマスの食卓のシーンなどおもしろエピソード盛りだくさんです。
 所々に書かれた実際に作者の松本さんがその国に行き、体験したお話は読み応えがありました。自分が読んだ本が別の角度から語られるととても面白い。ワイルダーの「プラムクリークの岸辺で」の実際の舞台まで行ったそうだ。その部分を読むと私も訪れた事はないが、同じように心が熱くなってしまう。

2005年7月19日

2005年10月14日表紙アップ
※表紙掲載許可はWAVE出版さんより得ています。