「スラッシュグリーンのたたかい」 ミス・リード著 
 中村妙子訳  日向房(ひなたぼう)発行

この作品で田園作家という分類を初めて知りました。田園作家・・・ミス・リードを田園作家と呼ぶならば、そうだな、ルーシー・モード・モンゴメリーだって入るかもね。「赤毛のアン」のシリーズ全てを楽しく読める児童の諸君がいたら、この作品もあまり大差ないので読めるはずである。大人が主人公であるばかりに分類別けは一般書となってしまうが、
 ミス・リードの作品はどこかほのぼの、しかしところどころに配置された人間模様はこっけいであり、また真実の大人の姿であり、それでいて何所にでもいる、そう自分の住む町にだっていそうな人ばかりが登場するのである。
 この作品「スラッシュグリーンのたたかい」よりも早くでたミス・リードの作品のシリーズで、南イングランドを舞台にした村の女性の校長先生のお話がこのシリーズの主人公のややこしいがミス・リードなのだ。
一応この作品の全ては彼女が書いた事になっているのだろう・・・(未確認、何かで読んだうっすらした情報である。)
 ミス・リードは「スラッシュグリーンのたたかい」には出てこない。
このシリーズは新しいシリーズのようだ、舞台も違いイギリス南西部のスラッシュグリーン村が舞台となって、そしてその小さな村で起こる小さいな事件から大きな事件までスラッシュグリーンノ特有の(世界共通なのかも?)面白い人間模様を堪能できる楽しい作品となっています。
 個人的は、この村の小学校の老先生の一人、ミス・フォーガティが好きだった。せっかく校長のミス・ウォトスンの為に編んだクリスマスプレゼントのベット・ジャケット(肩掛け)を受け取った校長の言葉は
「2つ目のベット・ジャケットね」だったのだ。なんとも思いやりのない言葉である。その言葉にショックを受けるミス・フォーガティ!
「え?2つ目?他の方にも頂いたですか?」そうだよミス・ウォトスン!「ありがとう」とだけ答えればいいんじゃないの・・・このやり取りの為に少しばかり2人の関係に暗い影が出来るが、ミスウォトスンの後悔している様子も書かれてて、こんな何気ないストーリーなのですが、いや〜好きだな〜また読むぞ今夜から。

※表紙掲載許可は日向房さんより得ています。
 
2004年11月22日(月)