梶の葉だより
【神道と稲作】 H29.4 更新
今年は桜の開花も遅く、春の訪れが遠いように感じましたが、やっと春めいてきたようです。
桜の時期を過ぎて新緑の季節を迎えると、各地で田植えが始まります。御田植祭がある神社もありますし、
神社と稲作には密接な関係があります。春には作付前に秋の稔りを祈って祈年祭、秋には収穫に感謝し、
新穀を神さまにお供えして新嘗祭を執り行います。「年」という漢字は「稲の稔り」という意味があり、
農耕民族である日本人は昔から稲作のサイクルを基本にしていたことが分かります。
神社の大祭の折にお供えする神饌でも、お米、お酒、お餅とお米から作られたものから順にお供えします。
伊勢の神宮では三献と言って、お酒も白酒(どぶろく)、黒酒(黒米からつくったお酒)、清酒と三種類あります。
当諏訪神社のある愛知県近辺では、八丁味噌などの豆味噌が主流ですが、お米から作られる味噌もあり、
お米が日本人の食卓には欠かせないものであることがよく分かります。
私たちが普段、何気なく使っている「いただきます」という挨拶。これもお米を食べて生きていることへの感謝、
お米(全ての食べ物を含む)を作ってくれた人への感謝、ひいては自然が与えてくれた命や、その命を守ってくれる
神さまへの感謝が込められていることも知って頂きたいと思います。
日本には四季があり、それぞれに旬の食べ物があります。初物が手に入った時には、是非神様やご先祖様に
お供えをして、共に召し上がってみてはいかがでしょうか。